
産業能率大学客員教授 西野嘉之
慶応義塾大学大学院博士課程理工学研究科修了。07年に企業価値検索サービス『Ullet(ユーレット)』を開発。現在は産業能率大学の客員教授として教鞭をとるとともに、新聞・雑誌などで執筆活動を行うなど、多方面で活躍中。

ユーレットとは?
上場企業約4000社の決算書(財務諸表)や関連ニュース、大株主などの情報を、ワンクリックで表示。各企業の財務データをビジュアル的に把握できる、無料のサービスだ。
東京証券取引所が主催する、株式投資に興味を持ってもらうためのアイデアを自由に表現するコンテスト「ソーシャルかぶコン2013」のサイトに、Dr.西野の動画が公開中! くわしくはこちら
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老舗企業「養命酒」のチャレンジ
テレビを見ていると、吉本の女性の芸人さんが並んで何かを飲んでいるCMが流れた。養命酒が新発売した美容系飲料のCMだった。記事を探してみると『養命酒、「食べる前のうるる酢」で女芸人の女子会乱入プレゼント』とあり、さらにFacebookと連動した企画もあるという。
「養命酒」と聞くと、薬用とか栄養ドリンクのイメージが強い。また、認知度も高く、昔からある薬酒の老舗というイメージもある。そんな、養命酒が、「美容系飲料」の「食べる前のうるる酢」という商品を出し、インターネットのFacebookと連動した企画をするのは、今までのイメージとは全く異なるのではないだろうか?
老舗が新しいことをするとき、「今までの商品イメージは崩れないか?」「本当にやる必要があるのか?」「今のままでも良いのではないだろうか?」などとあれこれ考えてしまい、なかなか新しいことをする「第一歩」が踏み出せない。今回、「美容系飲料」を発売したと聞いて驚いた。なぜなら、「ダイエット飲料」ではなく、「美容系飲料」というジャンルであることと、マルチメディアを使った広告で戦略的にキャンペーンを行っているからである。今回、「養命酒」は明らかに今までと違ったイメージを打ち出しており、栄養ドリングなどはよく飲んでいて、美容にも気をつけているが、今まで「養命酒」を敬遠していたユーザを意識している商品だと思う。
最新号のメルマガでは、なぜ養命酒は新しいことにチャレンジするのかを分析している。
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