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エネルギー白書―しっかり色付きですね

政府が閣議決定した12年度のエネルギー白書から、民主党政権が「原発ゼロ」目標を打ち出していた事実が省かれた。土台となった昨夏の「国民的議論」で、脱原発への支持が多かった[記事全文]

警察不祥事―なぜ「順法」を通せない

耳を疑うような警察の不祥事がまたも相次いで発覚した。市民の信頼がないと成り立たない警察なのに、いつになったら自らを正せるのだろうか。大阪府で昨年起きた公務執行妨害事件で[記事全文]

エネルギー白書―しっかり色付きですね

 政府が閣議決定した12年度のエネルギー白書から、民主党政権が「原発ゼロ」目標を打ち出していた事実が省かれた。

 土台となった昨夏の「国民的議論」で、脱原発への支持が多かったことにも触れていない。環境白書でも、前年度版にはあった原発利用のリスクに関する記述が姿を消した。

 どれも原発回帰を狙う安倍政権には不都合なデータだ。客観性を旨とする行政報告が、露骨な政治色で彩られている。

 野田政権は昨年9月にまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の中で、30年代に原発ゼロを目指すことを盛り込んだ。

 エネルギー白書でそこに言及しなかったことについて、経済産業省資源エネルギー庁は「『30年代ゼロ』は戦略の中の細かい事項。紙幅に限りがあり、政策の柱に絞って記述しているだけ」という。

 ところが、政権交代後に安倍首相がゼロ政策の見直しを指示したことは詳述している。編集の意図は明らかだろう。

 国民的議論についての記述も経過をなぞるだけだ。

 福島の事故は、国民の間に政治や行政への深刻な不信を招いた。どうしたら政策への理解をえられるか。模索の中から生まれたのが、審議会の全面公開や第三者委員会による検証、そして討論型世論調査などを含む国民的議論だった。

 簡単に答えが見つからない政策課題は少なくない。だからこそ国民が自ら確かめたり意見を言いあったりする場を、政策決定の過程に組み込んでいく。十分とは言えないまでも、国民的議論は政治や行政のあり方を問い直す一歩だったはずだ。

 「原発ゼロ」はこうして導かれた結果であり、エネルギー行政の軌跡を記録するうえで不可欠だ。ここに目を向けない白書には、失望するほかない。

 そもそも白書とは何か。

 英国で内閣が議会に出す文書の表紙が白だったことから、日本でも行政府が国民に政策を説明する年次報告を白書と呼ぶようになったようだ。

 法律に基づくものもあれば、省庁独自の白書もある。基礎的資料として活用されているが、近年は時の政権の意向を反映する傾向が強まっている。

 わが国初の白書は47年に発行された「経済実相報告書」である。当時、政府がまとめた文書には「国民に腹蔵なく事態を説明することは民主主義的政府の義務」とある。

 政治の顔色をうかがって中身の色も変えるなら、もはや「白書」ではあるまい。

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警察不祥事―なぜ「順法」を通せない

 耳を疑うような警察の不祥事がまたも相次いで発覚した。市民の信頼がないと成り立たない警察なのに、いつになったら自らを正せるのだろうか。

 大阪府で昨年起きた公務執行妨害事件では、警察署の留置場で暴れた男を保護室に移す手続きに関し、警部補がまったく事実と異なる調書を作った。

 不正に気づいた刑事課員はこともあろうに、新たに虚偽調書を作って警部補がかかわった事実をもみ消した。留置場にいた2人の警察官も、裁判所で二つ目の虚偽調書に合わせて証言した。内部で発覚し、結審していた裁判はやり直しが決まった。

 同じ署では、拳銃や覚醒剤とともに見つかった証拠品の注射器を紛失したと思い込んだ警部補が別の注射器を調達してごまかしていた。大阪府警はどちらのケースについても違法行為の疑いで捜査に動いている。

 全国の警察が昨年1年間に懲戒処分にしたのは458人で、8年ぶりに400人を超えた。不祥事が日常化していることにはため息が出るが、より深刻なのはそこに見え隠れする警察官たちの順法意識の低さだ。

 虚偽調書作成を最初に指示した警部補は「全員が処分されるぞ」と言って、部下らの疑問を封じた。二つ目の虚偽調書を作った刑事課員は「府警本部や署の幹部と協議した」と、署員に署名を迫った。

 法を犯すことより内部の処分をより恐れる。上意下達の原則をたてに違法行為を強要する。こうした感覚が現場に蔓延(まんえん)しているとすれば、空恐ろしい。

 神奈川県警では、元夫に首を切られて重体になった女性への事前対応をめぐり、警察官がうその報告をしていた。鹿児島県警では複数の警察官が、事件の被害者の調書を事実と異なる形に改ざんしていた。

 いずれの事例でも警察は、背景に潜む組織風土の問題点をしっかり洗い出すべきだ。

 警察庁は昨年8月、12項目の不祥事対策をまとめた。「組織的隠蔽(いんぺい)の根絶」「証拠にかかる不祥事防止」「女性被害者への対応強化」も項目にあげられていたが、不祥事は通知後も絶える気配がない。現場に浸透していないのは明らかだ。

 私たちは、外部有識者の力を取り入れる形での警察改革を提案してきた。国民の代表として警察をチェックすべき国と都道府県の公安委員会がまず責任をまっとうすべきだろう。

 深刻な不祥事が起きれば、多くの警察官の地道な努力も台無しだ。警察組織の幹部たちは、そこをどう考えているのか。

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