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原料高、仙台みそ赤信号 震災で宮城産加工用米が収量減

全国的にも人気が高い仙台みそ。原料高がブランド化に影を落としている

 宮城伝統の味「仙台みそ」の製造業者が、東日本大震災の影響による宮城県産加工用米の価格高騰を懸念している。ことしから地場産原料による新たなブランド化に取り組んだばかり。思わぬ原料高で、出はなをくじかれかねない情勢だ。県内の製造業者は「価格転嫁も容易ではない」と頭を悩ます。

 宮城県味噌醤油工業協同組合(仙台市)は例年、加盟業者から加工用米の希望数量をとりまとめ、仙台農協(仙台市)から購入していた。組合によると昨年1キロ165円だったのが、ことしは約1.5倍の240円程度になる見込みだという。
 加工用米の値上がりは、震災の影響で作付面積が減り、収量が大幅に落ち込んだのが主因。仙台農協は「応援はしたいが、価格抑制にも限度がある」と打つ手なしの状態だ。
 「仙台みそ」はことし3月、食品産業センター(東京)から、地元原料で生産した食品を対象にした「本場の本物」に認定されたばかり。該当商品はシールを貼ってアピールできる。
 条件は、天然醸造で二夏以上熟成させるほか、主原料のコメ、大豆を宮城産で賄うことだ。昨年仕込み、条件をクリアしたみそは今秋にも登場する。
 玉松味噌醤油(宮城県大河原町)は「コスト上昇は不可避だ。景気回復が実感できない中では値上げも難しい」と、将来的な価格設定に不安をのぞかせる。
 仙台味噌醤油(仙台市)も「商社ルートで調達しても価格は高騰気味。伝統の味を守るためにはなるべく地元の原料を使いたいところだが…」と苦しい内情を明かす。
 味噌醤油工業協同組合の山田勝男専務理事は「仙台農協に限らず、宮城県内の他の農協とも交渉し、主食米も含めて原料確保に努めたい」と話している。


2013年06月16日日曜日


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