2011年から昨季まで使用されていた統一球【拡大】
下田邦夫事務局長は記者団に反発力が基準よりも低い球があり「規定の反発係数の範囲内に収めるため」と説明したが、実態として昨季よりも飛ぶ球を使用していた事実をファンや選手に公表していなかったことになる。公表しなかった理由について下田事務局長は「知らせて混乱を招いてはいけないと思ったが、知らせないことで混乱を招いたと言われればそうかもしれない」と釈明した。
下田事務局長によると、反発係数には幅があり、昨年までの検査で下限の基準よりも低い球が目立っていたため、製造しているミズノ社に昨夏に修正を指示したという。今季開幕から新球を使用していた。
NPBはミズノ社に対して、統一球に関する問い合わせには「全く変わっていない」と答えるよう指示していたという。ミズノ社広報宣伝部では「現段階ではお答えできることはありません」とコメントした。
公式球の扱いはNPBに一任されていたため、12球団には報告せず、加藤良三コミッショナーと相談しながら対応してきたという。
プロ野球では今季、過去2年に比べて本塁打数が増加しており、選手からも疑問の声が上がっていた。現在の本塁打数を単純に当てはめると12球団で年間1297本塁打となるペースで、これは昨季の881本から47%も増える計算だ。(共同)