あべのハルカス:開業初日15万人が来店
毎日新聞 2013年06月13日 23時02分(最終更新 06月13日 23時17分)
高さ300メートルの日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(地上60階、地下5階、大阪市阿倍野区)に入る百貨店「あべのハルカス近鉄本店」は、開業初日の13日には旧阿倍野店の平常時の約3倍の約15万人が来店し、平常時の約7倍の約13億円を売り上げる順調なスタートを切った。2014年春の全面開業後は売り場面積10万平方メートルの国内最大の百貨店になるが、一方で同店の浮沈は、近鉄百貨店全体の経営に直結するリスクも秘めている。
この日、開業したのは同店の「タワー館」(売り場面積5万7000平方メートル)で、隣接する旧阿倍野店を「ウイング館」(同4万3000平方メートル、地下2階〜地上9階)として改装し、新たな店舗にする。
同店の目標値は高い。新店の全面開業後の年間目標売上高は1450億円で、来店客数は年間4500万人。1日あたり12万人以上が来店する計算だ。初日の来店客数が約15万人だったことを考えると、ハードルは高い。
12年度の近鉄百貨店全11店舗の合計売上高は2498億円。近鉄本店はこの半分近くを1店舗で稼ぐことが求められる。本店依存の体制が強まる中で、ハルカスに設ける展望台、ホテルや美術館、オフィスとの連携を百貨店の集客と売り上げに結びつける工夫が必要になりそうだ。【古屋敷尚子】