若林栄四のフライングバックジャパン18
ヘッジファンドのなかには、「アベノミクスで日本は大きく変わった」などと吹聴している連中もいますが、常に相場を見ている者の感覚から言うと、たかだかアベノミクスで株価がどんどん上がり、ドル高も進むなどということはあり得ないのです。そもそも、株価は昨年11月以降、大きく上昇しているのですから、ここから先はある程度、調整すると見るのが普通でしょう。少なくとも相場に携わる者であれば、そう考えるのが常識です。ヘッジファンドの中でも一番手は、昨年10月から日本株を買って既に利益を確定させていますし、二番手のヘッジファンドもすでに降りています。なので、個人も夏至の戻り高値で上手に売り抜けた方が無難でしょう。
正直言って、ノードラマですね。ユーロ/ドルで見ると、2010年6月にユーロはボトムを付けました。1ユーロ=1.1876ドルですね。そこからの36か月が今年6月です。恐らく、具体的に動き出すのは7月以降でしょう。ユーロ/円も7月以降は本格的な下落トレンドに入ります。7か月くらいは下落トレンドが続くでしょう。だから、目先で底を打つのは来年2月です。1ユーロ=131円から72度線を引いていくと、来年2月に1ユーロ=108円というのが見えてきます。なので、ユーロについては7月以降、目一杯ショートポジションを持つというイメージです。これはユーロ/円に限った話ではなく、それこそドル/円、株価にも当てはまるのですが、大きく上げた相場は、大きく下げます。それが相場ですから、やはりこれからはある程度、大きな調整局面を受け入れる必要があります。
ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表
1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。著書:、『大円高時代』(ダイヤモンド社)、『ドルの復活 円の失速』(ダイヤモンド社)、『勝つドル 負ける円』(フォレスト出版/大竹愼一氏との共著)『黄金の相場額 2005~2010』(講談社)、文庫版『黄金の相場額』(講談社+α文庫)、『「10年大局観」で読む2019年までの黄金の投資戦略』(日本実業出版社/2009年2月)など。最新刊『デフレの終わり 2012年に「千載一遇」の買い場がくる』が好評発売中!
トレード・ライフblog : ニューヨークからの便り