高度情報社会の拡大・発展、超高年齢社会の進展や職業・ライフスタイルの多様化を背景に、「疲労」やストレスから、QOLの低下、こころとからだの健康度の低下が懸念されています。
そのような中、「疲労」の研究は年々進み、大阪では世界トップクラスの研究が行われています。その研究成果に産業界が注目しており、新たなビジネスの切り口として製品・サービス開発が活発に行われています。
疲労に関連するビジネスの領域は食品・飲料・機器・サービスなど既存の健康産業のほか、鉄道や自動車などの移動空間、住宅・商業施設・オフィス・ホテルなどの設備関連、家具・衣類・文具・グッズなど裾野が広く、様々な分野の企業の参入が期待されており、その市場規模は2020年には12兆円に成長すると予測されています。
「抗疲労・癒し」市場の推計値
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「抗疲労・癒し」市場の推計値(内訳)単位:兆円
分野 含まれるもの 2007
年度将来
2020
年度■疲労測定・診断 疲労検診、カウンセリング/等 - 0.04 ■栄養補給/滋養強壮/食養生・デトックス ドリンク剤、健康食品、健康志向の一般食品、ハーブ、健康茶、漢方、薬用酒、断食(施設、専用食品等)、マクロビオテックス、デトックス 1.68 2.23 ■リラクゼーション/自律神経・ホルモンバランスの回復 (1)徒手療法(鍼灸、あんま、マッサージ、整体、リフレクソロジー、エステ等)(2)入浴、温泉、スパ(温浴施設、浴槽・入浴剤等関連商品)(3)ヘルスツーリズム(4)アロマテラピー(5)アニマルセラピー、森林療法、音楽療法、笑い(6)呼吸法等(ヨガ、気功、瞑想、ヒーリング等)/等 3.02 5.76 ■メンタルヘルス/ストレス・マネジメント カウンセリング、心理療法、EAP(従業員支援プログラム)キャリアデザイン/等 0.02 0.05 ■人間工学等に配慮した疲労予防環境 移動空間(輸送機関)、食空間(商業施設)、住宅、住宅施設、ファシリティ・マネジメント、家具・オフィス什器(椅子、机、OA(PC)等)/等 - 3.58 ■睡眠改善 寝室環境(空調、快眠プログラム搭載マット等)、快眠施設(宿泊、レンタルスペース等)、寝具、その他睡眠促進グッズ/等 0.07 0.21 ■玩具、癒し・疲労軽減グッズ等 癒しロボット、家庭用映写機、マッサージチェア、フットサッカージャー、疲労を軽減する衣類(スポーツウェア、靴下、ストッキング等)、靴・インソール、疲労を軽減するメガネ、コンタクトレンズ、疲労を軽減する文具/等 0.09 0.26 合計 4.9 12.1 注)あくまで推計値であることに注意 ○将来:疲労測定・診断、人間工学に配慮した疲労予防環境等の推計の際、
「抗疲労・癒し」概念の普及率を将来2の半分(3.3%)とした場合出典)統計資料等を基に三菱UFJリサーチ&コンサルティング推計
主な事業分野別「抗疲労・癒し」市場への
参入方法とメリット
出典)三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
※疲労とは過度の肉体的および精神的活動、また疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う、身体の活動能力の減退状態である。「疲労」は心身への過負荷により生じた活動能力の低下をいい、「疲労感」は疲労が存在することを自覚する感覚で、多くの場合不快感と活動意欲の低下が認められる。
(日本疲労学会H22年発表)
疲労と疲労感の有無の例
出典)公表資料及び学識経験者の話を基に三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成
疲労とストレスの要因
疲労☆バスターズは、この「疲労」という社会問題に歯止めをかけるため、新たな製品・サービス開発をめざす企業や、開発をサポートする大学や研究機関、サービス提供者、施設運営者など、川上から川下まで様々なプレイヤーが集まるネットワークです。