アイドルになりすまし、37万人から116億円
読売新聞 6月13日(木)12時17分配信
芸能人らを装ったサクラが、メール交換を持ち掛けて出会い系サイトに誘導し、高額な利用料を請求する「サクラサイト商法」で金をだまし取ったとして、警視庁は13日、東京都新宿区のサイト運営会社「ウイングネット」の元役員ら男女9人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。
同庁によると、同社は昨年6月までの約2年4か月間に全国の約37万2000人から約116億円を売り上げており、同庁は大半が同商法によるものとみて余罪を調べている。
同庁によると、摘発された同商法では、金額、利用者数ともに過去最大規模という。逮捕されたのは、同社元役員・山中孝浩容疑者(34)とサクラを担当していた元アルバイトら男女計9人。社長の男(40)についても同容疑で逮捕状を取り、行方を追っている。
同庁幹部によると、山中容疑者らは昨年4〜5月、女性アイドルグループ「AKB48」の元メンバー前田敦子さん(21)やマネジャーらになりすまし、運営していた出会い系サイトに会員登録させた埼玉県内の男性会社員(40)とメールでやり取りし、利用料として36回にわたり、計約136万円をだまし取った疑い。調べに対し、山中容疑者は容疑を否認しているが、元アルバイトら5人は容疑を認めている。
山中容疑者らは、2010年2月〜昨年6月、22の出会い系サイトを運営。会員制交流サイト「フェイスブック」で、芸能人のマネジャーを装って、ネット利用者に連絡先のURL(ネット上の住所)を貼り付けたメッセージを送るなどしてサイトに誘導し、無料で会員登録させた。その後、マネジャー役は「アイドルの相談相手になってほしい」としたメールを、芸能人役は「連絡をくれてうれしい」としたメールを送るなどして、サイトを通じたメール交換を続けさせ、閲覧と送信ごとに利用料を取っていたという。
最終更新:6月13日(木)14時8分