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「活気戻る日きっと来る」 特定避難勧奨地点解除から半年

 伊達市と川内村の特定避難勧奨地点が解除され、14日で半年を迎えた。放射線の不安などから伊達市では、いまだに多くの住民が市内外での避難生活を送る。にぎわいが失われる中、市内霊山町下小国地区でユースホステルを経営する清野秀明さん(64)は「再び地域全体が活気づく日がきっと来る」と信じ、営業を続けている。
 秀明さんは40年前、母トクさん(86)とユースホステルの経営を始めた。快活な性格の秀明さんと「お母ちゃん」と呼ばれるトクさんの家庭的な雰囲気が人気で、毎年500人ほどの宿泊客が訪れていた。客はバスを改造して作った部屋の中で工作したり、地域の自然を満喫したりして過ごした。二人は自家栽培の野菜や山菜を使った料理で客をもてなした。庭先での花火大会、近くを流れる小国川での魚つかみなど、さまざまな企画も催した。
 しかし、東京電力福島第一原発事故で状況が一変した。放射線問題が地域全体に影を落とした。保原町富成地区や霊山町小国地区などの117地点の128世帯(485人)が特定避難勧奨地点に指定され、最大94世帯333人が市内外へ避難した。現在、戻った市民は約50人にとどまる。
 放射線の不安から客足も遠のき、昨年の宿泊者数は200人ほどに落ち込んだ。市による宅地除染は昨年10月に完了し、毎時一マイクロシーベルトを超えた庭先の空間放射線量は同0.4マイクロシーベルト以下に下がった。しかし、秀明さんは「避難者が多いのに、泊まりに来てほしいとは積極的に言えない。川で魚をつかみ、山で山菜を採ることもできない」と無念そうに語った。
 それでも、地域が再び活気づく日が来ることを思い描く。インターネット上の掲示板などで、常連に近況を発信し続けている。トクさんは「避難者が帰ってくれば、きっと昔に戻れる。一日も早く地域のみんなと一緒に、花火や魚捕りをしたい」と願っている。

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地域が再びにぎわう日を待ちわびる清野さん親子
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