【杉村和将】東日本大震災の大津波に耐えながら枯死した岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」が3日、復元された。最上部の枝葉が再び取り付けられ、全体の姿が復元された。本来は3月に完了するはずだったが、枝葉と幹をつなぐ角度のミスで、工事をやり直していた。早ければ9日に足場が取り外され、元の姿を取り戻す。
一本松は、高さ約27メートルのうち、20メートルの辺りから枝葉が広がる。最上部に取り付ける枝葉は高さ約7メートル、重さ約900キロ。3日は、正確な角度で取り付けるよう、測量士が3D画像と照合しながら作業した。
夫婦で被災地めぐりをしているという名古屋市の宮田茂さん(75)はこの日、偶然訪れ、「この細い幹でよく持ちこたえましたね。災害を風化させないために一本だけ残ったのかな。そんな気がします」。
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朝日新聞社会部