名古屋グランパスは16日、飛騨市のふれあい広場でFC岐阜を相手にこの中断期間最初の練習試合を行い、MF藤本淳吾(29)らのゴールで2−0で勝利した。前日にJ2リーグ戦があり控えメンバーのFC岐阜に対し、グランパスは苦戦。それでも飛騨古川キャンプで取り組む新しい戦術に、攻撃陣は収穫を強調。ストイコビッチ監督も及第点を与えた。
5日間厳しく体を追い込んできた疲労と、想定外の猛暑。キャンプ初戦は、重い体を引きずった大苦戦となった。前線から相手を追い込む守備はチーム全員の運動量が足りず、不発。最終ラインと中盤の連係ミスから、あわやというシーンを2度つくられた。
守備以上に機能しなかったのは攻撃だ。ほとんどの時間ボールを支配しながら、2日間練習してきた攻撃パターンで崩せない。玉田がしびれを切らして中盤まで下がり、攻撃を組み立てるシーンが増えた。主力組が出場した前半唯一の得点は41分、左サイドで阿部の縦パスにヤキモフスキーが強引に抜け出し、左クロス。遅れてゴール前に入った藤本が左足でたたき込んだ。これも個の力で上回った得点だった。
それでも、玉田は戦術の継続を強調した。「ゲームになるとうまくいかないことは多いけど、そこでやめるんじゃなく、やりながら解決していかないと。今は課題が出た方がいい。パターンにこだわりすぎるくらいでもいい。あの練習でサポートの意識も高くなった。今までのグランパスはパスの出しっ放しが多かった」と語った。ゴールを奪った藤本も「やろうとした形は出ていた。あとは精度」と振り返った。リーグ再開まで、3度練習試合がある。課題と向き合いながら、ぶれずに戦術を突き詰める。 (宮崎厚志)
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