藤波はプロ最短ＫＯ　４イニング１／３を３失点

　力の違いを見せつけられた。甲子園優勝投手としては先輩にあたる楽天・田中との初対戦。先に崩れたのは藤浪だった。３回、２死無走者から失点を重ねた。２回に無死満塁のピンチをしのいだ田中と対照的だった。

　降板後、田中の投球についてこう話した。「計算してアウトを取っている。ランナーが出てから全然違う。ノーアウト満塁でも１ストライク目から狙って空振りを取っている。行き当たりばったりじゃない。そこが球界を代表する投手だと思う」。脱帽だった。現時点での力と経験の差を目の当たりにする初対決となった。

　こちらは２死からあっけなく連打を浴びた。３回、９番の藤田に右翼線を破られる二塁打を許すと、続く松井には右越え適時二塁打。さらに銀次には三遊間へ流し打たれ、２点目を失った。５回にも島内の二塁打をきっかけに藤田の適時打で失点。打たれたのはすべて、両打ちの松井を含む左打者からの痛恨打だった。藤浪の被打率は右打者の１割７分５厘に対し、左打者は３割２分３厘まで跳ね上がる。

　プロ最短の４イニング１／３でＫＯ。これで３戦勝ちなし、となった。原因については「それを探しているところ。見つからないから勝てない」と、最初のプロの壁に当たっていることを明かした。

　和田監督は「長打のない左打者に打たれた。配球とかでカバーするとか、そこが課題。経験を生かして成長してほしい」と、左対策の重要性を説いた。

　チームは３連敗。次回は２３日のＤｅＮＡ戦（横浜）に先発予定の藤浪を含め、リーグ戦からの出直しとなった。　（中山隆志）