「財閥の娘」詐欺:預かり金、利払いに 運用、投資行わず
毎日新聞 2013年06月13日 大阪朝刊
「三井財閥の娘」と偽り、高金利を約束して預かった現金を詐取したとして、詐欺容疑で逮捕された無職、新井(にい)紀代美容疑者(65)=島根県浜田市=が利息の支払いに別の被害者から預かった現金を充てていたことが兵庫県警への取材で分かった。県警は、当初から運用や投資をせず自転車操業的に現金を集める計画だったとみている。
県警によると、新井容疑者は2002〜11年、かつて暮らしていた同県姫路市を中心に、延べ45人(24〜80歳)に対して月利5〜10%を約束し、総額3億6700万円を預かった。このうち、一部の人に利息として計約1億7000万円を返還していたという。
また、資産家と信じ込ませるため、被害者らに「三井財閥の大株主のおじが亡くなったので大金を相続する」「現金がありすぎて口座に入りきらない」などとも語っていた。
姫路市の主婦から現金500万円を詐取した逮捕容疑については、「だまし取ったことは間違いない」と認めているという。【宮嶋梓帆】