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【ペット大好き】

柴田亜美さんと愛犬2匹 健康くれた恩人 お礼に保護活動

伽羅(右)と茶壺と遊ぶ柴田亜美さん。「犬は私の命の恩人です」=東京都内で

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★茶壺(ポメラニアン、オス 13歳)

★伽羅(ロングコートチワワ、メス 5歳)

 漫画家・柴田亜美さんのペットはポメラニアンの茶壺(ちゃつぼ)とロングコートチワワの伽羅(きゃら)。風雅な名前は、柴田さんの母親がたしなむ茶道にちなんだもの。

 茶壺との出会いは十三年前。当時、すでに売れっ子漫画家として超多忙だった柴田さんは、不眠症だった。

 「三十六時間起き続けて、四時間眠るというような生活でしたから、身も心もボロボロの状態でした」

 気分転換のために札幌に行き、たまたま入ったペットの展示販売イベントで出会ったのが茶壺だった。「毛玉のようなかわいさに魅了されました。でもよほどの覚悟がないと飼えないと思って悩みました。そこで翌日、もう一度行ってみて、もし残っていたら家の子に迎えようと思ったのです」

 翌日訪れると、なんと残っているばかりか、販売価格が半額に。早速、柴田さんは茶壺を迎え、北海道から帰宅した。

 「縁とは不思議なものですね。子どものときから実家ではマルチーズを飼っていたので、ポメラニアンという犬種は考えたこともありませんでした。予想を超えて、やんちゃで、やんちゃで。家に戻るやいなや部屋中をめちゃめちゃにされました」

 茶壺の散らかした部屋の後片付けにひたすら追われる柴田さん。しかし…。

 「一日中、肉体労働をしていたわけですから、その夜はどっと疲れ、深い眠りに落ちました。気がつくと、茶壺のいたずらの後始末のおかげで、長年にわたる不眠症が改善されていたのです」

 しかも、今までは仕事柄、外出する時間も少なく、食事もほとんど店屋物で済ませていたのに、生活習慣が大幅に変わった。

 「どんなに忙しくても毎日必ず散歩をします。朝早く起きて、規則正しい生活をするようになりました。それに茶壺の健康のことを考えて手作り食を作るようになったら、自分の食事にも気をつけるようになりました」

 それから八年後、海外に連れて行かれる予定だったチワワの子が急に同行できなくなり、紹介を受けた柴田さんが飼うことに。それがロングコートチワワの伽羅だ。さらに三年前からは、以前から関心があった保護犬(飼育放棄などで施設に収容された犬)の一時預かりボランティア活動を始めた。今までに十匹の犬の幸せ探しの手伝いをしてきた。

 「今はすっかり頑固になって、わがままに磨きがかかっていますが、すべては茶壺との出会いがきっかけ。私もこんなに元気になれたのですから、犬は命の恩人。感謝の気持ちを、犬の保護活動でお返ししたいと思っています」

 柴田さんの視線の先には、茶壺と伽羅がおなかを上にしたまま、気持ちよさそうに眠っていた。

 (文・宮西ナオ子、写真・高嶋ちぐさ)

 しばた・あみ 長崎県出身。武蔵野美術短期大卒業。代表作に「南国少年パプワくん」「カミヨミ」(スクウェア・エニックス)、漫画エッセー「ほごけん」など。ブログで「漫画家の犬たち」を連載中。

 

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