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加藤コミッショナー、飛ぶボール隠ぺい「不祥事ではない」

スポーツ報知 6月13日(木)7時3分配信

加藤コミッショナー、飛ぶボール隠ぺい「不祥事ではない」

統一球問題について会見する(左から)下田邦夫NPB事務局長、加藤良三NPBコミッショナー、鶴岡秀樹ミズノ取締役

  日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(71)は12日、公式戦で使用する統一球を昨季より反発力の大きい「飛ぶ」球に変更した事実を隠ぺいしていた問題で、都内のNPB事務局で会見を行い、変更の事実を「知らなかった」と主張した。選手及びファンには謝罪したものの、変更は下田邦夫事務局長(59)の独断とし「不祥事ではない」とも発言。自らの責任問題には当たらないとの見解を示した。

【写真】本紙でも12年と13年の統一球をカットしてみた

 答えは知らぬ存ぜぬ、だった。午後8時から始まった会見は、約100人の報道陣が集結し、約50分間にわたった。だが、コミッショナーは昨季までの「飛ばなすぎる」ボールを修正していたという事実を「昨日まで全く知らなかった。説明は(下田事務局長から)なかった。知っていたら公表したであろう。申し訳なかった」と、繰り返し謝罪。だが、責任を問う声には「これは別に不祥事じゃない」と開き直った。

 11日の選手会との事務折衝の後、隠ぺいの事実を明らかにした下田邦夫事務局長らNPB幹部は、午前10時前から緊急会議を行い、数時間にわたり対応を協議。苦情電話は60件にのぼり、コミッショナーの辞任を求める声もあった。ボールの製造元であるミズノ社の担当者も訪れ、善後策を練った。下田事務局長は11日には「(変更は)コミッショナーに相談して進めていた」と明言していたが、この日になって急転。「昨日は混乱していた」とし、隠ぺいにコミッショナーは関与せず、自らの独断によるものと強調した。

 「加藤良三」と自らの名前が刻まれたボールを巡る問題。コミッショナーは今後「内部の意思疎通、ガバナンス(統治)強化に努めたい」と力説したが、ボール変更という一大事をまったく把握していなかったのならば、その統治力には大いに疑問が残る。

 NPBと、製造元のミズノ社の説明によれば、下田事務局長はボールの反発係数が基準値を下回るケースがあったため、NPBが基準内に収まるよう反発力を高めるように調整したボールの製造を、昨年10月ミズノ社に依頼。ミズノ社ではボールの芯にゴムの成分を入れて、昨季より「飛ぶ」ボールに改良していた。この事実を知っていたのは、下田事務局長のほか、実務担当の2人だという。公表を控えた理由については「新旧の球が混在することで混乱を招かないため」としたが、この3人について今後、減俸などの処分が検討される模様だ。

 下田事務局長は「心の中で思っていることはある」と話し、コミッショナーに進退を一任する意向。一方のコミッショナーは本塁打が激増している実態について「疑問に思ったことはない」と断言し、問題意識の差が浮き彫りになった。NPBは14日に臨時実行委員会を招集して12球団に事情を説明する方針だが、事態が収束するかどうかは不透明だ。

最終更新:6月13日(木)10時3分

スポーツ報知

 

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