こうした番組で取り上げられると、電磁波盗聴テンペストは最新技術のように思えてしまう。
しかしテンペストの歴史を調べると、かなり古い技術である。
電磁波盗聴テンペストが生まれた時代背景を見ると、テンペストの別の側面が見えて来る。
テンペストが生まれたのは1970年代にNSA(米国家安全保障局)が開発した技術で、軍事機密として扱われてきた。。
その軍事機密が2000年頃に学会で公開された事に端を発する。
西暦2000年頃と言えば、パソコンやインターネットが急速に普及した時代。
しかしこの頃のPCは、すでにVCCI規格で作られている。
さてVCCI規格とは?何であろう?
VCCI規格とは、パソコンやFAXなどデジタル技術が普及し、そのデジタル技術は広い周波数範囲の妨害波を発生し(電磁波)妨害波のレベルによっては、ラジオ・テレビジョン
等の受信機に障害を与えることがあり、この妨害波の問題を解決する為に、電磁波レベルを押える自主規制である。
VCCIは1985年からスタートしている。
つまり、VCCI規格の以前のコンピューターの電磁波レベルは、テレビやラジオに影響を及ぼすほどの電磁波がでていたと言う事である。
電磁波盗聴テンペストは、VCCI規格の10年以上も前の技術だ。
当時のコンピュータを偲ばせる映像がある。
私がし中学生の頃に夢中になっていたTV番組「謎の円盤UFO」である。
当時のコンピュータはまだオープンリールの磁気テープを使用していた時代だ。
当時のコンピュータの電磁波レベルであれば、電磁波盗聴テンペストも容易だっただろう。
しかし、1985年以降VCCI規格の製品が一般化すれば、電磁波盗聴テンペストを行う事は困難になり、使えない技術になった為に軍事機密でなくなり世に出たと考えた方が無難である。
その為、電磁波盗聴テンペストが知られた時には、2メートル程度でしか受信できなかった。
番組の映像を見て感じる事がある。
今の商品規格では受信できなくなった物を、強引に受信しようとしている。
電磁波盗聴テンペストが可能と言う事と、電磁波盗聴テンペストが行なわれていると言うことは違う。
可能であっても、使えなければ意味は無い。
世の中面白い物で、現実的にはできない事であっても、可能性があれば対処しようとする。
そこに新たなマーケットが出来る。
そのマーケットを拡大させようと思えば、脅威を作れば良い。
その脅威は、どんな大掛かりな機材を使ってでも受信出来るのを証明すればよい。
しかし、そんな大掛かりな機材を使って誰が電磁波盗聴などするのだろうか?
そんな事をするより、ウイルスやスパイウエアやハッキングした方が、手っ取り早いしコストも掛からない。
しかも、モニターに表示されている画面を見るのではなく、HDDのデータ自体を盗める。
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