9月5日に最高気温39.9度を記録した観測機器。地上1.5メートルほどのところにある気温計の入った筒にも、つる草がからまっていた=9月6日、京都府京田辺市、京都地方気象台提供
つる草がとりはらわれたあとの観測機器=9月7日、京都府京田辺市、合田禄撮影
気象庁は30日、京都府京田辺市のアメダス観測所で9月5日に観測された同月の国内観測史上最高気温39.9度の記録を取り消すと発表した。気温計につる草が巻き付き、気温が実際より高くなっていたと判断した。
同庁は、京田辺市のアメダス観測所と同観測所から約2.1キロ離れた同市消防本部で観測された7〜9月上旬の日最高気温を比較。8月25日からつる草を刈った9月6日まで、アメダス観測所の気温が平均1.68度高い状態だったことが分かった。同庁はこの期間の気温は実際より高く計測されていたと判断し、この間の記録を取り消すことにした。統計から削除され、参考値として取り扱われる。
このため、9月の国内最高気温は2000年に観測された埼玉県熊谷市の39.7度が1位に返り咲く。今年の最高気温の記録も7月22日に観測された岐阜県多治見市の39.4度に修正される。
同庁は全国1277カ所の観測所で植物による影響がないかを調べた。その結果、全国12府県にある計15カ所の観測所の雨量計では上部に草がかぶさるなどしていたことが確認された。このうち宮城、茨城、埼玉、京都、岡山、徳島の6カ所では、5月下旬〜9月上旬にかけて最大で約60日程度、雨水が一部入らなくなり、実際より降水量が少なく計測されたとみられる。こちらもそれぞれ記録が取り消される。
同庁観測課の赤枝健治課長は「今後は点検の頻度を増やすなどして再発防止に努めたい」と話している。