政府「小名浜道路」事業化へ 県内12市町村、再生計画決定
東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された県内12市町村の復旧・復興を進めるための「避難解除等区域復興再生計画」に、いわき市の小名浜港と常磐自動車道を連結する「小名浜道路」(仮称)整備が盛り込まれた。同計画に明記されたことで政府による財源措置が確保され、事業化の見通しが立った。安倍晋三首相は19日、同計画を正式決定した。
小名浜道路は、小名浜港の小名浜臨海工業団地を走る臨港道路から常磐道までの約8キロをほぼ直線的に結ぶ構想。常磐自動車道のいわき湯本インターチェンジ(IC)-いわき勿来ICの中間地点を接続地点として想定している。同港から両ICまでは約30分を要したが、小名浜道路が開通すれば時間短縮が期待される。
県は平成25年度中に小名浜道路のルートを決定。常磐道との接続方法の検討、用地買収に向けた合意形成も進める。東日本大震災から10年後の平成32年度までの開通を目指す。総工費は200億円を超える数100億円規模。
同港は国際バルク戦略港湾である上、洋上風力発電など再生可能エネルギー産業の集積が期待されている。県は「物流拠点としての小名浜の利便性が向上する」としている。
計画決定を受けて佐藤雄平知事は「小名浜道路をはじめとする戦略的道路整備、社会基盤整備、(避難者の)受け入れ自治体への支援など、われわれの意見が反映され、計画決定に至ったことは避難地域の復興を前に進める一歩になる」とのコメントを発表した。
根本匠復興相(衆院本県2区)は19日の記者会見で「住民や事業者が帰還を判断する材料としてもらう。計画に沿って一日も早い帰還の実現と、避難区域の復興再生を図りたい」と述べた。
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