日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか? 著者:今野晴貴 はじめに どうすれば、日本の苛酷な「労働」を変えられるのか?

2013年06月13日(木)
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 ひとりが会社と争うことは、じつはひとりだけの問題ではない、日本社会全体の問題なのだ、ということを示すことになる。

 そして第4章では、歴史的に積み上げられてきた「日本型雇用」とはいったいなんであるか、第5章では、そもそも違法労働とはなんであるかを歴史的に考えていく。

 最後に、第6章では、私たちがなかなか実感しづらい「権利」や「政治」の意味を解きほぐし、どうすれば私たちの行為や選択によって日本の労働を変えられるのか、について具体的に考えていきたい。

 ふだん私たちは「働き方」について考えることはあっても、「労働」そのものについて考えることはあまりないはずだ。

 しかし、本書の冒頭で挙げたような悲惨な労働相談は、いつあなたが、そしてあなたの子供たちが「する番」になっても、おかしくはない。

 ぜひ、この本を日本の苛酷な労働環境を変えるきっかけにしてもらいたいと思う。

〈次回に続く〉

今野晴貴(こんの・はるき)
NPO法人POSSE代表。一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍(社会政策、労働社会学)。日本学術振興会特別研究員。1983 年、宮城県生まれ。2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。年間600件以上の労働相談に関 わっている。東日本大震災の被災地では仙台市と共同で被災者支援事業を行う。過労死防止基本法制定運動を支援。 著書に『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』『マジで使える労働法 賢く働くためのサバイバル術』、共著に『ブラック企業に負けない』などがある。

 

著者: 今野晴貴
『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?』
(星海社新書、税込み882円)

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