2004/01/26作成 ききょう咲く 花の里HOME
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式神の正体



今昔物語や宇治拾遺物語をはじめとする多くの書物にも記されているように安倍晴明について語る際 式神のエピソードは欠かせないものです。

式神は陰陽師の卓越した能力の象徴でありました。
今昔物語・宇治拾遺物語で式神は「識」神と記されていることが多いですが、この文字は古代中国では「魂」「精霊」に近い意味を持った言葉です。「使鬼」という表現も見られます。式神は「識神」であり隠された知識を「識る」ことで、意のままにできる霊的存在といえます。



陰陽道に特有な式神として
最もよく知られているのは十二天将でしょう。
「占事略決」には十二天将・十二月将として

十二天将…『貴人・騰蛇・朱雀・六合・勾陣・青龍・天空・白虎・大裳・玄武・大陰・天后』

十二月将…『徴明・河魁・従魁・傳送・小吉・勝先・太一・天剛・大衝・功曹・大吉・神后』

が、列記されています。

これらの呼称については、よく似た呼称が混在しているところに六壬神課の書籍などで十二天将・十二月将の両方を十ニ神将として表記したり、摂堤・招揺・軒轅なと゛を含む別の十二神を記して十二将・十二月将・十二神が天・地・人に対応するとした書物が出たり非常に紛らわしくなっています。

薬師如来の眷属である夜叉十ニ神将(※補足ページへリンク)
一般に十二神将と呼ぶことが混乱に拍車をかけておりますが
夜叉十ニ神将は後世になって十二支と結びつき、
法師陰陽師(※補足ページへリンク)などが陰陽道に取り入れたりしたようですが、本来は仏教系の存在であり式神とはまったく別物であります。

晴明の使役した式神については式盤の神霊とされることが多く
一般には密教の護法童子や眷属神のような、神仏と人間の中間的な霊的存在と認識されてきたようです。

式神を霊的な存在であるとしながらももっと低級な(動物霊など)を神と仮託したものだとする考えも根強く現代にも続く身近な信仰である管狐(くだぎつね)や犬神などがその根拠となっています。
鎌倉時代の随筆「新猿楽記」でも陰陽師は三十六禽(※補足ページへリンク)を操る、と書かれています

式神について触れた書物の中には彼らがまるで生き物であるかのような描写もあります こうした記述などを根拠として式神を陰陽師の部下である忍者・隠密であるとする説も少数ではありますが存在しているようです。


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