東電の経営を維持し、経済を維持することを考えよう
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こんな記事を以下に書きました http://www.alterna.co.jp/5130
寄稿する雑誌に合わせ、中立ですが、やや厳しめのトーンです。
あえて東電の機能の維持を・東京電力に無限賠償騒ぎが降ってきそうです。
もちろん、一連の事件は、批判されるべきですが、同社の提供するすべての価値を否定するのは、ばかばかしいことです。各論はいろいろできそうですが、総論としては、東電をひっくりかえしたら経済沈むよという問題意識を持つのがいいと思います。
感情的な批判が渦巻きはじめました。エネルギー記者に金ばらまくなんてデマもあるし(ないです。苦笑)
同社はまじめな企業文化、優秀な社員もを持つ会社で気の毒な点もあります。
責任追及は当然として、この会社しか送配電網と電力作りのプロは首都圏にないから過度な攻撃は経済失速するでしょう。
1990年代流行の電力民営化の流れがありました。ですがこれはうまくいきませんでした。設備投資が巨額すぎて、参入者が少なかった現実もあったのです。
そして2001年のエンロン破たん以降、化石燃料価格の急騰もあって、各国は、エネルギーの規制強化、安全保障を中心にします。電力の地域独占は、長い歴史と試行錯誤の中でうまれたもので、「自由化だ!」「解体だ!」などと、思いつきで決まったものではありません。
その結果、日本では送配電網が、電力会社に独占されています。ですから日本の場合、次の期待である、自然エネルギーを普及する場合、電力会社との協力からまず始めなければなりません。
自然エネも送配電網使わなければ成長しないし、期待の「再生可能エネルギー買い上げ制度」(私は反対)も電力会社を通さなければ動かない仕組みです。
賠償は当然として、東電のような会社に過剰な負担を与えて、経営ができないようにすることは非常に危険に思えます。古い例えですが、「卵を産む鶏を食べる」ことです。
「電力の安定供給と価格下方誘導、そのための電源のベストミックス」。日本の政策は、このように要約できるでしょう。それが維持できなかったことは、破たんです。が、目標の正しかったことは、停電、そして迫りくる夏場の停電を見れば、明らかでしょう。
素人の参入ではなくプロ(ただし専門家としての無能は批判されなければなりません)の尊重が、合理的な選択ではないでしょうか。
原発事故、東電に加わる賠償の重荷東京電力は東日本大震災によって生じた福島第1原発の事故で巨額の賠償負担を背負う見込みだ。枝野幸男官房長官は3月21日の会見で、損害賠償について「まずは一義的には原子力災害に起因するものであるので、当然、東京電力が責任を持っていただく」と明言した。同日行われた農作物の出荷停止措置の責任についての質問に答えた。
「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」では、「原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」と明記している。枝野官房長官の発言は、この法律を確認したものだ。同法では「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるとき」の事故は例外を認めているが、この発言で政府は財政支出による補償に慎重な姿勢を示した。
政府は21日、規制値を超える放射性物質が検出された農産物について、福島、茨城、栃木、群馬の4県に対して、県単位で出荷停止を指示した。対象はホウレンソウ、かき菜と、福島県産の原乳(しぼりたての牛の乳)で、期間は「当分の間」としている。
茨城県は2008年の農業生産額で全国2位の4284億円。福島も2505億円、栃木2693億円、群馬2244億円で、農業は各県とも経済の重要な位置を占める。また損害は農作物だけではない。避難と屋内退避指示が出た住民約22万人のほか、漁業や経済活動全般に損害が生じ、その影響は数年にわたって続くものと見込まれる。
原賠法では東電と国の費用分担は明確ではない。1999年に起きた茨城県東海村の臨界事故では、事業者のJCOが賠償を引き受け、金額は150億円に上った。東電の藤本孝副社長は21日の記者会見で「誠にご迷惑をおかけしている。国と相談をしながら誠実な対応をしていきたい」と補償への姿勢を述べたが、その金額は現時点では算定できないほどの大きなものになりそうだ。
BBT大学院大学学長で、原子力工学の博士号を持つ大前研一氏はユーチューブ上の公開講義(13日)で、「原子力は発電でもプラント製造でも、ビジネスとして成り立たなくなる。一企業が背負うにしてはリスクが大きすぎる。日本では今後、原子力発電の国営化も検討することになるのではないか」との見通しを示した。
「安い電気を作れる」。政府、電力会社は原発の優位性を繰り返してきた。巨額の賠償は自らが語った幻想を打ち砕くものになる。(オルタナ編集部=石井孝明)2011年3月23日
福島第一原子力発電所 東京電力HPより
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おっしゃる通りかと思います。今、勇ましいことを叫んでおられる方々も、夏くらいになれば電源安定供給の大切さを理解されるのではないでしょうか。
2011/3/26(土) 午前 10:31 [ 悪徳翻訳家 ]
「幻想を打ち砕くものになる」
あまり専門的なことは分かりませんが、そうではないかと思われます。崩壊し始めたバベルの塔のようにそもそも幻想の上に築きあげてきた安全、安心、快適な生活から生きる豊かさへと方向転換しないと、この未曾有の困難の活路を見いだすことはできないと思われます。
2011/3/26(土) 午前 11:14 [ shalom ]
「安全神話」の流布は、金で買われています。安全神話は、御用学者、利益を得る業者、政治家、官僚、電力会社により、ポスト、スポンサー料、政治資金として反対論をねじ伏せ勝ち取られやた物です。
今破綻が明白です。でも未だにACジャパンの支援会社として、他の電力会社と共に補償もできるかうかがわしい東電は、名を連ね、未だに「安心」「必要論」をTVは不自然に流し続けています。
自然エネルギーへの注力(太陽小河川風力潮力地熱)バイオマス技術の開発は、今期待が注がれています。
2011/3/26(土) 午前 11:47 [ 櫻(N) ]