年間293億円! 手厚い外国人留学生への支援 日本の若者にもっと投資せよ
WEDGE 5月13日(月)12時11分配信
■優秀な留学生の多くは、自国に帰ってしまう
Nさんは、日本もそろそろ考えた方がいい時期ではないかと付け加えた。そして、そもそもなぜ、日本政府が国をあげてまで外国人留学生を30万人に増やそうとするのかわからないと言う。その理由は、本当に優秀な中国人たちは、留学後は自国に帰るからというもの。彼女の知っている人たちの中でも、8割から9割は既に中国に帰っている。高校時代に20数名いた留学生のうち、現在日本に残っているのは、わずか2人程。
日本が税金で支援している留学生の中で、日本に残りたくない人は、日本の生活に馴染めない、習慣が合わない、仕事が見つからないといった理由から、結局のところ、中国に帰ってしまう。そういった彼らに、日本の税金を使って面倒見るのは如何なものかと、中国人本人が言うのだから、確かに税金の使い方について日本人も考えた方がいい。
その中でもNさんのように10年以上も日本に残る女性は、何が違うのだろうかと尋ねてみた。すると、日本が好きで日本で生活したいということと、夫が日本人だからという返答が返ってきた。「日本が好きでなければ、日本人と結婚しませんから、日本が好きだということが前提です」と強調した。その他には、日本で生活をしたい。日本で仕事をするほうが、中国に帰るよりはいいので、もう少し、日本で経験を積んでから中国に帰ろうという考えもある様子だ。優秀なジャーナリストのNさん。メディアの世界で日本と中国を結ぶ仕事ができることを嬉しく思っていると話していた。しかし、Nさんのような日中の懸け橋となるような仕事に就く外国人のケースはあまり多いようには思えない。果たしてこのまま日本は税金をどんどん外国人留学生に使うだけでよいのだろうか。
■中国人と韓国人が圧倒的に多い
前出のNさんによると、ここ最近は、中国人も裕福になった人たちは欧米に留学するようになったり、また、中国で頑張っていれば条件のいい仕事がみつかることもあるという。しかし一方で、前出のように日本の外国人留学生の80%近くが、中国人と韓国人だ。留学生の国籍が大きな偏りがあるのは明らかに問題である。いい意味でも悪い意味でも、これから日本と競合関係になる可能性が高いといえるわけで、自国の若者を大切にできない日本は、このままいけばいずれ滅びてしまうかもしれない。愛する故郷を想うからこそ、真剣に考えたい。中国人の友人でさえ、10代、20代の日本人は貧しいのだから、若い日本人にお金を出して教育をしたほうがいいと言うくらいだ。
アジアは中国以外の国々もこれからどんどん豊かになっていく。むしろ、今まで成長してきた日本がどうなっていくのか、アジアも注目しているのだとアジア系の友人は私に話すし、日本の優秀な人材がどんどん海外に流出していることも心配だと話している。
日本が優秀な人材を確保するには、古い日本のやりかたに固執せず、未来思考に変わることも大切だと言う外国人や帰国子女の友人たちに、私も同意する。日本政府は、国益と口で言っているだけに過ぎない。本当に国益というのならば、もっと現場に出ていって、これらの声をきちんと拾いあげて、時代のニーズに合わせた予算編成をしてほしいものだ。
最終更新:5月23日(木)13時50分
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