福岡の2暴力団 解散と抗争終結届け6月11日 15時42分
福岡県の指定暴力団「九州誠道会」が、警察に組織を解散する届けを出し、対立抗争を繰り返していた同じく福岡県の指定暴力団「道仁会」も抗争を終結させると警察に届け出ました。
警察は、本当に解散し抗争が終わるかどうか、慎重に確認することにしています。
道仁会と九州誠道会は、7年前に会長人事を巡って分裂して以降、抗争事件を繰り返していて、死亡した人は14人に上り、去年12月、改正暴力団対策法に基づいて「特定抗争指定暴力団」に指定されました。
関係者によりますと、道仁会と九州誠道会は、1か月ほど前から抗争終結に向けた協議を進めていたということで、11日、双方の暴力団の幹部が福岡県久留米市の警察署を訪れ、九州誠道会が暴力団を解散する届けを、道仁会もこれを受けて抗争終結を宣言する文書を、それぞれ出しました。
しかし、福岡県警察本部は、九州誠道会が5年前にも抗争の終結を宣言したにもかかわらず、その後も事件が続いたことや、改正暴力団対策法の規制逃れではないかという疑いもあることから、本当に解散し抗争が終わるかどうか、慎重に確認することにしています。
6年前には一般の人が犠牲に
福岡県大牟田市に本部を置く「九州誠道会」は、7年前に会長人事を巡って、久留米市に本部を置く「道仁会」から分裂する形で結成されました。
2つの暴力団はそれ以降、福岡や周辺の県で抗争事件を繰り返し、双方の事務所への発砲や幹部の殺害事件など、一連の抗争は47件に上っています。
抗争で死亡した人も14人に上っていて、6年前の平成19年には、佐賀県武雄市の病院に入院していた男性が、九州誠道会の関係者に間違われて拳銃で撃たれて死亡し、一般の人にも犠牲者が出る事態になりました。
この事件のあと、九州誠道会は抗争の終結宣言を出しましたが、実際には抗争は終わらず、数年前から対立が再び激しくなりました。
そして去年12月、改正暴力団対策法に基づいて、九州誠道会と道仁会は、対立抗争で住民に危険を及ぼすおそれのある「特定抗争指定暴力団」に指定されました。
これによって、福岡、熊本、佐賀、それに長崎の4つの県の合わせて57か所の事務所への立ち入りが禁止され、4県の合わせて68の市と町で、対立する組員につきまとったり関係先をうろついたりするだけで逮捕されるようになるなど、暴力団としての組織的な活動が厳しく規制されていました。
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