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2013年6月15日(土) 東奥日報 ニュース



■ 十和田・魔よけの風習存続危機

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写真
出来上がった「かや人形」にそば餅を取り付ける住民たち
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 十和田市深持の梅集落に伝わる魔よけの民俗行事「かや人形結(ゆ)い」が、存続の危機に直面している。集落の過疎化と高齢化が進み、担い手不足が深刻になった。今年も15日に行われ、集落を訪れた十和田市文化財保護協会の委員らが存続を求めたが、住民は「もはや限界。今年で終わりにしたい」と明言した。

 梅集落は同市中心部から西へ約10キロ、高森山の麓にある。かや人形結いは、藩政時代から続くとされる魔よけや無病息災を願う民俗行事で、毎年6月15日に行われる。カヤやわらなどを使って高さ約3メートル、男女一対の人形を作り、集落の入り口に立てる。

 準備は前年から始まり、人形に備えるそば餅に使うジュネ(エゴマ)の作付けや、人形の材料となるカヤの刈り取り、乾燥を行わなければならない。かつて同集落は十数世帯あったが、同市によると現在は6世帯まで減り高齢化も進んでいることから、人形作りは年々住民の負担になっていた。

 15日は午前7時半すぎに、集落の出身者を含めて男性5人がかや人形作りに取りかかり、手伝いを含めた約10人の女性たちが300個のそば餅作りに精を出した。約2時間半後、人形が出来上がると、住民たちはそば餅とお神酒を供えて祈願した後、集落の入り口に据え付けた。

 市教委は人手を確保することなどで存続を模索しているが、この日の作業を中心となって進めた福沢繁雄さん(69)は「(行事を)やめることは去年から話し合ってきた。今年も5人で作ったが、続けていけないと思う。限界。来年は、今年据え付けた人形を片付けるだけにしたい」と語る。

 顔などを描いた福沢裕彦さん(56)も「人も少なくなったし、来年は難しいと思う」と厳しい見方を示し、「最後の人形は良い出来になった」と話した。

 文化財指定を目指す団体の支援などを行っている同市文化財保護協会の中野渡武信会長(76)は「市の文化財指定も考えられていただけにショックだ。存続を要請したが、集落が主体となって判断することだから」と残念そうに話した。

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