●改正案の重要なポイント
最後のセーフティネットとして、必要な人は確実に保護する体制は維持。さらに、今後も制度が国民の信頼に応えられるように
・生活保護受給者それぞれの状態や段階に応じた自立の促進
・不正受給対策の強化
・医療扶助の適正化
のための措置を行う。
●施行日
平成26年(2014年)4月1日
筆者は思う。『古い』は改正の理由になりうるのだろうか?成立から何年が経過していようが、変えるべきでないものを変える必要はない。少なくとも、現在の生活保護法よりも確実に「良い」近未来が提示されるのでない限り、抜本的な改革には慎重であるべきだろう。生活保護制度は、改悪されれば死者が出る制度だからだ。
まずは、自民党が「改革」を必要とする根拠と、改革の方向性を見てみよう。
自民党は法改正の必要性を
どう認識しているか
2013年5月29日、衆議院厚生労働委員会で質疑に立った田中英之衆議院議員(自民党)は、冒頭、生活保護受給者(2013年2月は216万人)・生活保護費(2013年度は3兆8000億円)が、国家財政を圧迫している現状を指摘した。原因としては、長年にわたって大きな制度改正がなかったことを指摘した。
さらに改正案に対し、
「不正受給によって、制度に対する国民の信頼や公平感が薄れた」
「厳しい社会状況の中、稼働年齢層の生活保護受給者が、仕事もせず仕事を探さないことに対して、国民が『なんで働かない』という不信感を持っている」
「(あらゆる世帯類型を含め)全体が増えているが、10年間で『その他の世帯(世帯主が健常かつ稼働年齢層)』が4倍に増加」
といった問題を解決することを期待しつつも、生活保護を「本当に」必要とする人を保護する体制については守っていく必要性を強調し、
「公正な制度として維持するための制度改革に」
と期待を述べた。