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ロタウイルス182人発症 石垣島の19保育施設2013年6月12日 
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 県福祉保健部健康増進課は11日、石垣島で、感染性胃腸炎の一つ、ロタウイルスを原因とする集団感染が5月に起き、19の保育施設で、0歳〜6歳の乳幼児182人(うち職員1人)が発症したと発表した。3歳女児と4歳児(性別不明)が急性脳炎を発症、2人を含む20人が入院したが、全員快方に向かっている。同課担当者によると、県内でこれだけ大規模なロタウイルスの集団感染が起きるのは初めて。抵抗力の弱い乳幼児が感染すると重症化する場合もあり、県は感染経路の究明とともに、感染拡大防止に向けた注意を喚起している。
 健康増進課のまとめによると、患者発生期間は5月1日から31日ごろまで。同課は5月31日、石垣島の3保育施設で乳幼児ら62人(うち職員1人)がロタウイルスに集団感染した見込みと発表していた。その後、八重山保健所が島内40の全保育施設に聞き取り調査をし、別の16施設での集団感染が判明した。182人のうち58人の便からロタウイルスが検出された。
 ロタウイルスは乳幼児に感染しやすい。同課は子どもの便や嘔吐(おうと)物の処理の際は、次亜塩素酸(漂白剤など)による消毒を呼び掛けている。予防や感染拡大防止策について、八重山保健所と石垣市は、管内の保育施設を対象に、13日午後7時から、石垣市健康福祉センターで衛生講習会を開く。
 感染者が10人以上の施設は、19カ所中7カ所。多い所は29人だった。石垣島以外で目立った感染性胃腸炎の流行はないが、八重山保健所では第20週(5月13日―19日)に患者が21人(定点医療機関当たり)と警報基準を超えた。県内の過去のロタウイルス感染は多くても月に15人程度で、集団感染はほとんど起きていないという。県内の流行期は1月から6月にかけてだが、全国的には冬場に流行する。

<用語>ロタウイルス
 感染性胃腸炎の一つ。便の中に排せつされたウイルスが口から入り感染する。抵抗力の弱い乳幼児がかかりやすく、症状は突然の嘔吐(おうと)や発熱、下痢(米のとぎ汁状の白っぽい便)などで、潜伏期間は1〜3日。ウイルスが少量(10〜100グラム)でも、うつることから、極めて強い感染力を持つ。生後4カ月〜2歳の乳児が感染すると、重い下痢による脱水や、脳炎、脳症などの重症を引き起こすこともある。大人はかかっても軽症の場合が多い。


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