女性職員が都町の飲食店でアルバイトしていたことが発覚した大分市役所=11日午後8時
大分市役所に勤務する女性職員(19)が、同市都町の飲食店で接客のアルバイトをしていたことが11日、分かった。地方公務員法では公務員のアルバイトは原則禁止されている。取材に対し、職員は「やってはいけないとは分かっていたが、実家に生活費を入れていたためお金のやりくりが苦しかった。反省している」と話している。
職員によると、昨年4月、同市に正規職員として採用された。仕事帰りに飲食店関係者からスカウトを受けたことをきっかけに、昨年9月から飲食店で働き始めた。週1回程度、午後8時から翌午前2時ごろまで勤務、今年2月に1度働いたのを最後に辞めた。
その間、毎月6万円程度の収入を得ていた。「全額貯金し、3月から住み始めたアパートの敷金や礼金などに充てた」と説明した。
市によると、地方公務員法では、本来の業務に支障を与えたり、公務員の信用失墜につながる場合は職員の副業を禁止している。市は「本人から事情を確認している」とする。
実家に生活費「やりくり苦しく」
11日夜、大分市内で大分合同新聞社の取材に応じた女性職員は、事実関係を認めると深々と頭を下げた。
公務員の副業禁止は知っていた。だが、職員によると、毎月の手取りは10万円を切り、6万円を実家に入れていたという。自分の携帯電話料金などを払うと「ほとんど何もできない」状態に不自由を感じていた。街中で複数の店からスカウトを半年近く受け、断り続けていたが、アルバイトを始めた。
仕事内容は客の隣に座ってお酒をつぐこと。未成年のため、飲酒は控えていたが、客から勧められて口にしたこともあったという。憧れていた市内中心部での一人暮らしに必要なお金がたまった時点で、店を辞めた。
取材後、職員は自分の携帯電話で直属の上司に電話を入れ、「本当にすいませんでした」と泣きながら、告白。上司は「遅刻、欠勤はなく勤務態度は真面目だった。アルバイトの話は全く知らなかった」と話した。
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