トルコ:デモ隊一部、首相と会談 主要メンバーは関係否定
毎日新聞 2013年06月13日 01時14分
【イスタンブール大治朋子】トルコのエルドアン首相が12日、反政府デモを続けるグループの一部メンバーと会談した。地元メディアが伝えた。政権側は事態収拾を目指すが、最大都市イスタンブールでは警官隊が広場のデモ隊を強制排除したばかりで、デモ隊の幹部らは「首相のパフォーマンスで終わる可能性が高い」と指摘。実効性のある協議となるかは不透明だ。デモは13日で丸2週間を迎え、首都アンカラなど各地で混乱が続いている。
12日の地元メディア(電子版)によると、首相は学者や学生ら11人とアンカラで会ったとされる。イスタンブール中心部のゲジ公園などに集うグループで作る「タクシム団結プラットフォーム」は、「我々の代表ではない」と関係性を否定している。
「プラットフォーム」中心メンバーの男性(32)は毎日新聞の取材に「政府側から会談の一員に入らないかと招かれた。最初は前向きな姿勢だと受け止めて応諾したが、11日にメディアも同席させてほしいと要請すると難色を示し、連絡が来なくなった」と語った。「政府側はその後、首相の選んだ別のデモ関係者に声をかけていると聞いた」という。
デモ参加団体は多岐にわたるが「プラットフォーム」はそのうち主要な70〜80団体の代表者らで構成し、明確なトップはいない。
エルドアン政権は「プラットフォーム」以外のデモ参加者から、慎重に会談相手を選んでいる可能性もある。
また、男性によると、11日のタクシム広場での強制排除について、ゲジ公園に残る若者らの間では、「我々の排除に向けての第一歩で、デモ隊を分断し、公園の我々を孤立させ、封じ込める方針だ」との危機感が高まっているという。
地元の医療協会によると、10日現在、デモに参加した人々のうち5000人弱が催涙ガスなどによる体調不良を訴え、病院などで治療を受けている。