大阪市:中学の給食利用10% 「冷たい」など不評
毎日新聞 2013年06月13日 15時19分(最終更新 06月13日 19時37分)
橋下徹大阪市長が「全員給食」を公約に掲げて導入した市立中学の給食利用率が、わずか10%(5月現在)と低迷している。市は当初35%程度の利用率を見込んでいた。対象校を段階的に増やし、年度内に全128校に拡大するが、「おかずが冷たい」「おいしくない」などと不評で、利用率は減少傾向だ。橋下市長は13日、市内の24区長と中華丼などのメニューを試食し、改善策を協議した。
橋下市長は昨年9月、「学力向上に必要不可欠」として中学給食を導入した。委託業者が弁当を届けるデリバリー方式で、1食300円。希望者は事前に申し込み、家庭弁当との選択制だ。今後、区ごとに全員給食に切り替えるか決める。
導入当初の昨年9月、14.4%だった利用率は今年3月に8.4%に落ち込み、今年度に入っても10%台にとどまる。不評の理由は、衛生管理のためおかずが冷えた状態で提供される▽汁物が配送中にこぼれ、提供されなくなった−−など。ある校長は「家庭弁当は保護者の愛情表現の一つで、全員給食を強制するのはどうか。アレルギーへの不安を抱える生徒もいる」と指摘する一方、「給食を歓迎している生徒もおり、おいしく食べられるよう改善策を検討してほしい」と話す。
他の自治体でも、中学給食を導入する動きは広がっている。京都市は2000年から家庭弁当との選択制で導入し、利用率は約3割。神戸市は来年度から導入する。【林由紀子】