政府は12日夕に開いた産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、成長戦略をとりまとめた。戦略では政策ごろに達成すべき成果目標を定め、「(目標の達成に向けて)『常に進化していく成長戦略』を展開していく」と強調、追加施策も機動的に導入していく考えを示した。また、企業支援として、素案にはなかった「思い切った投資減税で法人負担を軽減する」との表現が盛り込まれた。政府は14日に、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」とともに成長戦略を閣議決定する。
成長戦略最終案の概要は以下の通り。
▽日本産業再興
・首相主導の「国家戦略特区」を創設
・設備投資は3年間でリーマン・ショック前の水準である年約70兆円に回復(2012年度は年約63兆円)
・開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率と廃業率が米国、英国レベルの10%台(現状4.5%)目指す
・電力システム改革を進める。電力の広域系統運用の拡大、小売り全面自由化、送配電部門の中立性の一層の確保を遅くとも20年メドに完了
・原子力発電所は、原子力規制委員会により規制基準に適合すると認められた場合、再稼働を進める
・今後5年で失業期間6カ月以上の者を2割減少させ、11年時点で7.4%だった一般労働者の転入職率9%を目指す
・20年に現状68%の女性就業率(25~44歳)を73%に
・13年度から5年間、待機児童解消加速化プランを展開。17年度末までに約40万人分の保育の受け皿を新規に確保
・20年までに黒字中小企業を70万社から140万社に増やす
・中小企業は今後5年間で新たに1万社の海外展開を実現
・社会資本整備では民間の力を活用するPPP(官民パートナーシップ)やPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の事業規模を今後10年で12兆円(現状4.1兆円)に拡大
▽戦略市場創造
・保険診療と保険外の先進医療を幅広く併用できるようにするため、新たに外部機関等による専門評価体制を創設。評価の迅速化・効率化を図る「最先端医療迅速評価制度(仮称)」の推進で先進医療の対象範囲を大幅に拡大する。秋をメドに抗がん剤から開始。
・一般用医薬品のインターネット販売を認める
・今後10年間で農業、農村全体の所得を倍増させる戦略を策定し実行
・20年に農林水産物、食品の輸出額を1兆円(現状約4500億円)に
・今後10年間でコメの生産コストを現状比4割削減
・今後10年間で農業の法人経営体数を10年比約4倍の5万法人に
・13年に訪日外国人旅行者1000万人、30年に3000万人超目指す
▽国際展開戦略
・20年に約30兆円(現状約10兆円)のインフラ輸出を実現
・20年の対内直接投資残高を35兆円へ倍増(12年末は17.8兆円)目指す
・18年までに貿易の自由貿易協定(FTA)比率70%(現状19%)を目指す
・20年までに中堅、中小企業の輸出額は10年比2倍を目指す
・18年までに現在63億円の放送コンテンツ関連の海外市場売上高を約3倍に増加
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
安倍晋三
日経平均(円) | 13,289.32 | -28.30 | 12日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 15,198.20 | +76.18 | 12日 9:41 |
英FTSE100 | 6,339.90 | -0.18 | 12日 14:41 |
ドル/円 | 96.39 - .40 | -1.78円高 | 12日 22:36 |
ユーロ/円 | 128.22 - .26 | -2.04円高 | 12日 22:36 |
長期金利(%) | 0.870 | ±0.000 | 12日 17:42 |
NY原油(ドル) | 95.38 | -0.39 | 11日 終値 |
各種サービスの説明をご覧ください。