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患者「別の薬、不安も」 府立医大病院、ノバルティス使用停止

患者にノバルティスファーマの医薬品を原則使用しないことを知らせる掲示(京都市上京区・京都府立医科大付属病院)
患者にノバルティスファーマの医薬品を原則使用しないことを知らせる掲示(京都市上京区・京都府立医科大付属病院)

 血圧降下剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験をめぐる問題で、京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が販売元のノバルティスファーマの医薬品を原則使用停止にしたことに対し、患者からは薬の切り替えに不安の声が上がっている。同大学は「悪質性が高ければ停止を継続する」としているが、臨床試験を実施した大学側への患者の不信感も強い。

 府立医大の臨床試験は2004~09年に松原弘明元教授を中心に進められ、今年になって「データ解析に誤りがある」などとして論文が撤回された。ノ社の社員がデータ解析を担当したが、大阪市立大所属と記されていた。「不適切な関与」とノ社も認め、府立医大病院は5月24日からノ社の医薬品を原則使用停止とした。

 停止対象はバルサルタンを含め47種類で昨年度の取引額は約3億円。外来受け付けなど約20カ所に説明文を掲示、担当医からも患者に個別説明しており、「大きな混乱はない」(同病院)という。

 バルサルタン問題は大学の調査委員会が検証している。約3千人の臨床試験でデータが多く、最終の結論はまだ先になる見込み。停止措置をどうするかは「調査委員会の結論を見て決める」(同病院)といい、解除の見通しはない。

 患者からは「薬の切り替えを不安に思う人もいるが、患者は弱者なので医師には言いづらい」(63歳女性)、「一方的な決定。別の薬で同じ効能が得られるのか心配な人もいる」(40歳男性)など不安の声が出ている。

 「臨床試験で製薬会社への利益誘導があったのなら、日本の医療の信頼性は地に落ちる。製薬会社と大学の癒着を断ち切るべきだ」(53歳男性)と、ノ社や臨床試験を行った大学への批判も強い。

 同病院の対応についてノバルティスファーマは「病院の判断は大変残念だ」とコメントしている。

【 2013年06月14日 08時49分 】

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