2013.6.11 05:04(2/2ページ)

兄頼もし!虎・新井、交流戦Vビンビン感じる

交流戦の優勝に自信を見せた新井。最後の追い込みをかける

交流戦の優勝に自信を見せた新井。最後の追い込みをかける【拡大】

 いま虎が強い。昨季に20もの負け越しを抱え、5位に低迷したチームが生まれ変わろうとしている。何が違うのか。新井の復活だ。敵地でのラスト4試合。勢いに乗るチーム内で交流戦初制覇の雰囲気はあるのか? 5番打者は「うん」と即答した。パのエース撃ちを先導する。

 「(相手がどこでも)変わらないよ。ホームでもビジターでも、関係ない」

 さりげない言葉に自信が漂う。交流戦では11勝8敗1分けの4位タイ。セ・リーグの中ではトップで、首位ソフトバンクとは2差につけている。パの当時2位西武に2連勝した翌7日には和田監督が「狙える位置」と交流戦の優勝を宣言。新井は9日のロッテ戦で成瀬から逆転2ランを放ち、将の予告通りパの首位に連勝して、もっか4連勝中だ。チームの好調とリンクするように安定した成績をマーク。交流戦打率・309、2本塁打、6打点と主軸の役目を果たしている。

 右肩痛の影響で思うような打撃ができなかった1年前。自分に代わってチームを引っ張り、今季の開幕4番に指名された弟・良太がこの日、打撃不振で登録を抹消された。周囲はライバルとして焦点を当てるが「そんな意識はない」と断言する。「自分の感覚を大事にして、それを貫け」。そう助言を送ってきた。いつも兄として弟の活躍を願ってきた。今回のことで良太の分も俺が打つ-とは、考えないだろう。成長する機会になればいい、そう信じている。兄弟が微妙な双曲線を描く中、自分がやれることに集中する。

 11日には北海道へ飛ぶ。12日の先発はエース左腕、吉川だ。ここで勝ち、勢いをつけることができれば4連勝フィニッシュも可能だ。15、16日の楽天2連戦(Kスタ)は初戦に8連勝中のエース・田中が中5日で登板する予定。前回カードの5月28-29日(甲子園)では楽天に連敗を喫した。「2つやられている。しっかりその分、やり返したい」。エースを打ち崩すことができれば、リーグ戦再開後へいい流れになる。

 和田監督は「エース級に対して、チームで戦えている」と手応えを感じている。さらに「マー君にしても2回目。予備知識はある。バッティングコーチの腕の見せ所でもある」と期待を寄せた。

 全体練習が休日だったこの日は、終日休養に努めた。11日は全体練習に参加し、北の大地へ向かう。

 「(残り試合)あと4つでしょ。今まで通りタイガースらしい野球をするだけ」

 勝負弱いとブーイングされた過去の姿はない。交流戦初優勝と、8年ぶりの覇権奪回の使命を背負っている。(山田結軌)

(紙面から)