欧州債:総じて安い、日銀政策据え置きやドラギ総裁発言受け
6月11日(ブルームバーグ):11日の欧州債相場は総じて安い。日本銀行がこの日の政策決定会合で金融緩和拡大を打ち出さなかったことから、主要な中央銀行が債券購入を増やすとの観測が後退した。
スペイン10年債利回り は2カ月ぶり高水準となったほか、ポルトガルとアイルランドの国債も値下がり。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は10日にドイツのテレビ局に対し、債券購入の実施は価格がファンダメンタルズから逸脱した場合に限ると語った。ドイツ10年債利回りは一時、約3カ月ぶりの高水準に達した。ドイツ連邦憲法裁判所ではこの日、ECBの国債購入プログラムに関する審理が始まった。
コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ミヒャエル・ライスター氏(ロンドン在勤)は「極めて低い資金調達コストは不変ではないと認識されつつあり、こうした見方がユーロ圏債券市場に浸透している」と発言。「ボラティリティが引き続き高いのに加え、日銀が実際に何を達成するのかという結論はまだだ。欧州債には圧力がかかっており、見通しは悪そうだ」と続けた。
ロンドン時間午後4時14分現在、スペイン10年債 利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.66%。一時は4.76%と、4月9日以来の高水準となった。同国債(表面利率5.4%、2023年1月償還)価格は0.525下げ105.595。
同年限のイタリア国債利回りも7bp上げ4.36%。一時は18bp上昇し4.47%となった。
ドイツ10年債 利回りは1.60%で、前日からほぼ変わらず。2月20日以来で最高の1.66%まで上昇する場面もあった。
英国債は4営業日続落。10年債利回りは約4カ月で最高となった。この日の37億5000万ポンド相当の10年債入札では、応札倍率が前回を下回った。2年債も値下がりし、利回りは昨年4月以来初めて0.5%を超えた。4月の英鉱工業生産が予想に反して増加したことが要因。
ロンドン時間午後5時現在、既発の英10年債(表面利率1.75%、2022年9月償還)利回りは3bp上昇の2.17%。一時は2月14日以来最高の2.24%に達した。価格は0.25下げて96.47。2年債利回り は4bp上昇の0.47%。昨年3月以来で最も高い0.51%を付ける場面もあった。
原題:European Bonds Slide After BOJ, Draghi Damp Central-BankBets(抜粋)原題:Gilt Yields Climb to Four-Month High as Demand Falls atAuction(抜粋)
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更新日時: 2013/06/12 01:35 JST