復興庁幹部暴言ツイート:復興相が謝罪 国の姿勢疑う声も
毎日新聞 2013年06月13日 11時45分(最終更新 06月13日 12時45分)
復興庁で福島県の被災者支援を担当する水野靖久参事官(45)がツイッターで暴言を繰り返していた問題は、13日の衆院東日本大震災復興特別委員会で根本匠復興相が謝罪。同県の地元自治体などからは「国は腹の中でどう思っているのか」と国の姿勢を疑う声も上がるなど波紋が広がった。
◇復興相「深くおわび」
「発言が事実とすれば国家公務員として不適切で、関係者に不快な思いをさせたのなら率直におわびしたい」。根本復興相は復興特別委で、沈痛な表情で頭を下げた。現在事実を確認中として「結果を踏まえ、この職員への指導を含め適切に対処したい」と述べた。
質問に立った委員からは再発防止を求める声が上がった。小林鷹之衆院議員(自民)は「多くの尊いものを失った人たちが明日をつかもうと頑張っており、懸命に支援している関係者にも極めて失礼。厳しい対応を取ってほしい」と要望した。【袴田貴行】
◇福島・川俣町「残念」
「田舎の町議会をじっくり見て、余りのアレ具合に吹き出しそうになりつつ我慢」とツイートした昨年11月15日、水野氏は避難区域が残る福島県川俣町の町議会全員協議会に出席していた。佐藤喜三郎議長は「我々は避難住民のために何をすべきか真剣に議論している。声が高くなったり議論の内容が幼稚に見えたかもしれないが、そういう目で見られたのは残念」と悔しがる。さらに「国の担当者が来ては『迷惑をかける』と頭を下げるが、腹の中ではどう思っているのか」といぶかった。
水野氏が担当する「子ども・被災者生活支援法」による具体的な支援を待ち切れず、山形市での母子避難を断念して4月に同県二本松市に戻った主婦、安斎牧子さん(36)は、課題の先送りを「懸案が解決」としたツイートについて「昨年6月に決まった法律がいまだ活用されない。発言はきっちり決めるつもりがない国の姿勢の表れ」と失望を隠さない。「個人を処分して終わりでなく、政府全体の姿勢を見直してほしい」と求めた。【乾達】