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【大リーグ】

岩隈 7イニングを4安打自責0 今季7勝目で、あるぞ球宴前2桁勝利

2013年6月12日 紙面から

◇マリナーズ3−2アストロズ

 【シアトル穐村賢】あるぞ!! 球宴前2桁勝−。マリナーズの岩隈久志投手(32)は10日(日本時間11日)、地元でのアストロズ戦で7イニングを4安打1失点(自責0)で今季7勝目(1敗)を挙げた。3回に失点し、長谷川滋利氏(元マリナーズなど)が持つ、日本人大リーガーの連続無失点記録(28イニング2/3)の更新こそならなかったが、相変わらずの安定感でチームの連敗を止めるともに、自身の連勝を5に伸ばした。昨季はシーズン途中からの先発転向で9勝止まりだったが、球宴前の前半戦だけで自身初&最多の2桁勝利到達が濃厚となってきた。

 1点リードの7回1死一、三塁。一つ間違えればせっかく手にした勝利投手の権利も手放さなければならない、この日最大のピンチで、普段は感情を表に出さない男が気迫を前面に出した。

 打席には8番ドミンゲス。カウント1−1から、岩隈が捕手のサインに首を振って自ら選んだ勝負球は内角へ食い込むツーシームだった。「ゲッツー(併殺打)が欲しいと思ってた。外よりもインコース勝負でいきたいなというふうに考えた結果、それがはまった。思い通りのゲッツーが取れた」。窮屈なスイングで計算通りの二ゴロ併殺に打ち取ると、右腕は何度も右手でグラブをたたき、してやったりの表情を浮かべた。

 持ち味は“精密機械”とも称される制球力だが、この日は球威でも押した。6回、自らの暴投も重なって招いた2死三塁では4番J・マルティネスに直球勝負を挑み、最後はこの日最速94マイルの外角直球で見逃し三振に打ち取った。「タイミングが合っていないのが分かった。自信を持っていった」(岩隈)と相手の主砲を見下ろしていた。

 長谷川氏が持つ日本人大リーガーの連続無失点記録更新は3回、不運な形で消えた。5月26日のレンジャーズ戦途中から前回登板まで21イニング2/3連続で無失点だったが、ライアン遊撃手の失策などで1死一、三塁とすると、アルテューベの左犠飛で先制を許した。ただ、本人は「あんまりそういうの(記録)は気にしない。自分のピッチングができているので結果としては良かった」と“どこ吹く風”だった。

 防御率1・79は、ア・リーグトップのバックホルツの同1・71に再び肉薄。自身も5連勝を飾り、昨季かなわなかった2桁勝利も、球宴前に達成する可能性が大きくなった。「(勝利数うんぬんより)しっかりクオリティースタート(6イニング以上自責3以下)をすることが大事。それをしっかりやっていければいい」。2年目のジンクスとは無縁。岩隈の“細うで繁盛記”が続く。

 

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