忍の術
- 基本となる三種の術
- 忍術…チャクラを用い、対象者または自分の肉体にその効果を発揮する術。
長所:体格上不利な相手にも対抗できる。遠距離攻撃が可能。
短所:術により、チャクラ調節が難しかったり、印の手順が複雑だったりする。
- 体術…体のみを用いて対象者の肉体にダメージを与える術。忍者組み手。
- 剛拳…敵に骨折・裂傷などの外的損傷を与える。
- 柔拳…チャクラを使用し、敵に経絡・内蔵破壊などの内的損傷を与える。
長所:基本的にチャクラも印も不要。自分のスタミナをすべて術に回せる。
短所:遠距離攻撃が困難。高度な術は、己の肉体にも多大な負担をかける。
- 幻術…幻覚により精神と肉体の疲弊・混乱を誘う、幻覚催眠法。
長所:自分の居場所を悟られにくい。複数の敵に術をしかけることができる。
短所:長時間の使用は術者を疲弊させる。物理的ダメージを与えることは困難。
- 仙術
己の内の「精神エネルギー」と「身体エネルギー」に加え、
そこに外からの「自然エネルギー」を加えて練り込んだチャクラから発動する術や技の総称。
自然エネルギーとは大地と大気に存在する莫大なエネルギーのことであり、
これを練り込むことで通常の忍術や幻術、さらには体術までも大幅にパワーアップさせることができるだけでなく、
少ないチャクラでより強力な術を発動させることが可能となる。
仙術を自在に操る人間を「仙人」と呼ぶ。
自然エネルギーは、動物としての流れを止め("動くな")、自然の流れと調和した時に初めて感じ取ることができるため、
本来、素早い動きを要する忍の戦闘に仙術を取り入れることは至難の業である。
元より、己の内に膨大なチャクラを持つ者でなければ、3つのエネルギーバランスが崩れ、
たちまち自然エネルギーに自らが取り込まれてしまうとされるが、
仙術修行の未熟な者が自然エネルギーを取り込みすぎた場合も同様で、
一気に蛙化して二度と人間の姿に戻れなくなるという危険性も伴っている。
- 特殊な会得方法をとる術
- 呪印術…対象者の能力や行動などを術者が支配するための術。
- 封印術…対象者のチャクラを印をもって封印する術。
- 秘伝…特定の地域や一族に口伝される、機密性の高い術。
- 禁術
- 術者の生命に危険がある術 : 「多重影分身の術」、「裏蓮華」など。
- その効果自体が危険な術 : 「口寄せ・穢土転生」など。
- 血継限界…同一の血を継ぐ系譜によってのみ子孫に伝えられる術、能力。
「血継限界」は、それを継ぐ者に様々な能力を与え、常人をはるかに凌駕する力を持つ
超常能力者を生み出す。ただし、たとえ両親が血継限界能力者であっても、その子供が
能力を継承するとは限らない。もし受け継いだとしても、能力のすべてを継承しない場合もあり、
また、いつ力が覚醒するかも定かではない。
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チャクラの性質変化
チャクラの性質変化の基本種別は、
"火" "水" "土" "雷" "風" の5つに分けられ、
これを「五大性質変化」と呼ぶ。
時に「六大性質変化」と呼称される場合もあるが、
残りの一つが何に当たるのかはわかっていない。
ほとんどの者がそのどれかの性質に当てはまるチャクラを持っており、
例えばうちは一族は"火"の性質を持つ一族で、火遁の術を得意としている。
自分のチャクラがどの性質に属するかは、チャクラを流し込んだ特殊な感応紙の変化によって
知ることができる。性質変化は各人1つというわけではなく、
上忍クラスの忍のほとんどは2つ以上を扱うことが可能とされる。
五大性質変化は、「水→火→風→雷→土→水」というように、
それぞれ優劣関係を持ちつながっており、
例えば"火"は、"風"に対しては優勢、"水"に対しては劣勢の立場にある。
火は風を受けるとさらに激しく燃え上がるため、
火遁の術に同等レベルの風遁の術をぶつければ、
さらに威力の増した火遁になって返ってくる。
しかし火は水を掛けられると消えてしまうため、術レベルが同等の場合、
火遁の相手に勝つには水遁しかないという道理になる。
- 五大性質変化
- 火: 【紙が燃える】 うちはイタチ、うちはサスケ、三代目火影、自来也
触れるものすべてを焼き尽くす、炎のごとき高熱のチャクラ。
対象を炎上させる付加効果もあり、風と並ぶ攻撃特化型。
"風"に強く、"水"に弱い。
- 風: 【紙が切れる】 うずまきナルト、猿飛アスマ
あらゆるものを斬り裂き断ち切る、刃のごときチャクラ。
特殊忍具や術に作用し、近・中距離戦において一番の攻撃力を持つ。
"雷"に強く、"火"に弱い。
- 雷: 【紙にシワが入る】 うちはサスケ、はたけカカシ、キラービー
拡散しやすく、中・遠距離用の術と相性が良い。
金属製の武器に付加し、殺傷力や感電効果を付けることも可能。
"土"に強く、"風"に弱い。
- 土: 【紙が崩れる】 三代目火影、自来也、ヤマト、角都
万物の硬度や成分を変える性質。
達人ならば鋼のごとき頑強さと、粘土のごとき柔軟さを、
術や物に与えることが可能。
"水"に強く、"雷"に弱い。
- 水: 【紙が濡れる】 二代目火影、ヤマト、桃地再不斬、干柿鬼鮫
多彩な「形態変化」との相性が良く、
霧状にして身を隠したり、津波にして足止めしたりと、
補助的効果が高い。
"火"に強く、"土"に弱い。
- 血継限界(性質変化の融合)
2つの性質変化を持っている場合、それぞれを独立して使うのは難しくないが、
双方の性質変化を同時に発生させることができる者は極めて少ない。
本来は「同一の血を継ぐ系譜によってのみ子孫に伝えられる」
とされる「血継限界」(術)は、
2つの性質変化を同時に扱うことによって
新たな性質変化を生み出す力を指すもので、
それゆえに術写しの能力を持つ「写輪眼」でもコピーすることはできない。
- 木遁: 【土×水】 初代火影、ヤマト
- 氷遁: 【風×水】 白
- 溶遁: 【火×土】 老紫
- "陰"と"陽"の性質変化
詳細不明。なお、四代目火影は九尾を封印する際に
九尾の力を陰と陽に二分している。
「屍鬼封尽」によって封じた
(=死神の腹の中で永遠に過ごす)のは陰の側のチャクラのみであり、
陽の側をナルトに封印したのは、
九尾のチャクラを息子に遺したいがためだったと考えられる。
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チャクラの形態変化
Sランクの術を身に付ける上で、チャクラの"性質変化"と並んで不可欠とされるテクニックが、
このチャクラの"形態変化"である。
チャクラの形態を変化させることで、攻撃の威力と範囲を決定する。
例えば「千鳥」は、チャクラを電流のように"性質変化"し、
放電するように"形態変化"させている。
その意味で、チャクラを超スピードで乱回転させて圧縮する「螺旋丸」は、
"性質変化"を必要とせず、"形態変化"だけを極めた術であり、
「千鳥」とは趣きが異なる。
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忍び五大国
『NARUTO』の世界には、大小様々な国が存在し、
各国は軍事力の要たる「忍の里」を擁する。
そのうち、「雷」「水」「土」「風」「火」の五ヶ国の忍の里は特に強大であり、
これを有する国を、「忍び五大国」と称している。
- 雷の国…荘厳な海洋美を見せる。国内には多くの温泉地が存在する。
- 水の国…独自の文化を有する島国。国土の多くは山。
- 火の国…豊かな穀倉地帯が多くの人口を養う大国。五大国の中央に位置する。
- 土の国…荒涼とした岩場がその多くを占める。国境に沿うように岩山が連なる。
- 風の国…その多くを砂漠が占める。人口は多く、火の国との交易も盛ん。
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忍の隠れ里
大名を頂点とする国が、自国の領土内に存在する里に対し庇護や経済援助などを行う一方で、
長を頂点とする里は、独立した行政を施行しながらも、所属する国の
軍事力を担う役割を負う。そうして両者の関係は対等に保たれている。
忍び五大国に存在する「木ノ葉」「砂」「霧」「雲」「岩」の隠れ里は、
それぞれが数多の屈強な忍たちを擁し、「影」の名を冠する里長によって
統率されている。各隠れ里の頂点に立つ5人の忍は、
「五影」と総称され、崇め奉られる。
- 木ノ葉隠れの里
―火影、火の国
里長である火影のもと、固い結束力と多くの優秀な忍たちによって
繁栄を誇っている。他の里(国)に比べて愛国心が強いことが特徴的であり、
木ノ葉の忍者は里に忠誠を誓い、里の者すべてを家族同様に愛し、守る。
霧隠れとは違い、血継限界などの異端なる能力者も差別されることはない。
- 砂隠れの里
―風影、風の国
人柱力の研究や傀儡部隊の結成など、他里との戦力差を補うべく、
数々の強兵策を実施してきた砂隠れであったが、
忍界大戦以後、風の国の大名が推進する軍縮の煽りを受け、
里は存亡の危機に晒されてきた。
そんな中で、里長となった四代目風影は、
強引なまでの富国強兵策を実施するに至る。
その最たる例が、生まれながらにして一尾を憑依させた息子・我愛羅の存在であり、音隠れとともに実施した「木ノ葉崩し」であった。
木ノ葉崩しを経て、我愛羅が五代目風影に就任して以後は、木ノ葉と良好な同盟関係を築いている。
- 霧隠れの里
―水影、水の国
山間に位置する領土を常に深い霧が覆い隠し、諸外国から完全に隔絶された里。四代目水影・やぐらの統治する暗黒時代の霧隠れの里では、
厳しい掟により配下の忍軍団を統制する恐怖政治が続いていた。
「血継限界」という超常能力を有する一族は、
国に災厄をもたらすと見なされ容赦なく迫害されるなど、
鬼畜非道たる政策が次々と実行され、
他里からは「血霧の里」として恐れられていたが、
その最たる例が、忍者になるための卒業試験として行われていた、生徒同士の殺し合いであった。
20年前に卒業試験は大変革を遂げるが、
そのきっかけは、変革の前年に、一人の少年が、100人を超えるその年の受験者全員を、
何のためらいもなく殺し尽くしてしまったことにある。
そして近年、かつての少年――桃地再不斬が、一部の忍を集めて
クーデターを画策するも、失敗に終わった。
五代目水影として照美メイが
里長に就任して以後は、政策を一新し、暗黒時代のイメージを払拭すべく、
「開かれた里」として再興しつつある。
なお、先代のやぐらの恐怖政治の裏では、幻術で操る黒幕(=元水影・うちはマダラ?)の存在も
示唆されており、
それと関連してか否かは定かではないが、「"暁"発祥の地」と
称されることがある。
- 雲隠れの里
―雷影、雷の国
雲に隠れる高山に存在する隠れ里。
武闘派の四代目雷影・エーの統治の下、
二尾、八尾の人柱力を保持し、剣術・忍体術を奨励している。
徹底した国力増強を狙い、他里の忍術・忍具研究にも余念がない。
木ノ葉と長年争っていたが、13年前、唐突に同盟条約が締結された。
その直後、条約に調印した雲の国の忍頭が、
日向ヒアシによって殺される事件が発生。
当の忍頭が、ヒアシの娘のヒナタを誘拐しようとしたことが原因だったが、
雲側はこれを条約違反だとして非難。
「白眼」の血継限界能力を持つヒアシの死体を差し出すよう、
木ノ葉に持ちかける。
戦争勃発を怖れた木ノ葉は、この裏取引に応じた。
実は、木ノ葉にとってまことに理不尽とも思えるこの要求こそが、まさに雲側の望んでいたことだった。
そもそものヒナタ誘拐未遂、さらには木ノ葉との同盟条約締結ですら、
白眼を里にもたらす計画の一環でしかなかった。
結果的には、ヒアシの双子の弟でネジの実の父である日向ヒザシが、
兄の影武者として殺され、その死体が雲側に渡ったことで戦争は回避された。
以降、現在に至るまで、一応の友好関係が保たれている。
- 岩隠れの里
―土影、土の国
岩山が連なる、天然の要害によって地の利を得ている里。
三代目水影・オオノキの長期政権が続いており、
里の忍たちは、土影の命に忠実に従い、どんな死地にも怯むことなく赴く。
世界が軍縮へと向かう中で、「暁」をも利用した軍事政策が実行されるなど、
忍界の覇権を虎視眈々と狙うオオノキの意志が里全体に如実に反映されている。
- 音隠れの里
―大蛇丸、田の国
木ノ葉隠れの抜け忍・大蛇丸が近年興した隠れ里。
少人数ながら、一騎当千の実力を持つ忍ばかりが集められている。
砂隠れの里と組んで、木ノ葉転覆計画、「木ノ葉崩し」
を実行に移した。
- 雨隠れの里
土・風・火の3大国に囲まれ、昔からそれらの大国同士の戦場になることが多く、
そのため内政も安定せず、難民ばかりが増えていた。
一方で、里を出入りする者には入国審査と滞在期間中の監視を行う
厳格で閉鎖的な里としても知られており、
それゆえに自国の内情については他国に知られぬよう、
徹底した管理で情報を統制している。
長い間、里長である半蔵側と、
対立派であるペイン側とに分かれ、
里を二分しての内戦が続いていたが、
ペインが半蔵を倒したことによってクーデターは成功し、
近年、「新雨隠れの里」が誕生した。
里の忍たちは、旧雨隠れとの違いを示すために、
皆、雨隠れの額当てに、抜け忍の意味を表すキズを付けている。
祭礼行事や演説、命令などはすべて代理者を通して伝えられるため、
里長であるペインが人前に姿を見せることはめったにないが、
一人で雨隠れを潰した人物として伝説となっており、
里の皆からは「神」として崇められている。
- 草隠れの里
外交術を得意とし、強国の動静の先を読み常に先手を取っている。
他国の術の解析に余念がない。
- 滝隠れの里
―シブキ
若き里長・シブキが守る隠れ里。かつては、
潜在チャクラを完全に引き出すとされる「英雄の水」の力で
里の平和が保たれていたが、水煙一味の侵入事件の際に、
英雄の水は失われてしまう。しかし、極度の臆病者だったシブキはこれを機に
勇気を取り戻し、真の意味での里の「英雄」、皆を守る里長となることができた。
火・風・土・雷の4つの国に囲まれながら、小さな隠れ里は今日も堅固に在り続ける。
- 湯隠れの里
暁の飛段の出身地。
豊穣なる自然と観光資源を有するこの里は、
平和主義の世に倣い、忍界大戦以後、
里としての戦力はますます戦力を縮小の一途を辿る。
今では、「戦を忘れた里」として知られている。
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忍界大戦
かつて隠れ里の大半が参加し、持てるすべての力を投入した、忍世界の大戦争。
多くの英雄や豪傑を生み、数々の高度な術が編み出された反面、
おびただしい数の犠牲者を出し、国力を大いに疲弊させた戦いでもあった。
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五影会談
忍界全土に関わる危機的問題が発生した際、平和的手法に基づいて解決すべく催される会談。
忍の最高権力たる、木ノ葉・砂・霧・雲・岩の各隠れ里の里長――五影が一同に介し、
議論を戦わせる。影の一人または複数の呼びかけに応じる形で開催が決定する。
開催地は、おそらく五大国以外の中立国から選択されるものと推測される。
平和的協議が求められる五影会談場では、忍術の使用不可や武装の制限、
各影の護衛人数は原則2名までとするなど、
厳格な仕来りの遵守が義務づけられている。
また、素性を把握すべく、護衛の仮面着用も禁じられている。
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波の国
島国国家。隠れ里は存在せず、忍者はいない。
イナリの義父であり、町の英雄と称されたカイザが、
国の海上運搬を牛耳る闇の世界の帝王・ガトーに逆らった罪で処刑されて以後、
町の人々からは勇気と希望とが失われてしまう。
タズナの造る橋こそが、資源が少なく貧しい波の国に物流と交通をもたらし、
町に勇気と希望を取り戻す、まさに夢の掛け橋だった。
完成した橋は、のちに「ナルト大橋」と名づけられる。
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鉄の国
三狼と呼ばれる3つの山からなる国で、独自の文化・独自の権限と強力な戦力を保有する中立国。
とりわけ、忍ではなく"侍"と呼ばれる者が国を守る点で、
他国とは大きく異なっている。侍大将のミフネが全権を掌握し、
国政を敷いている。暁問題に係る五影会談の開催地として選ばれる。
侍も忍者同様にチャクラの扱いに長けており、特に刀にチャクラを流し込んでの白兵戦を
得意としている。一般の侍は、一様に顔をすっぽり覆った兜や足先までをカバーした重厚な鎧を
身に付けており、素肌を一切さらさない物々しい格好が特徴的である。
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空区
どの国・里にも属さない廃墟。人気のないその地には、
忍専門に武器を供給する闇商人一族がひそかに店を営んでいる。
五大国でも屈指の忍具店で、入手困難な巻物までもが揃うため、
多くの大物が出入りするという。「うちは」は代々の上客である。
空区には、頭目である老婆・猫バアを筆頭に、彼女との契約の下、
この地には複数の忍猫が暮らしている。
案内猫であるデンカとヒナの2匹は、
常時、猫バアへと通ずる回廊を徘徊し、訪れる者を尋問する。
2匹からの信用を得ることができなければ、猫バアと対面できないばかりか、
ズタズタにされて逃げ帰るほかないという。
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火ノ寺
「火の国に火ノ寺あり」と謳われる由緒正しい忍寺。
籍を置く僧侶は、皆、「仙族の才」と呼ばれる
特別な力を操ると言われている。
寺を統括する地陸は、かつて守護忍十二士を
務めたほどの実力者で、その強さは寺内で右に出る者がいない。
寺の山門には地陸によって特殊な封印が施されており、
その突破は容易ではない。
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守護忍十二士
火の国の大名を警護する、
大名直轄の忍組織。
国内より広く、才に秀でた忍たちが集められ、任務に就く。
火の国の紋の入った腰布がその証。
現在十二士制度は廃止されているが、
上忍の猿飛アスマや火ノ寺の地陸など、
そのメンバーは名を知られた精鋭揃いで、
エリート忍者の登竜門とも言われていた。
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暗部
里中から選りすぐられた忍で構成される、木ノ葉隠れの里・火影直属の影の部隊。
正式名称は「暗殺戦術特殊部隊」。
拷問・暗殺など特殊かつ高度な任務を専門に行う。
常に白い仮面をつけて任務を遂行し、その素性や功績が明かされることは一切ない。
暗部は木ノ葉だけでなく、他の里にもその存在が確認されており、
例えば霧隠れの「追い忍部隊」も、暗部の特殊部隊のうちの一つである。
卓越した暗殺技術と医療技術により手配者を完全に抹殺することから、
追い忍は、別名「死体処理班」とも呼ばれている。
木ノ葉の里には、タカ派のダンゾウによって暗部の中に別動部隊として
組織された暗部養成部門「根」が存在する。
「根」に属する者には感情はなく、名前もなく、過去はなく、未来もない。
あるのはただひたすら任務のみ。
ヒルゼンの火影就任後、公式的には組織解体された「根」だが、
「木ノ葉という大木を目に見えぬ地の中より支える」という「根」の意志の下、
水面下にてその活動は密かに、そして確かに継続されている。
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木ノ葉警務部隊
木ノ葉隠れの里内の違法行為や犯罪を取り締まり、24時間体制で里の平和を預かり守る治安部隊。
組織は「暗部」などと同様に選りすぐりの精鋭たちで構成され、
その中核を成していたのが、「うちは一族」であった。
部隊を組織し設立したのがうちは一族の先代だったことから、
警務部隊のシンボルマークにはうちは一族の家紋が入れられている。
里の創設期に二代目火影によって設立されたこの部隊は、
実際には木ノ葉への復讐を企てたうちはマダラのような反逆者を生み出さないよう、
うちは一族を里の政治から遠ざけ、なおかつひとまとめに監視下に置くために
便宜的に作られたものであり、
その本質は里の平和を守る治安部隊とは大きく異なるものであった。
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暁
忍9名からなる謎の小組織。
メンバーには、「手配書(ビンゴ・ブック)」でS級犯罪者に
指定されているような輩ばかりが名を連ねる。
サスケの兄・うちはイタチもその一人。
大蛇丸も最近まで組織に属していた。
組織のメンバーは皆、漢字一文字が刻まれた指輪をはめている。
ペインは「零」、小南は「白」、イタチは「朱」、鬼鮫は「南」、ゼツは「玄」、
デイダラは「青」、サソリ(トビ)は「玉」、飛段は「三」、角都は「北」の字。
また、かつて大蛇丸は「空」の指輪を身につけていた。
これまでは目立った動きを見せていなかったが、
大蛇丸脱退頃から2人組(ツーマンセル)で行動し始め、
術などの収集に乗り出す。ナルトの中の「九尾の妖狐」を含め、
9体の「尾獣」もターゲットとして狙われている。
暁の目的は、3つの段階を踏むことで達成されることになる。
まず、第一段階では、尾獣などを確保するかたわらで莫大な資金を収集し、
第二段階として、その資金を元手に、忍世界初の「戦争請け負い組織」を設立する。
現在の忍ビジネスにとって戦争は不可欠であり、
各忍里は国内外の戦いに参入することで莫大な利益を稼ぎ、
国を支えていると言っても過言ではない。
その一方で忍里の保有には、戦時と同じかそれと近いレベルで平時にも莫大なコストがかかるが、
かといって里を縮小しすぎれば突然の開戦に対応できない。
そこで、国というものに属せず、必要な時に必要なだけの忍を用意し、
必要な力を持ってあらゆる小国や小さな里から依頼として請け負う組織を作り、
戦争を一手に引き受け、戦争市場を牛耳る。
さらには尾獣を使い市場の大きさに合わせて戦争を引き起こし、
やがてはすべての戦争をコントロールし独占支配する。
こうした流れに伴って大国の「忍里」というシステムも崩壊し、
皆が暁を利用せざるを得なくなる状況を生み出したのちに、
その先にある最終目的に辿り着く。
目的の第三段階、すなわち世界征服である。
集めた尾獣によって、その術一つを使用しただけで一瞬にして大国さえも
潰せるような最大最強の禁術兵器を開発し、
争いを続ける国々それぞれに譲り渡す。
互いが互いをいつでも瞬時にして消し去ることができるような慢性的な均衡状況を
作り出すことで、世界を恐怖心と痛みで支配し、
この世から争いをなくすことが最終的な目標であるという。
つまり、尾獣の収集を含めた暁のあらゆる行動は、
力を持てば必ずそれを使うという人間の心理を逆手に取り、
力を与えることで(恐怖によって)争いをなくすという、
暁(ペイン)なりの平和主義であるというのが
彼らの考え方である。
尾獣の収集を命じていたのは、暁を裏で操るうちはマダラであったが、
実はその目指すところはペインらとは異なっている。すべての統一を成す「月の眼計画」こそが、
マダラの真の目的であり、そのための尾獣狩りであった。
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月の眼計画
うちはマダラの推進する、すべての統一を成すための計画。
すべてがマダラと一つとなることで、わだかまりも争いもない世界が
実現できるという。それは、次の3つの段階を踏むことで達成される。
1. すべての尾獣を集めて「十尾」を復活させたのち、
自らの体内に封印をして十尾の人柱力となる。
2. 十尾のチャクラを利用して自分の瞳力をさらに強大化させ、
月に己の眼を投影する大幻術「無限月読」を発動させる。
3. 地上に存在するすべての人間を幻術の中でコントロールし、
世界を一つにする。
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尾獣と人柱力
尾獣とは尾を持つ魔獣の総称であり、
世界各地に全部で9体存在する。
それぞれ尾の数が異なり、「一尾」(守鶴)は尾が1本、
「ニ尾」は尾が2本というように、それらが「九尾」まで、
その名の通り尾の数を表している。
元々は初代火影・千手柱間がいくつか集めて自身の能力で以てコントロール下に
置いていたもので、忍界大戦のたびに、
柱間が条約や協定の証としてそれらを五大国をはじめとする各国に分配することで、
パワーバランスを取ることに利用されていた。
しかしながら、柱間のような能力者のいない各国・各隠れ里にとって、
莫大なチャクラの塊である尾獣を制御することは困難を極めた。
そうした中で、尾獣を人に封印することでその人知を超える力を抑え込み、
コントロールを可能にする方法が発案され、採用される。
尾獣を封印された者は「人柱力」と呼ばれ、
いつの時代も畏怖の対象として尊ばれると同時に忌み嫌われることとなる。
各国は人柱力を利用して、幾度も戦争を繰り返したのだった。
人柱力は尾獣と共鳴し、信じられない潜在能力を使えることが特徴で、
砂隠れの里では、我愛羅を含め、これまで3人の人柱力が選出されている。
瞬間的にでも尾獣の力と釣り合うだけの効力を発揮する封印術と
数日にも渡る長大な時間を掛けることで、人柱力から尾獣を取り出すことは可能であるが、
尾獣を引き剥がされた人柱力は必ず死ぬとされている。
尾獣と人柱力のシステムは、はるか昔、六道仙人によって
作り出されたと伝えられている。
その昔、世界では「十尾」と呼ばれるバケモノが暴れ、
人々は苦しめられていた。六道仙人は、
あまりに強大にして邪悪なチャクラを持つ十尾を抑え込むため、
自らの体内に封印し、十尾の人柱力となった。
世界を救った仙人は人々から神のように崇め奉られた。
しかし、自分が死ねば十尾の封印が解けてしまうことを恐れた六道仙人は、
死の間際に、最後の力を使って十尾のチャクラを9つに分散し、
地上の各地へとバラまいた。それが現在の9体の尾獣であり、つまり
十尾は尾獣すべての集合体であった。
チャクラを抜かれた十尾の本体は封印され、力の及ばない空へと飛ばされた。
夜空に浮かぶ月こそがそれであるとされている。
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九尾事件
16(13)年前に起こった、九尾の妖狐による木ノ葉襲撃事件。
最強のチャクラを持つと言われる九尾に対抗できる手段はなく、
当時の里長であった四代目火影は、自らの命と引き換えに、
生まれたばかりのナルトのへそに九尾を封印することで、
なんとか被害を最小限に食い止めることに成功した。
しかしながら、この事件で、四代目火影の他、
イルカの両親を含めた里の多くの人間の命が失われることとなった。
四代目亡き後、再び火影の地位に就いた三代目火影は、
ナルトの体内に九尾の妖狐が封印されている事実を口外無用とし、
掟を破った者には厳罰を以ってあたってきた。
そのため、事件に関わった人間やそれに通ずる人間を除くほとんどの者(例えば下忍たち)は、
ナルトの正体を知らない。
当の本人であるナルト自身、ミズキから教えられるまでは、
自分の出生の秘密について知ることはなかった。
ただ、事件当事者である大人たちの中には、九尾を憎むがゆえに
陰でナルトを蔑み、忌み嫌う者が少なからず存在することもまた事実である。
そしてそれゆえに、ナルトは、幼い頃から誰にも認めてもらえず、
皆に疎んじられながら育ったのだった。
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中忍選抜試験
- 中忍(部隊長クラスの忍者)にふさわしい知識と素養を試す選抜試験。
木ノ葉では、他の里と合同で、年に2回開催される。
- 同盟国間の戦争の縮図。
特に中忍選抜試験・第三の試験は、諸国の大名や著名人たちを招待して公開され、
国の威信を背負った各国の忍が命懸けで戦う場となる。
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大蛇丸の呪印
大蛇丸が認めた"邪"と"才"の持ち主に刻まれる呪いの印。
授印されると強烈な痛みが全身を襲い、
たいていの者はそれによって命を落としてしまう。
生存確率は10%とも言われる。
もともとは、殺人衝動が限界に達すると見た目も性格も殺人鬼へと変貌してしまう重吾の体液を元に
大蛇丸が開発した酵素である。
呪印は、体内に練られたチャクラに反応し、対象者の体中のチャクラを際限なく引き出すとともに、
邪悪な精神を解放させようとする。「解放状態」を長くつづけていれば、
徐々に体を呪印が侵食していく。対象者は、呪印によって強大な力を与える代わりに、
大蛇丸に自由を束縛されることになる。大蛇丸の「転生術」にとっては、
非常に有用な手段であると思われる。
同じ呪印にも様々な種類があり、それぞれ模様(紋様)や能力が異なる。
その中でも、サスケの持つ「天の呪印」と、それと同等の力を持つとされる、
君麻呂の持つ「地の呪印」とは特別であるらしいが、
詳しいことはわかっていない。
なお、模様からすると、みたらしアンコが与えられたのも天の呪印と推測されるが、
「捨て駒」にされた彼女の境遇を考えると、実験の一つとしての授印だったのかもしれない。
また、呪印には共通していくつかの段階(状態1〜2)が存在し、レベルが増すごとに力・チャクラの消耗が
大きくなるとともに、「自分」を失っていく。
外見が異形化し、侵食スピードも急激に上がる「状態2」への覚醒は、
「醒心丸」という丸薬を服用することで可能となる。
「状態2」の力をコントロールするためには、その状態を長時間保ち体に慣らす必要があるが、
通常の場合、激しい副作用により、覚醒すれば数分と持たずに確実に死んでしまう。
そのため、醒心丸を服用する際には、結界忍術等で
対象者の副作用を抑え込み、いったん仮死状態にするなどの処置を要する。
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ジャシン教
唯一神である「ジャシン様」を奉り、殺戮を
モットーとする過激派の新興宗教。
信者たちには厳しい戒律が課せられており、
「汝、隣人を殺戮せよ」という奇怪な教義は、
信者同士が殺し合うという矛盾を孕んだものとなっている。
信者の肉体を用いた儀式、すなわち禁術の実験が繰り返し行われており、
その初の成功例が、不死身の肉体を得た飛段である。
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六道仙人と2人の子
その昔、六道仙人は初めてチャクラの真理を解き明かし、
忍宗という教えを説いて世界を平和に導こうとしたが、
夢半ばにして倒れてしまう。そこで仙人は、
忍宗の力と意志を2人の子供に託すことにした。
兄は、生まれながらに仙人の”眼”――チャクラの力と精神エネルギーを
授かり、平和には「力」が必要だと悟った。
一方で弟は、生まれながらに仙人の"肉体"――生命力と身体エネルギーを授かり、
平和には「愛」が必要だと悟った。
死の床で、六道仙人は、愛を求めた弟こそ後継者にふさわしいと
そちらを選んだ。しかし、長男として、当然、自分が後継者に選ばれるものと思い込んでいた兄は、
その結果に納得が行かず、憎しみのあまり弟に戦いを挑んだという。
やがて時が経ち、血が薄れても、2人の兄弟の子孫は争いを続けた。
兄の子孫はのちにうちはと呼ばれ、
弟の子孫はのちに千手と呼ばれるようになる。
その意味では、かつてのうちはマダラと千手柱間の闘いも運命だったと言える。
そして、うちはの写輪眼を宿すサスケと、
千手の火の意志を宿すナルト――彼らこそ、
運命に選ばれた次の2人になるであろうとされるライバルなのである。
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