行列の出来るバス輸送は夢のよう、でも乗客は不満タラタラ・・・(苦笑)。 5月大型連休明け、ツイッター上でこんなことを呟きました。 『地域公共交通の必要性を特に感じる時は、年に数回ある。武蔵野線を 利用した時と、6月8日だ(因みに今年の6月8日は土曜日)』 武蔵野線〜野田間はともかく、理由は後ほど。 ■ イベント開催時の集客施設と乗客を捌く技術 人が大勢集まる催事場って聞くと、ホール、公園、スポーツ競技場、各種イ ベント施設、学校、ショッピングセンターなどがあります。 これらの施設が駅から近い場所にあればいいのですが、残念ながら全て がそうではありません。 遠い所になると、最寄駅(若しくは空港)から目的地までの移動手段(イグ レス交通)として、クルマ、バス、タクシ-、レンタカーが大活躍することにな ります(裏技はレンタサイクル?)。 ここでは、自身の経験(サッカー観戦)から考えてみます。 私はアルビレックス新潟の一サポーターですが、ホーム新潟に、首都圏ア ウェイに観戦しに出かけることがあります(ホーム新潟ビックスワンは、新 潟駅から離れていますので、駅南口からシャトルバスを利用することにな ります)。 サッカー観戦される方なら、ご理解いただけると思いますが、観戦するスタ ジアムによって、駅から近い(目の前という場所もあります)スタジアムから、 駅からやや離れたスタジアム、バス若しくはクルマでしか行けないスタジア ムまであります。 その際、大量移動する来場者に対応し、大活躍するのがバスです。 ホームの球団からバス事業者に対し、運行要請があれば、観客の動向に 応じた運行計画を立て、実際に走らせることになりますが、事業者によって 実に様々な対応があるので、利用客(私)からするととても興味深いものが あります。 川崎フロンターレvsアルビレックス新潟戦におけるバス輸送と行列 2013年5月25日に観戦した際に通りがかったので、パチリ! 運行は川崎市バス、東急バスが担っていました。 具体的には、 ○ 乗車時に予め片道、往復の運賃を徴収する この方法は多くの事業者が行っている方法です。もっとも現在ではICカー ドが普及してきていますので、支払い時の時間がかからなくなったというこ ともあり、このやり方が少なくなっているということもあるようです。ただ、 『いつもニコニコ現金払い』というスタンスの方もおられることから、運賃収 集係の係員(社員だったり、バイトだったりします)が立っていることがあり ます。 ○ グループバス事業者の応援を頼む これは、浦和レッズのホーム戦で見られる光景です。 浦和、岩槻方面からの輸送は国際興業が受託者として、通常便に加えて 臨時輸送にも徹しますが、北越谷駅からは東武グループ事業者(東武バ スセントラル)に加え、朝日バスの加須や太田あたりの営業所から応援に 駆けつけることもあります(それにしても運行区域の関係からなのか、 なぜか茨急は応援に呼ばれません)。 ○ 列を2列に分ける ただ単に一列に並ばせ、ピストン輸送でドガっとバスに乗せるというパター ンが多く見られますが、急いでいる方とのんびりでもいいやという人に分け て輸送を捌くという事業者も多いです。 そういえば。 ある事業者では、座りたい人と立ちたい人それぞれに列を作り、座りたい 人からまずバスに乗せ、席を埋めてからバスを少し動かし、立ちたい人を 乗せるというやり方を採用していました。 これには驚きました。今でもあの 事業者は実施しているのでしょうか。 サッカーだけではないでしょうが、ある目的地に行くのに、各自バラバラで 向かうのではなく、輸送力のある大きな乗り物(鉄道、バス)を活用すること で、スタジアム周辺の渋滞緩和につなげたり、バス事業者なら、利益確保 のために、さらにスタジアム指定管理者及び球団としては、安全に運営す るための手段として、必要不可欠だといえます。 因みに。バスではありませんが、阪神電鉄甲子園駅では、2丁ハンドル (運転手と車掌側それぞれにハンドルがある)により、大勢が来場する甲 子園の観客を捌くことが知られています。 ■ ツイッターで呟いた真意 ここで本題。 ツイッターで呟いたのは、スポーツ観戦における観客輸送に関する球団や 事業者に対応について呟いたものではなく、ある施設に人が集まる際に公 共交通を活用する方策についてあまり考えず、逆に地域に対し、迷惑を掛 けている団体及びその構成員の人たちに向かって呆れていることを呟い たものです。 市内にある宗教団体にとって毎年特別な日になると(+その日が週末と重 なると)、市内一部の道路事情が途端に悪くなり、大変なことになってしま います(そのうちの1日が6月8日という日です)。 当日、ラジオから流れる交通情報でも、『国道16号線野田市下三ヶ尾では、 “イベント”の関係で、内回り柏方面、外回り春日部方面からともに○kmの 渋滞・・・』とアナウンスされるほどです(苦笑)。 地元の方なら、ご存知だと思います。 かつてこんなやり取りが市議会でありました(平成20(2008)年7月23日 議事録一部要約) 【市議】 宗教法人が主催する行事における交通渋滞対策について。 先月6月8日に宗教法人霊波之光の行事があった。流山街道など通常では 考えられない交通渋滞があり、まめバスがなかなか来なかったので困った、 もし災害や急病があった時に消防車や救急車などの緊急車両が通れるの かとても不安だと市民の声が寄せられた。行事の前には歩道に迂回するよ うにと看板が出ているようだし、関係者にはお手紙を出ているようだが、予 想を超えた人数のため今回のような交通渋滞を引き起こしたと聞いている。 当日交通渋滞のあった時間には、まめバスはどの程度遅れがあったのか。 また、市民からの問い合わせや苦情はあったのか。 同じく消防車や救急車など緊急車両の出動はそれぞれ何台あったのか、 通常よりも遅れがどの位あったか。多くの市民がこれだけの迷惑を蒙った。 市からこの宗教法人に対してどのような指導をしたのか、今後またこのよう なことがある時の市の具体的な対策も併せて問う。 《企画財政部長》 まめバスの関係については、南ルートの左回りと右回り で影響を受けた。左回りでは、老人福祉センター9時発及び10時35分発 が25分から80分の遅れが生じ、後続の12時30分発が欠便となった。 13時55分発からは正常運転になった。右回りでは、老人福祉センター9時 発及び10時35分発が40分から130分遅れが生じ、後続の12時30分発 がやはり欠便となり、その後13時55分発、15時30分発、17時発でも20 分から70分の遅れが発生。 当日は日曜日であったことから、市役所への苦情の関係は確認できなかっ たが、警察署には渋滞という通報が12件、それから運行を委託している茨 急には16件の苦情、問い合わせ等があった。まめバスの運行開始以来、 これ程の遅れはなく、今までの大祭の開催日でも遅れは十分から20分程 度ということから、今回宗教法人に渋滞の原因を確認したところ、信者の方 には普段より大祭の時は渋滞が起こらないよう周辺の道路に進入禁止す る旨の周知をしており、このようなことは起こらなかったが、毎年6月8日は 御聖旅祭といって大祭の中で一番信者の集まる日であり、この日が日曜日 と重なって一般の方も非常に多くて予想以上の人出になった。 今後の対策を立てるよう申し入れをしたところ、今回の渋滞は警察にも指導 を受け深く反省をしており、今後このようなことが起こらないよう対応すると の回答を得た(以下略)。 《消防長》 6月8日の緊急車の出動については、午後1時頃、南分署救急 隊が宗教法人付近の路上に救急出動している。現場までの走行距離は 2.1kmあり、5分で現場到着した。 この5分というのは平均的な所要時間。 やり取り略。 【市議】 当日午前中が一番酷い渋滞だったが、毎年この6月8日というの は大祭があるので、今後もやはり同じようなことが起きる可能性が強い。 それで、具体的に今後渋滞が起きないように宗教法人に対して指導する必 要があるが、どんな対策をすると宗教法人側は言っているのか、それで市 としてもどういった指導をしたのかというところをもう一度伺う。 《企画財政部長》 まめバス関係における対応だが、先程申し上げたように、 信者の方には案内を出しており、16号から入るようにというようなことでやっ ていたが、今回一般の方も多かったということで、非常に日曜日と重なって 混雑したということで、霊波之光の方に入ってくる道路に案内の人が立って いたし、それから進入禁止の表示なんかもしてやっていたということで、今 回稀に見る混雑だったということなので、今後についてはこういうことが起こ らないようにということで警察からも指導を受けているので、その辺は十分 対応してくれるという風に考えている。また、これ以外にも幾つかの大祭が 予定されているので、その辺についても十分混雑が起こらないようにという ことで私どもでも申し入れている。 【市議】 市民の方から苦情があった時に私も消防署に話を伺いに行った が、やはり対策として、緊急車両が今回は1時だったから、5分で通常通り の時間で着いたと思うが、これは毎年6月8日に行われて、また休日にぶ つかる時もきっとあると思う。そういった場合に午前中に緊急車両とかが出 るようなことになった場合は、まめバスが欠便が出る位渋滞した訳だから、 緊急車両も多分通れなくなってしまう可能性が高いのではないかと思うが、 消防署としてそこら辺はどう考えているのか再度伺う。 《市長》 実は清水公園の桜まつり等の時に迂回ルートというのを作ってい る。宗教法人がやる行事だから、そういうことをやること自体がいいのかど うかという議論は当然出てくると思っているが、対応策について先程答弁 をさせていただいている通り、警察の指導もあり、宗教法人側でそれなりの 対応をとってくると思うが、事実上そういう形で交通が難しくなってくるような ことがあった場合には、やはり事前にお知らせをした形の中での迂回ルート を作っていかないといけないということにもならざるを得ないだろうなと、そん な風に思っている。 ただ、そこまでの結論を出すのは、我々がやっているというか、観光協会も 含めてだが、やっている行事とは違う宗教法人の行事なので、そこについて 果たしてそういうことをやっていいのか、もしくは逆に言えば、宗教法人に ついて規制的なことをかけるということは、これはまた憲法論上の問題にも なりかねないので、そこら辺は警察の方でやってもらわないと、我々がやる と間違ってしまう可能性があるので、警察にしっかりやってもらう以外にはな いと、そんなふうに考えている。 救急自動車の場合には、交通止めになっても、これは長い時間、例えば16 号が交通止めになっておっても、そういう形の中であってもある程度の時間 の中で、それぞれの運転者のマナーに沿って対応しながら何とかたどり着 けるような形をとっておる訳で。同じような形をとらざるを得ないと、事実上 混んでいる場合には宗教法人側が対応したけれども、結果的にそうなって しまったというケースの場合には、まさに救急自動車としての機能を十分 発揮してもらう中で車を運転している一般の皆さん方のマナーに期待する 以外にはないという形にならざるを得ないという状況であろうかと思う。 いずれにしても、警察の規制、それから宗教団体がそれに対して自主規制 としてどういう風にしていくか、そこら辺をポイントにしながら、そういう形をとっ た中で果たしてどうなるかということを考えた上で、事前に難しい問題、例え ばそれでも恐らくどうしようもなくなるのではないかという場合には迂回ルー ト等についての検討もせざるを得ないという形になるのではないだろうかな と思う。一般の公共の道路について交通規制をどれだけかけていけるかと いう話のデリケートな問題が入る。 特にそれが宗教法人に関わってくるので、そこら辺は警察の方の考え方を 中心として宗教法人と話し合っていただくということがポイントになるのでは ないかと思っている。 ■ 構成員の思考に地域と共生する考えはあるのか? 仮にある人がクルマで目的地に向かった場合でも、電車で向かった場合で も、それが結果的に周辺地域にそういう影響を及ぼしているか、そんなこと を考えて行動している人なんて稀、いやまずいないと思います。それは私も 含めて、です。 基本、誰もが自分優先ですから、迷惑を掛けているなんて夢にも思いませ ん。 これが逆に悪影響を受ける側からすれば(たとえば、なかなか来ないのを 待っているまめバス利用者、救急搬送を依頼している関係者など)、立場が 入れ替わり、不快、迷惑だと考えます。 スタジアムはともかく、宗教信者からすれば、“宗教施設”は自分を高めるた めに訪れる施設であり、信仰に基づく行動となります。、何より宗教の命は “布教”にありますから、その方の言動が注目されることになります。 その行動結果が他人様から見て共感できることであれば、外から見ている 方はいずれはその宗教団体の信者になる(信者でなくても味方になること もある)かもしれないですが、共感できない、反感を買う言動があれば批判 の対象になります)。 今回紹介した事例、本人からすれば、確かに信仰に基づく崇高な行動なの でしょう。しかし、宗教催事が週末と重なってしまった場合、実際問題として 地元周辺に対し、迷惑をかけている事実がありました。 行政側は、立ち入ることが出来ないと言っていますが、なぜ、宗教団体の 催事1つに行政が住民が(まめバスの迂回ルートを設定するなど)遠慮しな ければならないのでしょうか。リーダーの発言は、改善に向けた取り組みを 最初から放棄してしまったと思わせる発言でした。 実は同団体構成員によるクルマでの参拝に対応する手立てが全くないか というとそうではなく、幾つかあると思います。少しばかり提案してみます。 [行政] 宗教活動に規制をかける訳には行かないが、渋滞に規制をかけること なら可能。モビリティ・マネジメントの作成。 南ルートまめバスの停留所を施設周辺に設置し、運河駅傍まで運行区 間を延長する(運河駅と梅郷駅などに参拝客を分散させる)。 臨時便を右、左回りそれぞれに増やす(土日祝の場合)。また団体と話 し合いの場を持つ。 併せて緑ヶ丘公園〜白鳥の池入口間の市道の悪さを改善。 市内の施設にある駐車場台数に応じた公共交通利用推進策を考える。 [宗教団体] 駐車場を減らす。 公共交通利用促進を団体内で打ち出す。 運河駅〜宗教施設正門間の動線を東京理科大、行政側としての野田 市、流山市と協議する(動線たる歩道の確保)。 野田市及び警察、受託者である茨急と協議し、たとえば、6月8日など 団体にとっての重要行事が土日祝の際には、臨時のまめバスを運行す るよう、要請する(土日祝は、新北、新南、中の各ルートは運行されない ので、動かせるまめバスはある)。 [信者] クルマで来てもらうのではなく、電車やまめバスで来ていただく(ただ、 足の悪い信者さんもいることから、その場合はクルマで参拝する対応を 関係者でしていただく。また、運河駅改良工事完成後は同駅がバリアフ リーになることから、積極的に公共交通機関で参拝してもらうようにする)。 なお、これらの方策により、結果的に運河駅を利用する方が増えれば、東 武の利益に繋がり、野田市の長年の課題である野田線の複線化に弾み がつくものと思われます。 =余談= 意外と認識されていないことですが、宗教目的及び宗教団体信者の移動 に伴う鉄道会社の運賃収入は買物やレジャーに伴う運賃収入以上だと聞 いたことがあり、この収入は決して馬鹿に出来ないそうです。 ・・・ 宗教団体(×政治団体、×行政)及び信者による公共交通に対する認識の 不足及び無理解は今に始まったことではないですし、東武野田線駅〜JR 武蔵野線間を結ぶ路線バス開設のために個人的に15年以上も苦しめら れてきていることから、提案してみました(実を言えば、武蔵野線駅からタ クシーを利用して宗教施設へ参拝される方もいるとタクシーの運転手に教 えて貰ったことがあります)。 催事当日の国道16号周辺の渋滞を無くして欲しくない方、緊急搬送、渋滞 により時間がかかってしまっても構わないと思う方がいらっしゃっいましたら、 ぜひ私に批判コメントをお寄せください(但し、宗教論争はお断りします)。 さて、今年の6月8日(土)はどうなりますか。 |
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いつも有意義な情報ありがとうございます。 |
しもうさ信玄(野田市民) 2013/05/30 08:01 |
しもうさ信玄さん、いらっしゃい。団体に対する見方は様々あれど、渋滞コントロールは同団体の責任において対応して欲しいです。また、野田線〜武蔵野線間路線バス新設の取り組みは武蔵野線沿線・八王子に学校を持つ団体を支持母体に持つ政治団体にこそ率先して取り組むべきです。どちらも“人を救う”と主張するのであれば、目の前にある問題を解決して欲しいです。サッカーですが、個人的には熱烈なサポとは思ってないです(もっと熱い方はいますから)。タローズは、バスが三菱というのも理由だと思います。茨急ですが、確かに仰る通りではありますが、実は朝日も貸切はないのです(東武のサイト内より)。貸切用バスがなくても貸切免許があれば路線バスでも対応は可能です(都営、国際興業は好例)。それにしても朝日って一体…? コメントありがとうございました。 |
ブログ管理人(野田市民) 2013/05/30 20:45 |
朝日自動車の貸切事業撤退(杉戸や境車庫)は、世間一般で呼ばれる観光用バス車両での営業を不採算を理由に辞めただけで「一般貸切免許」は返納していないので、乗合車使用での短中距離貸切運行やイベント催事等での臨時運行や東武線など沿線鉄道運転不能時の振替代行運行は現在でも可能です。 |
しもうさ信玄(野田市民) 2013/06/01 06:57 |
しもうさ信玄さん、こんにちは。コメントありがとうございました。またタローズをはじめ、各種情報提供ありがとうございました。ウィキ、拝見しました。そうなると親会社のこちらのサイトhttp://www.tobu.co.jp/bus/ の意味はいったい…? 昔、東武の乗合バスであすなろの里に行った記憶がよみがえりました(笑)。しもうさ信玄さんも東武バスセントラルのバスが玉葉橋を頻繁に渡る姿、違和感に思えましたか?(苦笑)また気軽にお立ち寄りください。 |
ブログ管理人(野田市民) 2013/06/01 08:01 |
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