大阪府警堺署刑事課の元男性警部補(60)=退職=が2010年、事件がらみの注射器12本を紛失したと思い込んで新たに調達し、証拠品として捏造(ねつぞう)していたことがわかった。府警は証拠隠滅容疑で調べている。
府警監察室によると、注射器は堺市堺区で05年6月下旬、拳銃や覚醒剤とともに未使用の状態で自転車の前かごから見つかった。覚醒剤取締法違反容疑は昨年、公訴時効が成立。署は銃刀法違反容疑で捜査を続けている。
捏造の発覚は今年4月下旬。署独自で証拠品の点検をした際、刑事課が証拠品を保管する倉庫で注射器12本が見つかった。証拠品とは関係ない写真のネガなどと段ボール箱に入れられ、棚の奥に置かれていた。この事件の証拠品とすぐに判明したが、別の注射器12本が正規の保管場所にあり、署が歴代の担当者に事情を聴いたところ元警部補が捏造を認めた。
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朝日新聞社会部