米上院:中国非難決議へ 東シナ海や南シナ海緊張で
毎日新聞 2013年06月13日 15時00分(最終更新 06月13日 15時08分)
【ワシントン西田進一郎】米上院外交委員会のメネンデス委員長(民主党)ら超党派の3議員が、東シナ海や南シナ海で中国が地域の緊張を高めていると非難し、航行の自由や領有権問題の平和的な解決を支持する立場を再確認する決議案を提出していたことが12日、分かった。上院は2011年に南シナ海をめぐる同趣旨の決議を全会一致で採択。中国によるその後の威圧的な行動も決議案に盛り込まれており、今回も採択される見通しだ。
メネンデス氏やルビオ議員(共和党)らが10日に共同提案した。7、8日の米中首脳会談では、沖縄県・尖閣諸島について、オバマ大統領が事態の沈静化と対話による解決を求めたが、習近平国家主席は領有権を強く主張し、議論は平行線に終わった。議会としても大統領を支持する姿勢を鮮明にし、中国をけん制する狙いがあるとみられる。
決議案は、「近年、南シナ海において危険で、地域を不安定化させる数多くの事件があった」とし、中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー礁周辺を中国艦船が12年に封鎖したことなどを列挙。尖閣諸島では、今年1月の中国海軍艦艇による海上自衛隊の護衛艦への火器管制レーダー照射や、4月の中国海洋監視船8隻による12カイリ(領海)内への侵入があったことを挙げ、「地域の緊張をさらに高めた」と非難した。
そのうえで、「南シナ海や東シナ海で海域や領土の主張をしたり、現状を変更したりするための海軍や海洋安全保障船舶などによる威圧、脅迫、武力行使を非難する」と指摘。すべての当事国に対して「紛争を複雑化したり、悪化させたりするような行動を自制するよう強く求める」と呼びかけている。