Ｊ−ＰＡＲＣ放射能漏れ　気の緩みなどただす　県議会委で連合審査会

　日本原子力研究開発機構（原子力機構）の加速器実験施設「Ｊ−ＰＡＲＣ」（東海村）の放射能漏れ事故で、県議会の防災環境商工と総務企画両委員会の連合審査会が十二日開かれた。施設を管理運営する原子力機構と高エネルギー加速器研究機構（高エネ研）の責任者を参考人招致し、安全意識の欠如や従事者の気の緩みなどをただした。

　池田裕二郎Ｊ−ＰＡＲＣセンター長は「放射能漏れという非常に重大な事故を起こし、さらに地元住民や関連自治体、国への報告が大変遅れてしまい、深く反省の念を持ち心からおわびする」と述べ陳謝した。

　委員からは「安全より研究開発を優先していなかったか」「共同運営で通報の責任が不明確だったのでは」など質問が相次いだ。

　池田センター長は、安全管理体制の見直しとマニュアル化とともに、事故を起こした施設を放射性物質が漏れない構造に改造する方針を明らかにした。

　報告の遅れについては「事故をうやむやにすることは考えていなかった」と強調した。（林容史）