債券は上昇、5年債入札結果順調で買い安心感-中長期ゾーンが堅調
6月14日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。きょう実施の5年債入札結果が順調だったことを受けて買い安心感が広がった。中長期ゾーンが堅調推移となった。
東京先物市場で中心限月の9月物は前日比8銭安の142円26銭で取引を開始し、142円15銭まで下落。しかし、その後は買いが優勢になって水準を切り上げ、午後零時45分の入札結果発表後には上げ幅を拡大。一時は142円95銭まで上昇し、結局は46銭高の142円80銭で引けた。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.86%で開始。その後は徐々に水準を切り下げ、0.81%まで低下した。午後3時すぎからは0.815%で取引された。5年物の111回債利回りは朝方に2週間ぶり高水準の0.35%を付けていたが、午後は3bp低い0.305%に低下している。
岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、きょうの株価反発は直接的には影響していなかったとし、「むしろ5年債入札を順調にこなしたことや米国債市場で長期金利が低下方向にあることがポジティブに作用した」と話した。日本銀行の黒田東彦総裁が会見で金利が再び上昇した際のセーフティネットに言及したことも相場安定に寄与しているとの見方も示した。
財務省がこの日実施した表面利率0.4%の5年利付国債(112回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円17銭と事前予想を1銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格との差)は2銭と前回と同じ。投資家需要の強さを示す応札倍率は4.36倍と昨年11月以来の高水準となった。
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、5年債入札について、「市場予想を上回り良い結果」とし、中期債に買いが入っていると言う。最近の株式相場の軟調地合いや米国債相場の持ち直しも買い材料だとも話した。
14日の東京外国為替市場で円は対ドルで上昇し、一時1ドル=94円台で取引された。東京株式相場は反発。TOPIX は一時3%超の上昇となったが、その後は上げ幅を縮めた。
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更新日時: 2013/06/14 16:06 JST