緑のカーテン、仮設に涼を 日立化成グループ 浪江町民にゴーヤーの苗
東日本大震災前に浪江町に事業所を置いていた日立化成グループは、東京電力福島第一原発事故のため同町民が避難している二本松市などの仮設住宅にゴーヤーの苗を贈り続けている。直射日光を遮断し室温の上昇を防ぐ「グリーンカーテン・プロジェクト」に使ってもらう。8日、グループ社員が同市や福島市など約10カ所に苗約千本を届けた。寄贈は平成23年から続けており3回目で、計約3千本となった。
■2年前から寄贈二本松など
プロジェクトは浪江町の浪江日立化成工業が平成17年から始めた。冷房の使用を控えることによる省エネに効果を挙げ、日立化成グループ全社に広がった。しかし、原発事故で浪江日立化成工業は、茨城県日立市と千葉県多古町へ工場を移転するなど被害を受けた。緑のカーテン“発祥の地”の住民を支援しようと、グループが原発事故後から仮設住宅への寄贈を続けてきた。
このうち、二本松市の安達運動場仮設住宅には茨城県日立市の日立化成テクノサービスの西内博さん、同県筑西市の日立化成フィルテックの手塚一好環境安全管理センタ主任が訪れ、全244世帯分の苗を持参した。苗は仮設住宅の班長らが全世帯に配り、住民に喜ばれた。本田昇自治会長は「この仮設住宅の夏は特に暑い。グリーンカーテンの心遣いはありがたい」とお礼を述べた。
福島市の笹谷東部仮設住宅では実際に苗を植えたポットを設置した。
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