宮村の支配的性格/取り巻きとの異様な関係
ストーカー事件の真相(28)
宮村の特異な性格
これから宇佐美冤罪事件の構造を明らかにする。(文中敬称略)
その前に、構造の核となる人物のことに触れておく。
むろん、脱会屋・宮村峻のことである。
絵解き記事を書こうとして、こんなことが思い浮かんだ。
<よりファンダメンタルな教会に所属する脱会説得者、新潟の牧師松永、岡山の高山、京都の船田など、あるいは聖書の一字一句に拘泥しない日本基督教団に所属する杉本、清水、故川崎などが、脱会者に、元婚約者を告訴させるようなことをするのだろうか。あるいは脱会者が元婚約者の教会員を告訴しようとしたとき、それを是認することはあるのだろうか・・・>
彼らの人となりを知っているわけではないから断言はできないものの、宮村であったからこそ、宇佐美をストーカー犯に仕立て上げようとしたのではないか。
つまり、宮村が介在していなければ、宇佐美が婚約した相手から告訴されるようなことは起きなかった・・・。
【参考サイト】「哀しみの神 ~はぐれ統一教会員の実体験回顧録~」
したがって、構造の絵解きをするにはどうしても、宮村という人物像に触れておく必要があると思うのだ。
まず、公的な場で明らかにされたことを紹介したい。
直近の4月8日に行われた後藤裁判での証人尋問を引用する。証言者の2人はいずれも、宮村によって脱会説得を受けた人たちである。
最初は原告後藤側の証人になったMK(女性)の尋問(主尋問)である。
反統一教会的価値観
――米本氏による伊藤弁護士のインタビューの中で、宮村の支配を受け続けて依存するタイプと、宮村の支配を嫌がり毛嫌いするようになるタイプの2つに分かれるというふうに、伊藤先生は言ってるんですが、宮村に依存してそこから抜け出せない元信者もいたんですか。
MK います。依存して抜け出せない人たちが取り巻きになるんだと思います。宮村は、今も元信者の取り巻きを連れているようですけど、抜け出せない人たちだと思います。
――では、あなたはなぜそこから抜け出すことができたんですか。
MK 私は、やはり拉致監禁に対するこだわりというか、ずっとそれが引っかかっていたし、それに宮村が提示する反統一教会の価値観というのもあまり受け入れがたかったし、あと何よりも宮村と取り巻きの元信者の人たちの醸し出す雰囲気が好きになれませんでした。
――宮村が提示した反統一教会的価値観というのは、どういうものなんですか。
MK 統一教会では、純潔を守るとか、あとアルコールの制約とかありますけど、宮村は何しろ、もっと自由になって、もっと遊べというふうに言います。ですから、酒、煙草、女、何でもありといった様子でした。
――元信者との間で、どんな雰囲気を醸し出しているんですか。
MK 元信者が宮村依存症に陥っているのをいいことに、彼女たちを操ってる姿が不健全に思えて、まるでカリスマ教祖と取り巻きの女性たちのような感じで、私は非常に嫌悪感を感じました。
――あなたは脱会後のリハビリ中も監禁が解かれなかったということですが、誰が監禁を解くか否かの権限を持っていたんですか。
MK もちろん宮村です。
――あなたの両親が言ってたんじゃないの。
MK ええ、父親があるとき、急に「いつまでここにいるんだろうねえ」という風に言い出して、母がそれをたしなめるように、「そんなこと、宮村さんに全部任せとければいいのよ」という風に言ったわけです。
私、それを聞いてびっくりしたんです。彼らが自分でここにいる理由を知らずに、(管理人:宮村のことを)盲目的に信じてここにいるのかと思って、非常に驚きました。
――あなたも「いつ解放されるのか」と、元信者のスタッフに尋ねたことがあったんじゃないですか。
MK ええ、(管理人注:監禁された部屋に)来る元信者の人に、「私はいつここから出られるんだろうか」と何回も聞きましたが、彼らは最初は「もうちょっと頭が正常になってから」という風に言っていたんですが、だんだんそれも効かなくなってくると(管理人注:おそらく「説得力がなくなってくると」という意味だろう)、元信者のスタッフのMさん(管理人注:女性)が、「じゃ、宮村さんに直接聞いてみたら」という風に言ってきました。
――それで、あなたは直接、宮村に尋ねたんですか。
MK ええ、弟と一緒に西央マンションに行きました。そのときも5、6人のスタッフが来ていましたけど、宮村はいなかったので、来るまで待って、来てから尋ねました。
――「どうして自分は出られないのか」と。
MK そうです。「私は何で解放されないのか」という風に聞きました。
――あなたは尋ねるのも相当勇気がいったんじゃないの。
MK もちろんです。反抗的な態度をとって、「おまえの頭はまだ治ってない」なんて言われて、リハビリ期間が長引いたらどうしようと、もう心臓がドキドキしながら聞きました。
「女、何でもあり」の証言から想起されるのは、警視庁の刑事が私に話していた「宮村と関係を持っていた元女性信者は4人」という言葉である。刑事の話は、後藤裁判での私の「陳述書」に盛り込んだ。
話はそれるが、以前のブログ記事でも書いたことである。
脱会表明が真性か偽装かを知る踏み絵は、統一教会的価値観を否定できているか、それともまだこだわりがあるのかを観察することである。
統一のシンボル的な価値観はNOアルコールと純潔である。
宮村に限らないが、よくやられてきた踏み絵はアルコールを口にするかどうかである。
この脈絡で言えば、元女性信者を脱会説得者が「モノにする」のは実に簡単なこと。純潔思想を捨てきれているかどうか確かめればいいだけのことだ。「反純潔」を頑なに拒否すれば、「まだ真に脱会していないな。監禁から解放することはできない」
忠実な僕たち
話を戻す。
もう一人の証言を紹介する前に、前出の「米本氏による伊藤弁護士のインタビュー」から、宮村の性格に関する部分を引用しておく。長文になってしまうので、順番を変えたり、要約したりする。そのため、できればインタビューをもとにした「陳述書」全文に目を通していただきたい。
もう一つ、読者に注意を促しておきたいことがある。
前述のMKの証言や以下の証言は、あくまでも「宮村と告訴人Kとの関係」を想像しながら、読んでいただきたい。
――それにしても、宮村氏は胡散臭い人ですねえ。今でも記憶に残っているエピソードはありますか。
伊藤 自殺したJ弁護士のことを思い出します。私と同期だったJ先生は、東京青春を返せ裁判の弁護団の一人でしたが、真面目な形で元信者だった女性と付き合っていました。
ところが、その女性はたまたま宮村氏が脱会説得した人で、宮村氏の腹心の部下みたいな子だった。
どういう経緯があったかわかりませんが、彼は精神的におかしくなって、仕事もできないような状態になりました。
彼の名誉のために言っておきますが、彼は独身でした。だから、彼女との関係は不倫ではありません。彼は真面目に結婚を考えていたと思います。
Jさんから直接聞いたことがありますが、宮村氏が自分たちの交際に反対し,俺たちの関係をつぶしにかかっている、と。
――少々わかりにくい話です。J弁護士とその女性が愛し合っているのであれば、その関係に宮村氏が介在しようとしてもできないのではないでしょうか。
伊藤 宮村氏のことを知らないから、そうした疑問が出るのは当然のことです。
宮村氏はとにもかくにも支配的な人です。
それゆえ、宮村氏の手によって脱会した元信者たちは2つのタイプに分かれます。
1つは、宮村氏の支配を受け続ける人、つまり神格化された宮村氏に依存する人たちです。そうした人たちは、宮村氏の意に絶対に背かない。
もう1つは、宮村氏の支配を嫌がり、彼を毛嫌いするようになるタイプです。
J先生と付き合っていた女性は、前者のタイプでした。だから、その女性は宮村氏の影響を受けて、J先生との間で、何らかのトラブルになったのではないかと思います。
――とても興味深い話です。J弁護士とその女性が愛し合っていたとしても、その女性はJさんより宮村氏の影響力のほうが強い。恋愛至上主義的な私からすると、理解しにくいところもありますが、オウム真理教の麻原を中心とした人間関係を思い起こせば、あり得る話かもしれません。
宮村氏の支配的な性格に関することですが、青春を返せの原告・GTさん(本件裁判の被告。管理人注:原告後藤徹の兄のこと)と宮村氏との関係はどうだったのでしょうか。
伊藤 まあ、仲がいいとかといったレベルではなく、宮村氏から顎(あご)で使われていましたね。決して、宮村氏に反発するようなことはなく、従順そのものでした。男が男に顎で使われているのを目の当たりにすると、気持ちいいものではありませんでした。
――具体的なエピソードはありますか。
伊藤 あの頃はまだ携帯がありませんでしたから、宮村氏がGTさんに「お前、このことを誰々に伝えてこい」と命令すると、すぐに「ハイ」と言って飛び出していった。ものすごく頭ごなしでした。「あれ持ってこい」と言われると、すぐに従う。宮村氏のパシリのように使われ、とてもかわいそうな印象でした。だから、今でも記憶に残っています。
――宮村氏を意識されるようになった要因はまだありますか。
伊藤 前にも触れましたが、1991年4月、元信者のWK氏を団長として、40名の元信者が統一協会を被告として損害賠償を求める「青春を返せ裁判」を提起しました。
原告数は1次から3次訴訟まで含めると、合計59名にのぼりました。山口広弁護士は原告代理人の代表的存在で、私は弁護団の事務局長を務めました。
原告となった元信者らは、宮村氏が脱会説得させた人達が一番多く、40人くらいいました。だから、口さがない人たちは「これは青春を返せ訴訟ではなく、宮村訴訟」だと揶揄していた。
1994年1月だったと記憶するのですが、「青春を返せ裁判」の原告団と弁護団とが共同で伊豆で合宿を行いました。
このとき私は原告側の主張を構成する上でのひとつの理論的な試案として、「マインド・コントロール」自体は違法ではなく、「マインド・コントロール」が違法な目的に対する手段として悪用されることによって行われて初めて違法になるという構成を提案しました。
この試案は合宿の場では概ね受け入れられた感があったのですが、「マインド・コントロール」自体が違法だと主張していた宮村氏にとっては、多くの元信者から神格化されていた手前もあってか、私の存在が許せないものとなっていったようです。この頃から、宮村氏の私に対する個人的攻撃が始まりました。このため、私も宮村という人物について強い関心を持たざるを得なくなりました。
すべてを支配したい
伊藤にはこのインタビュー以前にも取材したことがある。そのときに聞いた話では、宮村に嫌悪感を抱いたのはテレビ出演を巡ってのことであった。
これに関連する前出のインタビューを要約しておく。
(引用はじめ)
――宮村峻氏とはいつぐらいから知り合いになるのですか。
伊藤 青春を返せの第一次訴訟が91年。歌手の桜田淳子さんが合同結婚式に参加することがわかった92年から報道合戦が始まります。すさまじい報道合戦でした。
この頃に、被害弁連内でクローズアップされたのが宮村峻氏です。
当時のテレビ局は、統一教会を脱会した元信者を出演させたいと必死でした。それに応えたのが宮村氏でした。彼は自分が脱会させた元信者をどんどんテレビ局に供給しました。また、テレビ局は、被害事件を解説する弁護士も必要でした。それに対しても、宮村氏は緊密な関係にあった紀藤正樹弁護士を紹介していました。そのうちに報道に火がつくと、紀藤弁護士一人では手が足りなくなり、私や渡辺博弁護士など何人かが穴埋めするような形で、テレビに出演しました。
――つまり、手配師のようなことをしていた。
伊藤 まあ今から考えると、そういうことになりますが、すさまじい報道によって、統一教会は苦境に立たされたわけですから、被害弁連からすると、宮村氏はヒーローでしたよ。
先の質問に答えると、報道合戦の渦中に、宮村氏を紹介されたわけです。
(引用終わり)
最初の頃は、手配師宮村がテレビ局に弁護士・牧師・元信者を斡旋していたが、テレビ局は出演者と面識になると、当たり前のことだが、宮村を介さず、直接、弁護士・牧師に出演依頼をするようになった。
宮村はそれが気に食わなかったようで、「誰の許しを得て云々」と露骨に、伊藤に厭味を言うようになった。
まるでガキそのものだが、伊藤に対してだけではない。山崎浩子の脱会説得に成功した岡崎の牧師、杉本誠に対してもそうだった。脱会説得業界で、宮村と杉本が犬猿の仲というのは有名だが、テレビ出演をめぐる宮村の厭味も、対立の一つのきっかけになったという。杉本から聞いた話である。
宮村が杉本をことのほか憎悪するようになったのは、山崎の脱会に成功した杉本が業界でヒーローとなり、テレビや雑誌で引っ張りだこになったからである。
山崎の脱会を素直に喜べばいいのだが、ヒーローの入れ替わり、まあ、統一教会でいう「愛の減少感」というやつであろう。
杉本に妬み・嫉みの感情を抱いたのは宮村だけではなかったようだが、宮村には少々、特殊な事情があった。
実は、山崎の姉が最初に脱会説得の相談に行ったのは、杉本ではなく宮村だった。
宮村はむろん脱会を成功させるために、相談者に拉致監禁に協力する「人数」を要求する。ところが、山崎の姉には協力者がいなかった。拉致監禁するのは自分と叔父だけ。そのため、宮村は断った。
杉本とて逡巡したが、結局引き受け、脱会を勝ち取った。
なお、杉本の苦渋は彼の『統一協会信者を救え―杉本牧師の証言』」に載っている。20年も前の本だが、いま読んでも興味深い記述がたくさん載っている。
まあ、こんな事情があったから、宮村は杉本には「してやられた」といった難癖的感情もあったと推測する。
*山崎の脱会劇の真相、脱会劇の人的構造は、杉本の本に書かれていることがすべてではない、と考えたほうがいいだろう。いまだ謎の部分がある。
会社のトイレを使うな!
ここまでを読まれて、宮村の性格、すなわちすべてに支配的な性格は、おぼろげながらも分かっただろう。
これを裏付けるのは、後藤裁判で宮村側の立場から証言した大倉文明である。
*彼を実名で記すのは、(1)大倉の妹が実名で『親は何を知るべきか 破壊的カルトとマインドコントロール』に寄稿していること(この本は今でも修正されることなく、販売されている)。(2)全国弁連のサイトで、実名を載せていること。(3)「カルト被害を考える会」でも実名を載せていること-からである。大倉は実名掲載を承諾していると考えていいだろう。
以下は、彼の証言(反対尋問)である。証言を理解していただくために補足しておけば、大倉は脱会したあと、宮村が経営していた零細企業(=従業員9人以下)のタップに就職したことがある。
宮村は、大倉ばかりでなく脱会者をタップで雇用していた。後藤徹が提訴した後藤の兄もここで働いていた。
【参考サイト】「証人尋問の報告ー追い詰められ涙で訴える被告側証人」。
ーーあなたから見て、被告宮村はどういう性格の人でしたか。
大倉 顔はちょっと強面で、口調は厳しいけど、すごく情のある方ですよ。
ーーそれだけですか。
大倉 はい。
ーー逃げてきた信者さんたちの話では、非常に横柄で、理不尽なことを言う人だったという風に言っているんですが、違いますか。
大倉 それ、統一教会的に見たらそうでしょうね。
ーーあなたから見てはそうではなかったと。
大倉 私は、最初のうちはそう思った部分もありますけど、それは愛情があるから、そうなったんだと思いましたね。
ーーあなたは多田文明というペンネームでフリーライターをして本を出していますね。
大倉 はい。
ーーそのペンネームで、『それでも会社を辞めますか? 実録・40歳からの仕事選び直し』という本を出していますよね。
大倉 はい。
ーーそこに「私の転職体験記」という項目があって、タップ社長である被告宮村から受けた理不尽な仕打ち、例えば有給休暇に関する社内規定を作らないとか、バイクの置き方について理不尽な言いがかりをつけられたと、あなたは書いてますよね。これは事実でしょう?
大倉 そういうこともありましね。
ーーあなたはさらに、『崖っぷち「自己啓発修行」突撃記 - ビジネス書、ぜんぶ私が試します!』という本も書いていますね。
大倉 そうですね。
ーーここで、あなたはまた宮村のことを書いてますね。
こう書いています。
「以前、私は広告代理店で働いていました。私が挙げたい尊敬できる人はこの会社の社長です。
彼は中小企業にありがちなワンマンな人でした。
やること、なすこと強引で、私が朝に腹の調子が悪くて、トイレに閉じこもると、お前の便所のために金は払えないとばかりに、『今後、一切朝のトイレで用を足すのを禁止します』と全員に命令したほどです。
そんな理不尽な話があるかと、私が抗議すると、『家で用を足してから出社しろ』と、ふざけたことをいいます。 こうした仔細なことで喧嘩しましたね」
大倉 そうですね。喧嘩しましたよ。それが何ですか。
ーーこのエピソードは、被告宮村の人間性がよく出ていますね。
大倉 そういう一面を切り取るから、ダメなんですよ。会社というのはビジネスですよ。説得とは違いますからね。
ーーあなたは、『それでも会社を辞めますか?』というのには、バイクの件で社長と喧嘩して、それから一切会っていないと、大喧嘩して出ていったと書いているじゃないですか。
大倉 それだけじゃないですよ。
ーーこれを読む限り、それできれいに辞めたと。
大倉 だから、その文章だけを切り取って読んだら、そう見えるかもしれませんけど、私の気持ちの何が分かるんですか。
大倉は宮村側の証人であるため、原告代理人の質問に、証人尋問ではふつうあり得ない逆質問するなどして宮村を庇おうとしていたが、「会社のトイレを使うな、用は会社に来る前に家でしてこい」という宮村の命令は常軌を逸している。
なお、原告代理人が大倉の著書を持ち出して尋問したとき、大倉の本を知らなかったのか、6人の被告代理人の表情は凍りついたという。
赤色系の壁のところがタップ
栄光教会から追放された宮村
前述のMKまた伊藤の証言のことに立ち戻る。
「宮村氏はとにもかくにも支配的な人。それゆえ、宮村氏の手によって脱会した元信者たちは2つのタイプに分かれる。1つは、宮村氏の支配を受け続ける人、そうした人たちは、宮村氏の意に絶対に背かない。もう1つは、宮村氏の支配を嫌がり、彼を毛嫌いするようになるタイプである」
これまで拉致監禁派の内情を長く取材してきたが、脱会説得者の性格が原因で脱会者たちが二分されるような話は聞いたことがない。
統一教会員の脱会・改宗に関わるキリスト教会の信者同士が反目し合う。これはどの教会でもあることだ。
教会の昔からいる信徒と、統一教会を脱会して新たにやってきた信徒(改宗者)との反目である。これは無理からぬところもあって、統一の元信者は脱会しても「旧社会の母斑」があり、統一時代の雰囲気を“正統派クリスチャン”になってもなかなか払拭できない。そのため、古くからの信徒と統一元信者とがそれぞれグループを作り、お互い交わることなく、ときに反目したりする。
この典型が「買春牧師」こと高澤守牧師がやっている神戸真教会だった。この教会では古くからの信徒が一斉に別の教会に移った。
こうしたことはあっても、脱会説得者の性格が原因で元信者が二分されるようなことはなかった。
注目すべきは、宮村のところは雰囲気といったレベルで二分されていただけでない、ということである。「宮村氏の支配を嫌がり、彼を毛嫌いするようになるタイプ」の元信者が、宮村と宮村に従順な元信者たちを追放したのだ。
この事件を理解するには、少し説明が必要だろう。
宮村はクリスチャンでも牧師でもない、たんなる零細企業の社長である。
彼は、荻窪栄光教会の牧師、故森山諭と組んで脱会説得をしていた。
統一教会員の強制脱会に成功すると、今度は森山が改宗説得をして栄光教会の信徒にした。
この信徒たちのうち宮村嫌悪派が、宮村たちを教会から追放したのである。1989年のことである。
この出来事については、後藤裁判の後藤兄尋問(5月14日)でも、原告代理人が「宮村のやり方が余りにも酷いといった理由だったからではないのか」と質問している。後藤兄はそれを否定したが、『秋田の母ちゃん統一協会とわたりあう』で、宮村を毛嫌いしていた著者の本間てるこ(全国原理運動被害者父母の会代表)がそのことに言及している。
なお、宮村追放のきっかけとなったのは、元女性信者へのレイプ事件があったからだと噂されている。真相は不明だが、宮村の女性問題が背景の一つだったことは間違いないだろう。
元女性信者・M葉子に迫る艶福家の宮村
新潟の少女監禁事件と宮村
それにしても、脱会説得者の特異な性格-すでに見てきた通り、異常とさえ表現していいほどに支配的な性格-が原因で内紛が起きたというのは、前代未聞のことである。
ここで、改めて日常用語としての「支配」の字義を見てみよう。
支配:上に立って、他の人を自分の思う通りに動かす・使うこと(『新明解辞典』)
まさに宮村のことではないか。
「青春を返せ裁判」の原告代理人伊藤が宮村より原告たちに影響を持ち始めると、手下を使って彼を隠微に攻撃する。
脱会した元信者である社員に、会社のトイレを使うなと命じる。
脱会説得仲間のはずの牧師に対して、初対面の人であっても、「俺はそんじょそこらのヘッポコ牧師とは違う(俺が脱会カウンセラーとしてはナンバーワン)」と平気で口にする。
宮村の支配的性格を示す象徴的な事件は、家族をして、後藤徹を12年間にわたって監禁してきたことだろう。後藤の人生など露ほどに考えたことなどなく。これに関する伊藤のインタビュー記事を引用する。
――それにしても、どうして宮村氏は長期間にわたって解放しないように、GT(後藤兄)さんたちに指示したのでしょうか。
伊藤 それは、解放したら、脱会説得に失敗したことが広く知られてしまう。それを怖がったのでしょう。
宮村氏は「俺は、失敗したことなどない」と吹聴していたと記憶しています。自分の手にかかれば絶対に大丈夫だ(脱会させることができる)みたいなことを言っていたし、そのために、それこそ5年間も教育と称して、月1万円を取り続けているわけですからね。
それがどうも脱会させられなかったこともあるらしいという噂が父兄の間に広まれば、神格化されていた宮村氏のイメージ像が崩れるじゃないですか。
伊藤へのインタビューを陳述書にまとめているとき、正直、伊藤のこの解釈には疑問を感じていた。
<自分の神格化されたイメージ像が崩れるという理由から、12年間もの長きにわたって統一教会員を監禁し続けるようなことがあり得るのだろうか・・・>
私のそれまでの社会常識では、到底考えられないことだったからだ。
しかし、今こうして宮村の人間性を改めて見てくると、十分にあり得ることだと思った。
それも、たんなる支配的な性格ではない。12年の監禁事件を聞いて多くの人が咄嗟に新潟の少女監禁事件(9年間)のことがよぎったようだが、その犯人とも通底する異常な支配欲の持ち主、と言ってもいいだろう。
新潟と違うのは動機である。宮村のそれは必ずしも性欲をともなうものではなく、周囲から崇め立てられ続け、脱会説得業界の王様の地位を守りたい(周囲に影響を及ぼし続けたい)がため、というものである。
宮村のアイデンティティは「上に立って、他の人を自分の思う通りに動かす・使うこと」(支配)である。
「もう後藤を説得することはできない」と諦めた段階で、後藤を解放すればそれが噂となり、周囲から「宮村先生は一度も脱会説得に失敗したことがない、神様のような脱会カウンセラー」として崇拝されなくなる。それどころか「数年間も保護していたのに、脱会説得ができなかったのだ」という評価になり、宮村の言葉を借りれば、「そんじゃそこらの脱会カウンセラーの一人」に堕ちてしまう。
そうなれば、他の人(信者家族など)を自分の思う通りに動かすことができなくなり、アイデンティティは崩壊し、たんなる反統一の零細企業のオヤッサンとなる。
元信者を社員として安くこき使うこともできなくなれば、経営は傾き、零細企業の社長でさえなくなってしまう。
それにしても、なにゆえ宮村は誰彼かまわず支配的であろうとするのか。
その原因は、親から支配的な養育を受けてきたからだ、と推測する。
宮村はある人に「俺は子どもの頃、両親に対してお父様、お母様と呼ばされていた」と漏らしたことがある。
これだけではなんとも言えないだろうが、宮村の特異な性格は幼少期の頃の「チャイルド・アビューズ」(不適切な養育)にあるように思えてならない。
行田教会の清水与志雄、戸塚教会の黒鳥栄も、「チャイルド・アビューズ」を受けていたと強く推認される。
<脱会説得者の少なからずの人は、子ども時代に何らかの傷を親から受けている>
これは、拉致監禁問題を長く取材してきた私の仮説である。
ところで、こうした宮村への見方に、宮村を慕う元信者は反発するだろう。
「顔はちょっと強面で、口調は厳しいけど、すごく情のある方」「愛情のある方」(前述の大倉)だ、と。
元信者の中には、宮村をカリスマ、教祖のような存在と思っている人もいるようである。
立場が変われば、その人への評価は異なるわけで、大倉の見方が間違っているとは思わない。
宮村と脱会者との異様な関係
だが注目すべきは、宮村と彼を慕う元信者との間に形成された「関係」「絆」「紐帯」は、通常の人間関係から生まれたものではない-ということである。
塀の中から生まれた人間関係なのだ。
想像してもらいたい。
もし、喫茶店やレストランなど外形力が働かない空間で、宮村から1対1で説得を受けた場合、どういう関係になっていたか。仮にその説得を受けて脱会した場合であっても、「神様のような存在」に映るかどうか。
宮村の監禁下から偽装脱会で逃れたある現役教会員は「宮村氏にはカリスマ性があった」と漏らす。
しかし、この場合でも、閉鎖的でなくオープンな場所で説得を受けても、そのように感じたかどうか。
宮村の脱会説得の特徴の一つは、強圧的という点にある。
いつでも会話を打ち切ることのできる環境下で、怒鳴られたり、詰問されたり、バカにされたりすれば、どんな人であっても「あなたとは話したくない」と席を立つだろう。
しかし、外に出ることのできない空間なら、ひたすら宮村と付き合うしかない。
そうした状態が長く続けば、強圧的態度をカリスマ性と錯覚する。
宮村の脱会説得は、とにもかくにも監禁期間が長いことだ。他の説得家(とりわけ日本基督教団の牧師)には見られない際立った特徴と言ってもいいだろう。
信者が脱会の意思を示しても、脱会届けを統一教会に送っても、婚約相手に婚約破棄の通知文を送っても、統一教会に献金等の返還請求の手続きを行っても、そして返還請求の示談交渉が成立し脱会者の銀行口座にお金が振り込まれてきても、信者を解放しない。
告訴人Kのことを想起せよ。
彼女は宇佐美が刑事裁判に付されたときまで、実家(両親)のところに戻らず、宮村の至近距離のところに住んでいた。(上告が破棄された現在、Kがどこに住んでいるかは確認できていない)
暗然としてしまう。
一体、脱会者がどういう状態になれば、宮村は脱会者を解放(自由に)するのだろうか。
渋谷の松濤にある教団本部ビルに火炎瓶でも投げ込めば、真性脱会者として認めるということなのだろうか。
極度の猜疑心から偽装脱会を恐れる。その心理は理解できなくもないが、それだけではないように思える。
つまり、脱会者が宮村に完全に屈服する、すなわち自分の思い通りに動くようになる(=その人を支配する)まで、自分の手から放したくないからではないのか。
「宮村教」の誕生
とまれ、異分子(嫌宮村の脱会者)がいなくなり、宮村グループはより純化されていく。
そうなればどうなっていくのか。
やはり宮村から強制説得を受けたYS(女性、偽装脱会)の、後藤裁判で提出された陳述書を引用する。
(引用はじめ)
監禁され一方的な情報しか与えられない中で、ある宗教が真理か否かなど冷静に判断できるわけがありません。また、そのような強制に屈して宮村のいい加減な話を無条件に受け入れ脱会した元信者の中には、今度は過度に宮村に依存する「宮村依存症」に陥ったり、何でも宮村の言いなりになる「宮村教」の信者になっている人が複数いるのではないかと危惧します。
私が偽装脱会をしていた頃、「統一教会をやめてくれたのは嬉しいが、今度は、宮村のところに行ってしまった」と嘆く親御さんがいました。
私に「Y子ちゃんのようになってはだめよ」とアドバイスしてくれた前述の元信者のお母さんは、「宮村依存症」ないし「宮村教の信者」になってはいけないという意味も込めて、私に忠告してくれたのだと思います。
*管理人注:Y子とは、宮村の愛人(Yの父親の表現によれば「情婦」)になったといわれている元信者である。
また、宮村の言うことはすべて受け入れるという元信者達の異常な姿を見て、水茎会の相談会(管理人注:宮村の相談会)に通うことをやめた父兄がいるという話も聞いたことがあります。
(引用終わり)
支配的な宮村とその宮村に過度に依存する元信者たち。この関係は共依存と言っていい。
一方的な依存と違って、共依存関係から脱するのは容易ではない。
なぜなら、共依存になる当事者たちの根っこにあるのは、チャイルドアビューズ(親からの不適切な養育によって大人になった人)があるからだ。
これは私の偏見ではない。「共依存」「依存症」「愛着障害」などに関する研究者の本にはそのことがエビデンス(根拠)に基づいて書かれている。
宮村の説得によって脱会したあと、結婚した女性は極端に少ない。そうした女性がすべて宮村と不適切な関係になったからというわけではないだろうが、共依存関係がその背景にあるように思える。
後藤裁判で、宮村を支援する立場にたった脱会者からいくつかの陳述書が提出されている。
それらを読めば、「脱会後、親子関係が回復し、よりよい関係になった」という記述は一切ない!
「ストーカー事件」の主役の一人、Kの場合、脱会後の親子関係はどうなったのか、そして宮村とはどんな関係になったのか。
今回のブログのやや狭いテーマで言えば、Kが宇佐美を告訴したのはK自らの自由な意志によるものだったのか、それとも宮村との関係性の中で告訴するに至ったものなのか。
★追記情報-宮村門下生・大倉はメディア業界から追放されるべきだ(6月7日夕方)★
後藤裁判で証言したエセジャーナリスト多田文明(大倉文明)がテレビに堂々と出演した。(敬称略ではなく敬称ナシだ)
それがな、なんと!も~ッ、悶絶死しそッ。
大倉は統一教会員であった体験を作り替え、「カルト教団に潜入取材していた」と、テレビ局に売り込んでいたのだ。クリックして録画を眺めてくれ(10分35秒~22分25秒まで)。顔も大きく堂々とアップされているぞな。
ご同業のライターさん、ジャーナリストさん(たとえば有田芳生さん)が小さな嘘をつくのはこれまで見聞したことはあるが、自分で入信(祝福結婚も!)しておきながら、それを潜入取材のためだったなんて、こんな真っ赤な嘘は前代未聞のこと・・・ヒェ~、バタン、死んだ
いや、ライター、ジャーナリストという属性を抜きにしても、ここまでの大嘘は歴史的とさえ言ってもいいのではないか。犯罪的な嘘、詐欺師的な嘘と表現してもオーバーではない。テレビ局が訴えたら、巨額の損害賠償金を命じられるだろう。ほんとうに悶絶死しそうだ。
大倉は宮村峻の強制説得を受けて脱会した。宮村は後藤裁判で「拉致監禁などしたことない」と主張している。
大倉の大嘘と比べると、宮村の嘘がかわゆくみえるぐらいだ。
大倉よ、おまえは師を超えたなぁ。万雷の拍手を送ってやろう。
おまえのような奴がいるから、フリーの記者が胡散臭く思われるのだッ。まさに、おまえはフリージャーナリストの敵である。
(それにしても、騙されるテレビ局のディレクターもディレクターだ。高偏差値バカの典型じゃ)
多田文明よ!盗撮なんかして捕まるなよ!そんなニュースが載れば、フリージャーナリストの肩書は地に堕ちてしまう(マジ、心配)
(お願い)読者のみなさん、今後、多田文明の署名記事や本が出版されているのを見つけたら、嘘の記述を見つけ、メディアに通報してください。
前掲のテレビでも「80ものキャッチセールに潜入取材した」なんて吹聴しているみたいだが、これも嘘であろう。いったん嘘癖がつくと、自分で治すのはきわめて困難である。これは経験則である。
大倉文明、多田文明はメディア業界から追放されるべきである。
(家族へのお願い)文明君が統一教会でどんな悪いことをしていたかは知りませんが、何らかのワルをしていたから、拉致監禁して、宮村先生に脱会説得を頼んだと思います。
文明君は統一教会でのワルよりもさらに大きなワル、テレビ局ひいては全国の視聴者を騙すという犯罪的なワルをやっています。文明君を心から愛されているのなら、もう一度、拉致監禁して真人間になるように説得してください。
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12年間監禁されていた後藤徹氏の証言がブログ「拉致監禁by宮村の裁判記録」にアップされるようになった。すべての教会員は読むべし!(前回の記事以降に、アップされたもの)
●「原告後藤徹氏本人尋問(反対尋問 木村壮弁護士編)-傍聴席は大爆笑!!」
●「松永牧師&後藤氏兄嫁の尋問傍聴記録ー「保護説得の責任はすべて家族」と言い続ける松永氏.「わかりません」21連発の兄嫁さん」
傍聴記録はYoshiさんのブログ「自らを守った松永牧師、『分かりません』連発の兄嫁」、教団公式サイト「後藤徹氏の民事裁判、被告・松永堡智牧師と後藤氏兄嫁の本人尋問」にも掲載されている。
「やや日刊カルト新聞」のエイトこと田中清史さんも傍聴し熱心にメモを取っていたのに、また今回も記事にしていない。クスッ これについては「被告尋問 - 傍聴記を書かないエイト君」を読んでください。
エクスキューズ 裁判所ですっかり仲良くなった清史さんのことは、あまり書きたくないのですが、個人的なことならともく、記者としての姿勢に関することですから、お許しを。ニコッ
- [2013/06/05 17:58]
- ストーカー事件の真相 |
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コメント
宮村峻のエピソード
>宮村はそれが気に食わなかったようで、「誰の許しを得て云々」と露骨に、伊藤に厭味を言うようになった。
異常な支配欲求、no1脱会屋のプライド、経済営利維持の必要性…。これらが複合的に絡まり重なり合った、宮村の特異な行動の源泉が絵解きされていますが、私は、それらの底流に曲がり歪んだ強烈な〃自己顕示衝動〃を感じていました。
俺はテレビには出られない。しかし、テレビに出ている奴をコントロールとしているのはこの俺だ、という裏返しの強烈な自己顕示衝動です。
私が、宮村のこの醜悪な裏側を知ったのは、オウム騒動のときでした。当時、私はなにかとテレビに引っ張り出される機会が多かったのですが、忘れもしません、TBSの午後のワイドショーでの出来事でした。
生番組のために1時間ほど前にスタッフ、出演者の打ち合わせ会議があったのですが、その日は東北学院大・浅見定雄教授(当時)もゲストに呼ばれていました。
いやに底光りのする眼をした人だなと、テーブルの向こう側から眺めていましたが、その浅見氏の隣に後見役然とピッタリくっついて大柄な話し方をする、妙に不潔感の漂う中年男がいたのです。
宮村でした。宮村は、浅見氏のTBS出演をコーディネートしたのは自分だ、という印象を醸し出そうと必死の様子でした。実際にそうだったのでしょう。
私はそのコンビに眼を背けたい不潔感を感じはしましたが、当時は宮村にそれほどの関心はありませんでした。
しかし、それから1週間ほど経ってからです。そのワイドショーのディレクターが、
「室生さん、宮村が『俺が室生をテレビに紹介してやったんだ。フジもテレビ朝日もみ~んなそうだ』って言ってましたよ。そうなんですか?」
と聞いてきたのです。そのとき、宮村なる人物に、あの不潔感と相まって、言い知れぬ嫌悪を覚えたことをマザマザと思い出します。
つまり、宮村は「本人の耳には入らないだろう、本人は分からないだろう」と思えば、知己である牧師や大学教授ばかりか、まったく無縁の人間をも偽りの〃コーディネート支配〃の対象にして、自分の影響力誇張の道具にして恥じるところが毛ほどもない。
この人間性は心底不潔で恐ろしいと思ったものです。
爆笑
>宮村は、浅見氏のTBS出演をコーディネートしたのは自分だ、という印象を醸し出そうと必死の様子でした。実際にそうだったのでしょう。
>「室生さん、宮村が『俺が室生をテレビに紹介してやったんだ。フジもテレビ朝日もみ~んなそうだ』って言ってましたよ。そうなんですか?」と聞いてきたのです。
思わず、爆笑してしまいました。
伊藤弁護士、杉本牧師、浅見さんまでならともかく、拉致監禁実行派の宮村さんが拉致監禁反対派の室生さんをテレビ局に紹介したなんて・・・下品にゲラゲラ。
ところで、
>俺はテレビには出られない。しかし、テレビに出ている奴をコントロールとしているのはこの俺だ、という裏返しの強烈な自己顕示衝動です。
この見方には同意しがたいです。
宮村さんは表舞台に出ることなく、影で「他の人を自分の思う通りに動かそうとする」タイプの人です。
スポットライトを浴びる役者。その役者を動かす監督。どちらになりたいかは人それぞれでしょうが、弁護士の紀藤さんや「ややカルト新聞」の記者さんは前者、宮村さんは後者です。
宮村さんは自己顕示欲にはきわめて抑制的で、全国弁連の集会でも、講演したことは一度もないはずです。集会で手柄話をしようと思えば、いくらでもできるのに。
彼がこの集会で果たしている役割は、元信者を手配し、講演させることです。その講演の評価が高いものであればあるほど、手配師としての彼はみんなから一目置かれることになります。
自己顕示衝動がない人だから、換言すれば自己顕示によって露になることがないから、彼のことはとてもわかりにくいのだと思います。
そんな彼でも一度だけ、自己顕示してしまったことがある。
それはパスカル監修の『親は何を知るべきか』に寄稿したことです。
しかしながら、この寄稿文は自己顕示によるものではなく、「子どもを脱会説得するには、専門のカウンセラーに頼むべきだ」というお客さんを募集する宣伝のためだったと思います。
繰り返しになりますが、陰にいて人を思い通りに操る。これほど隠微な喜びはないと思います。
ちなみに、これを組織的にやったのはヤマギシ会で、この会の上層部の連中は、会の会員から「自我」を抹殺(我執抹殺)し、自分の思い通りに動かそうとしました。
Re:爆笑
オウム騒動の当時は、私は特定弁護士たちが一方的に「カルト」判断を行なう「宗教判断基準」設定の動きに警鐘を鳴らしてはいましたが、拉致監禁問題に未だ直接着手はしていませんでした。
まあ、宮村が当時の私をどう見ていたのかは分かりませんが…。
>宮村さんは表舞台に出ることなく、影で「他の人を自分の思う通りに動かそうとする」タイプの人です。
>彼がこの集会で果たしている役割は、元信者を手配し、講演させることです。その講演の評価が高いものであればあるほど、手配師としての彼はみんなから一目置かれることになります。
私はそれを「裏返しの強烈な自己顕示衝動」と見るわけです。「屈折した強烈な自己顕示衝動」とも言えますが…。
この話題はこのへんで…。
水茎父兄
私も拉致監禁被害者ですので、後藤裁判には深い関心を持っています。後藤裁判ブログに載る陳述書はほとんど全部読んでいます。また後藤裁判の傍聴にも行き、噂の宮村ガールズや水茎会の人達も見てきました。
宮村を擁護して陳述書を書いた元信者の方々は私がブログで読んだ限りで4,5人いたかと思います。(ブログに載っていない人も考えるともう少しいるかと)皆90年代前半に脱会し、一人だけ結婚されていたようですが、それ以外はみな結婚されていないようです。皆が皆いまだに宮村ガールズ(ボーイズも含め)を現役でやっているとは思えませんが、ガールズ脱退後も宮村の影響を受けつつ、「監禁されていない。自分の意思でマンションに行った」という陳述書を法廷に提出するのですから、監禁下の教育とは空恐ろしいと感じます。
私も監禁説得をされた経験があるので、宮村ガールズたちの依存状態をある程度理解することはできます。信仰を失い精神的路頭に迷った時、自分を説得した相手に依存しつつ自分をもう一度作り上げていくという、何とも皮肉な現象ですが、彼らが一様に「リハビリ、リハビリ」と呼んでいたものです。これはこれで非常に道義的大問題だと思います。これに関してはまた時を譲り、、、、これとは別にもう一つ私が不気味に思ったことがありました。
やはり私が裁判を傍聴してひどく驚いたのですが、それは水茎会の人々の目のぎらつきです。だいたい50代、60代でしょうか、宮村と同年代のおじさん、おばさんが宮村親衛隊よろしく宮村を囲み、裁判前、宮村が輪の中にいるときは和やかな雰囲気を醸し出そうとし、いざ被告人席へ宮村を送り出すと、今度は敵方原告側の傍聴席を何気なく睨みつけている、殺気立った水茎会の親衛隊の方々です。これから子供の説得を頼む人がすでにこれほど目をぎらつかせているとは思えないので、水茎会で新しい父兄を教育する水茎中心父兄たちだと思いますが、ちょっと怖いくらいです。この人たちはなぜこれほどまでに宮村に入れ込むのでしょうか。
本文記事にあります「神格されている宮村のイメージ」または「そこら辺のへっぽこ牧師とは違う」という彼に対する絶対的な信頼感などがあるのだと思いますが、しかし脱会説得が終わってもなぜ法廷まで行って応援するのかがよくわかりませんでした。水茎中心父兄は中心父兄なりの依存ポイントがあるのではないかと思います。
宮村の活躍伝はもちろん口頭で広く水茎会父兄に伝聞されていると思いますが、依頼する父兄からするとこれから多くのお金と時間をかけて、監禁説得作業の準備を何年間も続けて、そして本番を迎える。ここで、まず全幅の信頼を宮村に置く時点で強い求心力を感じていると思います。しかしこれはまだ依頼者側の一方的なものです。そしてついに本番を無事終えて、さて少し宮村さんに感謝のご奉公をしようとお手伝いを始める時に、水茎会の会合で、全国弁連で、どこに出ても宮村さんは自分をひけらかさない、自分を宣伝しないとなれば、「宮村さんこそ平成の黄門様」、「正義のヒーロー」であり、カリスマではないでしょうか。しかし少なくともこれは宮村が仕向けているようにも思えるし、演出しているようにも思えます。それは伊藤弁護士とぶつかったり、日本基督教団の牧師とぶつかったり、テレビ局で多少どじったりしたなどの経験を効率よく学習したのではないでしょうか。そういう意味では自分の力をどのように誇示すれば、人々の自分への傾倒ぶりが深まるかを日々鍛錬しているように見えます。
もしかしたら水茎出身父兄も、表立ってではないかもしれないけれども、宮村を毛嫌いするタイプと慕うタイプと二つに分かれるのかもしれません。
宮村の特異な性格
現場教会レベルでも拉致監禁されても大したことしないんだからね。
世界中に展開していて数十万人会員がいる団体とは思えない対応の粗末さ。
あまりにも信徒に責任を丸投げしすぎ。
責任回避体質も問題を大きくしている理由の一つだね。
aさんに注意
ご注意を!
おっしゃりたいことは理解できているつもりですが、投稿場所が違っています。本部の拉致監禁対策に対する批判記事は、ブログで書いていますよ。そこのコメント欄で書いてください。
とまれ、ここに書かれると、コメント欄が乱れてしまうので、自重自戒を。
aさんの前に投稿されたkiyさんのラジカルな投稿文、「水茎父兄」を読んで、じっくり考えていただきです。
失礼なことを申せば、ルサンチマンからは何も生まれせん。
宮村の特異な性格2
宮村とは会ったこともないし、どういう人間か文章からだけではよく分かりませんが、性格はねじ曲がっているんでしょうね。
ただ、そういう人間の拉致監禁に対して有効な手立てを打てない本部や教会に腹が立ちましたので、そのことについて指摘をしました。
書きたくても書けない
納得です。
今回のブログはいつにも増して力がこもっているというか、洞察力と説得力に圧倒されました。
拉致監禁問題を解決するには、宮村の断罪、これが不可欠ですね。
<元女性信者を脱会説得者が「モノにする」のは実に簡単なこと。純潔思想を捨てきれているかどうか確かめればいいだけのことだ。「反純潔」を頑なに拒否すれば、「まだ真に脱会していないな。監禁から解放することはできない」>
私が反統一で、サタン的な人間だったら、私も同じように「反純潔」を判断基準にしていたでしょう。酒や性を踏み絵にしていたでしょう。宮村は典型的な“サタン”ですね。
<当時のテレビ局は、統一教会を脱会した元信者を出演させたいと必死でした。それに応えたのが宮村氏でした。彼は自分が脱会させた元信者をどんどんテレビ局に供給しました。また、テレビ局は、被害事件を解説する弁護士も必要でした。それに対しても、宮村氏は緊密な関係にあった紀藤正樹弁護士を紹介していました。そのうちに報道に火がつくと、紀藤弁護士一人では手が足りなくなり、私や渡辺博弁護士など何人かが穴埋めするような形で、テレビに出演しました>(伊藤弁護士の話)
12年5ヶ月に及ぶ監禁-。超アンビリーバボーな話なのに、マスコミはどうして記事にしないのだろう?、ってずっと疑問に思っていました。
単純に「統一教会を利することになるから」、書けないのかなぁ、と思ってきました。
でも、どうやら、そうではないようですね。
マスコミは番組作り、紙面作りに、宮村や紀藤らから大いに世話になっており、一緒になって世論を誘導してきたという過去があります。弱みを握られている。
下手に彼らの問題性を取り上げると、自ら、報道機関としての過ちを告白する格好になるし、また、彼らから訴えられかねない。だから、書きたくても書けないのだ、と。
小さな統一教会の問題などに関心がない、という側面もあるでしょう。
でも、「国境なき人権」や米国が問題視し、国内外の監禁事件が世間を騒がせる中、「12年5ヶ月の監禁」を無視し続けるのは、おかしすぎます。
マスコミの“良心の呵責”を晴らし、日本のジャーナリズムを正常化するためにも、後藤裁判で宮村の悪事を徹底的に裁く必要がある!。改めて強くそう思いました。
元信の大倉文明よ!嘘をつく勿れ。
そのことを末尾に追記情報として載せました。
ぜひぜひ目を通してください。
こんなに驚いたのは、久しぶりのことです。
宮村門下生・大倉はメディア業界から追放されるべきだ
2週間は冬の新人研、1か月は春の新人研だろう。(夏は40日だからね。)
献身者までしていて潜入とは笑わせるね。
しかし、現場では募金を活動資金にしていることが多いのは事実。
本部や教会・原研は違法行為はすべきではない。
ついていったらこうなった
仕事を失い
財産を失い
あげくに娘は宮村に奪われた・・・
俺の老後を返せ!
by Y子ちゃんの父
お知らせ
前のは中途半端でしたが、今回のは完全版です。
宮村門下生・大倉はメディア業界から追放されるべきだ2
6500双だと献身して間もないので、3万双かな?
表に出ないで欲しいね。
原研の恥だわ。
このブログが面白い!
タイトルは「ついていったらこうなったー悪徳商法ジャーナリストが某教団潜入取材?その事実は」。大倉(多田)文明のことを統一教会の実態に即して、かつ論理的に論評しています。
ぜひ、ご一読を。
http://ameblo.jp/angelstairway/entry-11549145579.html
教会員が知るべき実態
宮村はある人に「俺は子どもの頃、両親に対してお父様、お母様と呼ばされていた」と漏らしたことがある。
これだけではなんとも言えないだろうが、宮村の特異な性格は幼少期の頃の「チャイルド・アビューズ」(不適切な養育)にあるように思えてならない。
行田教会の清水与志雄、戸塚教会の黒鳥栄も、「チャイルド・アビューズ」を受けていたと強く推認される。
<脱会説得者の少なからずの人は、子ども時代に何らかの傷を親から受けている>
これは、拉致監禁問題を長く取材してきた私の仮説である。
宇佐美冤罪事件においては脱会屋の宮村峻が悪玉の主役であるとは考えられましたが、その人物像は漠然としていました。
しかし 米本さんの「構造の絵解き」を通して、その核となる宮村峻が今までに見せた様々な言動を知ることができ、さらにその人格を米本さんが鋭く分析してくださいましたので、その事件の真相と実態について深く理解できるようになり、多くの問題について今まで以上に考えさせられるようになりました。
その宮村峻が行う拉致監禁棄教説得の実態を知って最初に驚かされたのは、その異常な加害者と被害者の人間関係でした。
宮村脱会屋の支配的な性格の異常さに驚きながらも、その棄教者達の依存的傾向にはショックを受けるほど驚かされました。
強制説得された人達の人生とは何だったのかと真剣に考えざるを得ない程の衝撃でした。
しかし、一つの見方としては 宮村脱会屋に過度に依存する元信者達は、その依存する相手が統一教会のリーダーから脱会屋に変わったというだけで、その人間的性格は同質なのではないかとも感じられます。
しかし、どちら側にいても真に「救われた」生きかたをしていないと思えるところに悲劇があります。
ただ、既に米本さんが指摘されてきたように 棄教者の女性はほとんどが未婚のままであるという現実を知ると、強制棄教の後の方がより不幸になったのは確かです。
一般人から見れば、統一教会は問題の多い宗教団体であるし、親族がそこから信者を引き戻す行為は問題ないと映るのかもしれませんが、最大の犯罪は拉致監禁という非原理的とも言える不自然な説得方法であることは間違いありません。
米本さんが指摘されたように、塀の中では特異な人間関係が形成され、特に依存的性格の人は強権を発する人にカリスマ性を感じてしまいやすくなるという問題があります。
それはある意味で本能に近いものかも知れません、動物は環境に順応しやすく、抵抗不可能な状況に置かれると その環境に順応し、その障害が取り除かれても同じような習性を続けると聞いたことがあります。
つまり、環境と独立した意志を持たないのです。
そう考えると長期の監禁状態を特徴とする宮村脱会屋の行為は人間を動物扱いしているということになり、人権蹂躙行為そのものだと言えます。
尚且つ、酒、煙草、セイ欲、何でもありという統一教会の信仰破戒行為を強制して、潔癖性の強い統一教会員を後戻りできなくしてしまうというのですから、卑怯で常軌を逸した行為であり、絶対許すべきではありません。
米本さんが暗示されていた宇佐美裁判の告訴人Kと宮村脱会屋の関係は疑いようもありません。
統一教会的に表現すれば、宮村脱会屋はサタンそのもののような人間である訳ですから、この人物の悪行を徹底的に追及し世に訴えるべきです。それは 統一教会と統一教会信者、そして宮村脱会屋にこれ以上罪を犯させない為にも、‥‥。
しかしながら、上に挙げた米本さんの言葉が最も印象的でした。
もしかしたら、統一教会のリーダーにもチャイルド・アビューズ問題を抱えるリーダーが中心にいて、統一教会そのものを歪めているとしたら絶望的です。
米本さんの人間観察の鋭さには脱帽するばかりです。
また、米本さんと室生さんで解釈が別れた「裏返しの強烈な自己顕示衝動」という表現は「自己」の捉え方の違いが解釈を分けた原因なのではないでしょうか。
つまり、米本さんは社会的な存在としての「自己」と捉えており、室生さんは精神的なアイデンティティーという意味での「自己」と捉えている、ということではないでしょうか。
「自己」の使い方は異なりますが、仰っていることは、室生さんも米本さんも正しく説得力があり、勉強になります。‥‥‥蛇足でした。
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