湯河原に面白い政治家がいる。元宣教師の彼は、汚れた政治の世界に我慢ならない。腐敗した政治と社会を浄化したい。破壊された自然環境を回復するために役に立ちたい。エゴ社会をエコ社会に変えたい。そのような使命を持つツルネンが貴方に毎週新鮮なメッセージを送る。
ツルネンメルマガNo:477「家庭の食品循環資源の再生利用を法制化」
発行日:3/1
ツルネンメルマガNo:477 「家庭の食品循環資源の再生利用を法制化」 8年前から念願していた「法改正案」の新たな立法作業がようやく動き出した。できれば、今国会中に超党派で議員立法案を提出したいと考えている。 参議院議員になって二年目の2003年に、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案」を民主党から提出したが、当時民主党は野党だったため廃案になった。その時の立法作業は党内に作られたプロジェクトチームで進められたが、実際には法制局と協議をしながら、私と政策秘書の石井茂さんが共にまとめた法案であった。 現在も家庭から排出される生ごみの95%が相変わらず焼却されている。資源の大変な無駄である。生ごみの堆肥化を実行しているNPOなどが全国には多くあるが、実際には彼らの活動によるリサイクルも限定的だ。自発的に動き出した地方自治体もあるが、その数もまだ少ない。 私は、再生利用の法制化が不可欠であると最初から考えていた。さらに、私が自分の使命だと思っているのが、とくに国政でこれまで推進されて来なかった問題への取り組みだ。有機農業の推進はそのもっとも重要なミッションと考えている。 家庭からの生ごみの立法化が再び動きだしたのは、2月23日に行われた「有機農業推進議員連盟」の勉強会からだ。8年前に参議院に提出された民主党案を「たたき台」に、再提出の検討を始めた。議員連盟の役員会ではすでに昨年その方針が決まっていたが、具体的な作業がようやく始まることとなった。超党派の議員連盟なので法案の内容がまとまれば、そのあとすぐに提出が可能である。 「食品リサイクル法」はすでに平成13年に施行されているが、家庭から出る生ごみはその対象ではない。法案の対象になっているのは食品関連事業者によるリサイクルのみである。 平成19年の法改正のときも家庭生ごみは対象に加えられなかった。「再生利用が容易でない」という理由で法制化されなかったのだ。たとえば、分別収集が困難であることや、異物が混じることもあり、堆肥化はうまくいかないという指摘だった。しかし実際にこれらの問題を克服して堆肥化をうまく行っている事例もある。 ここで民主党案のポイントを簡単に紹介したい。 以下の部分が食品リサイクル法の改正により新たに追加される部分である: 1.市町村の策定する基準に従い、家庭では生ごみを一般のごみと分別して保管・排出 2.市町村等が生ごみを収集・運搬 3.堆肥工場等において地域の実情に応じてリサイクル 4.住民等に、堆肥、飼料等を販売 (尚、飼料等の「等」には生ごみのエネルギー源としての利用も含む) 民主党案が当時の食品循環資源の再生利用状況において優れた案であったと今も自信を持って考えている。しかし、その後食品リサイクルの新たな関連法もできたし、それらの法体系にも家庭生ごみを対象にする一定の処置が講じられている。従って、それらの新たな措置を今回の法案修正にどのように加えるかを検討する必要がある。そのために、先日の勉強会でも法制局の担当者から説明を受け、あわせて環境省や農林水産省の陪席も依頼した。 法制局からは主に以下の点が指摘された。 ◆平成21年施行された「バイオマス活用推進基本法」関係 この法律に基づく基本計画においては、食品廃棄物やその再生利用が紀述されている。つまり法律上家庭からの生ごみも含まれている。しかし現状ではこの法律の下、家庭生ごみは飼料や肥料等としての利用はほとんどないし、今後利用の可能性も低い。その理由は、家庭生ごみは成分や性状が一定しない、異物混入の可能性などがあげられている。 ◆再生利用における市町村の関わりについて 法制局の指摘は、以下のとおり。 「平成13年の食品リサイクル法施行後の食品関連事業者による再生利用の状況を踏まえ、平成19年の法改正において、食品関連事業者や農林漁業者等による食品循環資源に係るリサイクルループの構築、廃棄物処理法等の特例措置の内容の見直し等、食品関連事業者の再生利用に係る取組の円滑化が図られたところである。 ↓ このような現状の下、本改正案においては、市町村は、(事業系の食品廃棄物を含む)一般廃棄物に該当する食品循環資源を再生利用することとなっているところ、これは、上記の食品関連事業者の再生利用に係る取組に影響を及ぼすのではないかと懸念されるところであり、再生利用における市町村の関わりについては、慎重な検討が必要となるのではないか。」 法制局が指摘しているように、確かに法案の内容に問題もあり、修正は必要ではあるが、法律の必要性が無くなったわけではない。事実、重要な資源である家庭生ごみは、その95%が依然として焼却されているのである。 有り難いことに、今回の勉強会では副会長の宮越光寛衆議院議員(自民党)からも「私もこの法律案の提出に協力する。」との約束を得た。共産党の紙智子参議院議員も勉強会には常に積極的に参加している。つまり我々の議員連盟では党利党略の影響は感じられない。 新たな動きのある時にまたメルマガ読者には報告させて頂く。 ツルネン マルテイ ツルネンのホームページ |
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