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福島第1原発 廃炉に向け一進一退

[荒涼]水素爆発した4号機の原子炉建屋は鉄筋とコンクリートのカバーで覆われ、核燃料の取り出し準備が進む。一見するとマンション建設現場のようだが、作業員は全面マスクの防護服姿。過酷な労働環境を物語る

[貯蔵]1号機のタービン建屋の海側にある復水貯蔵タンク。原子炉に注水する配管が1キロ短縮され、汚染水漏れのリスクが減る。近くには津波で流されたトラックや作業車が横倒しになったまま。東電は「最優先課題は原子炉を冷やすこと。がれき撤去の余裕はない」

[林立]地下貯水槽の汚染水漏れを受け、設置されたG6タンク群。漏れた量は当初発表の120トンではなく20リットル程度だったことが分かり、移送が必要だったのか疑問も残る。原発敷地境界の年間積算線量は6.4ミリシーベルト増え、7.8ミリシーベルトになった

 福島第1原発で廃炉に向けた一進一退の攻防が繰り広げられている。11月には4号機のプールから核燃料の取り出しが始まる。増え続ける放射能汚染水は地上タンクの増設で急場をしのぐが、抜本的な解決策は見つかっていない。東京電力が11日、報道機関に公開した。(福島総局・山崎敦)
 震災時、定期検査中だった4号機は原子炉建屋が水素爆発。全ての燃料が使用済み燃料プールに移されていたため、1〜3号機のようなメルトダウンは起きなかった。
 プール内に残る1533本の核燃料の取り出しは政府・東電の中長期ロードマップ第1期目標で最優先課題に位置付けられ、11月に始まる。
 地下貯水槽の汚染水漏れを受け、急きょ設置された容量500トンのタンク38基が敷地南側に並ぶ。奥の林も伐採が進み、増設に備える。「わずかなスペースでもタンク置き場にしたい」(東電)のが本音だ。
 原子炉建屋には1日400トンの地下水が流れ込み、汚染水増加の原因になっている。東電は汚染される前に地下水をくみ上げ海に流す「地下水バイパス計画」を実施したい考えだが、地元漁協は反対姿勢を崩していない。


2013年06月13日木曜日


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