中国:胡耀邦元総書記の旧居を国宝級に…再評価の動きか
毎日新聞 2013年05月20日 19時39分(最終更新 05月20日 22時07分)
【北京・工藤哲】中国国務院(政府)が、中国の元改革派指導者で失脚した故・胡耀邦(こ・ようほう)元共産党総書記の旧居を、国宝級に相当する全国重点文物保護単位に指定した。今月初め北京紙「新京報」が伝えた。1989年の死去から24年を迎えた命日(4月15日)の時期には中国メディアが胡氏を評価する記事を相次ぎ掲載しており、近年進む再評価の動きの一つとみられる。
胡氏の旧居は湖南省瀏陽(りゅうよう)市にあり、15歳までの少年時代を過ごした。95年の生誕80周年の節目に修復され、胡氏にまつわる品々などを展示してきた。
胡氏を巡っては、今年4月15日付の上海市党委機関紙「解放日報」が「耀邦氏は当時、改革・開放と現代化建設に全力を傾注した」などと業績をたたえる文章を掲載。「新京報」も4月16日付で、胡錦濤(こ・きんとう)前国家主席や習近平(しゅう・きんぺい)主席の父・習仲勲(しゅう・ちゅうくん)元副首相とともに撮影された胡耀邦氏の写真を掲載した。
胡耀邦氏は80年代、学生らの民主化要求に同情的態度を取ったことを理由に失脚したが、その際習仲勲氏が最後まで反対した。習近平主席は胡氏の息子・胡徳平(こ・とくへい)氏らと深い親交がある。