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東電、賠償資料を紛失 双葉町民ら22人個人情報記載 電車に置き忘れ

 東京電力は14日、さいたま市の埼玉補償センターに勤務する40代の男性社員が同県内のJR高崎線の車内で、福島第一原発事故の損害賠償に関する22人分の個人情報を記載した書類を紛失したと発表した。書類は約700枚の社内資料。賠償を請求している双葉町民の名前や住所、請求状況の他、同町役場や国との打ち合わせに参加した職員らの名前が一部に記載されているという。請求書の原本は含まれていない。

 東電によると、男性社員は、同町の役場機能が埼玉県加須市から、いわき市に移転することに伴い、書類をいわき市の補償センターに13日に届けるため、自宅に持ち帰る途中だった。社内規定では、書類を社外に持ち出す際は、厳重に管理し、手元から離さないことになっていた。
 男性社員は、さいたま市の大宮駅で11日午後6時ごろ電車に乗り同県熊谷市方面に向かう際、書類が入った手提げ袋を網棚に載せた。乗車当初、男性社員は立っていたが、途中から座席に座り、下車する時、置き忘れたという。男性社員は12日朝、紛失に気付いた。東電は同日午前、埼玉県警とJR東日本に紛失届を提出した。社員が手分けして探しているが、14日までに見つかっていない。
 東電は町民らに対して事情を説明し、謝罪した。紛失した22人分の個人情報のうち、請求額など損害賠償に関する件数や種類については「調査中」としている。紛失した書類の電子データなどを保管しており、賠償の支払いや業務に影響はないという。
 14日に県庁で記者会見した東電福島復興本社福島広報部の担当者は「大切な情報の紛失で多大な迷惑と心配を掛けた。今後、このような事態を繰り返さぬよう、さらなる厳重・適正管理に努める」と謝罪した。男性社員の処分について、社内規定に基づき厳正に対処するとしている。

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個人情報を記載した文書の紛失について謝罪し、経緯を説明する東電の担当者
個人情報を記載した文書の紛失について謝罪し、経緯を説明する東電の担当者

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