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「成長戦略」の不毛 - 呆れ果てるマスコミによる正論化
「成長戦略」とは何か。それは、第一には官僚ペーパーの文言だ。5年前の福田内閣の頃から「成長戦略」という言葉はあったし、3年前の菅内閣の「グリーン・イノベーション」とか「ライフ・イノベーション」とかは記憶に新しいところだろう。菅内閣が「
新成長戦略
」を発表したとき、巷からは「総花的」で「無内容な官僚のペーパーをホッチキスで止めたもの」だと批判された。菅内閣のあと、野田内閣、第2次安倍内閣と続くわけだが、「成長戦略」と題して発表される中身は、基本的に同じものである。一言で言えば、小泉政権の当時の構造改革の路線の下で、各省庁が政策プログラム(省利省益の)を作っていたものを「成長戦略」という名前にして纏めて呼ぶようになった。したがって、「成長戦略」の下で並べられている政策群は、新自由主義的な目的と性格を強く持っている点が特徴である。官僚臭とネオリベ臭、それが「成長戦略」が放つものだ。過去の民主党の歴代内閣がそれを宣伝していたときは、マスコミは「成長戦略」に対してブーイングを飛ばすのが常だったが、なぜか安倍晋三の「成長戦略」に対してだけはそうではなく、期待先行で株価が上がっている状態に対して、実体経済の中身を埋めるものだと肯定的に定義し、半年間、内容が出る前からマスコミは徹底的に宣伝した。特に古舘伊知郎だが、「これから安倍さんが成長戦略の中身を出せば、いよいよ本物の景気回復」と、毎晩のように繰り返し言い、国民の期待を喚起した。
まず、怪しまなくてはいけないのは、一本目の矢である金融緩和と二本目の矢である財政出動については、政権発足から早々に中身を示して手を打ったのに、なぜ三本目の矢である「成長戦略」だけは、「6月に発表」と時間を遅らせたかということだ。政策構想の骨子を提示するのなら、1月の時点で発表すればいいわけで、そうすればアベノミクスの「三本の矢」がそれらしく演出できたと言える。ところが、「三本の矢」のうちの「成長戦略」だけが中身が示されず、半年後に発表という日程になった。ずいぶん先だなと思った人は多かっただろう。マスコミは、それ以降、ひたすら「成長戦略」という言葉を連発・宣伝し、予告編をチラ見せし、期待感を煽るのに躍起になったが、これは、裏返して言えば、「三本目の矢」である「成長戦略」が何も埋まっておらず、言葉だけで中身がカラッポだったことを意味する。「6月に発表」というのがミソで、要するに、官僚が「骨太の方針」で上げる(空虚な)政策群を中身にするということであり、そして、7月の参院選でそれを公約にして訴えるという意図が真相だった。「骨太」は、いつも6月に閣議決定するもので、民主党政権時は「中期財政フレーム」と呼称が変わっていたが、毎年の予算編成の指針を決めるものだ。「成長戦略」を6月に発表としたのは、官僚の予算編成とタイミングを合わせたからで、つまりは、当初から「政策ホッチキス」だったということになる。
安倍晋三の方は、実際にはやりたい「成長戦略」があった。それは、(1)解雇規制の緩和であり、(2)株式会社による農地の自由所有であり、(3)法人税率の引き下げである。そのために、竹中平蔵や三木谷浩史や新浪剛史を「産業競争力会議」に召集して、それらを「成長戦略」の結論として打ち出す構えだったのだ。だが、参院選で不利になる条件を排除しようとする思惑も働いたため、調整を続ける中で、(1)-(3)は見合わせ・先送りになった。(3)については財務省の反対があったという
報道
になっている。結局、特に目玉にするものがなく、安倍晋三が6/5に打ち上げたのは、インターネットでの薬品販売解禁というショボい内容に止まった。半年間、あれほど「成長戦略、成長戦略」と言って大騒ぎしたものが、泰山鳴動してネズミ一匹である。ネットでの医薬品の販売で、果たして景気回復が実現するのだろうかということは、誰しも首を傾げるところだろう。報道によれば、これも薬剤師会の反対で揉めていて、三木谷浩史が「産業競争力会議」の委員を
辞任
すると言って暴れだし、困った安倍晋三が「全面解禁」を打ち出して収拾したという茶番の顛末だ。おそらく、三木谷浩史に委員参加を打診した時点で、「全面解禁」を約束していたのだろう。この分だと、薬事法改正が今後どうなるかは分からない。(1)の解雇規制緩和は竹中平蔵が旗振り役だったが、金銭解雇自由化案が不評で4月の時点で
先送り
にされた。
(2)については、TPP参加で農業関係者を騙した後で、(2)まで堂々と打ち出す勇気はなかったのだろう。自民党内は、(1)と(2)が票にならず、選挙に不利になるということが分かっている。だが、マスコミの方はそうではなくて、(1)と(2)と(3)こそが日本経済の復活の鍵だと懸命に宣伝して後押ししている。古舘伊知郎がそうだし、6/9のサンデーモーニングに出演した幸田真音もそうだ。解雇規制の緩和、農地の株式会社所有、法人税率引き下げ、これらの猛毒の新自由主義の政策が、無謬の「国民的正論」となってしまっていて、マスコミで正面から反対する者が一人もいない。開いた口がふさがらなくなるような、驚くべき反国民的で反動的な経済政策が、「成長戦略」の中身として正当化され、これを支持せよと国民が誘導され洗脳されている。まさに、開いた口がふさがらなくなり、顎の骨が外れそうな感覚になる。これらの政策は、企業(資本)にとっては好都合なものだが、一般の従業員や農民にとっては迷惑千万なもので、暮らしを奪われる脅威の悪政・暴政である。だからこそ、選挙に悪影響になると判断されるのだが、マスコミ報道は、(1)や(2)に反対する者を「既得権益者」と呼び、「成長戦略」に抵抗する悪玉にし、批判するよう世論を扇動している。どうしようもない。TPPも含めて、これら新自由主義の政策が誤りで、国民を不幸にするものであり、景気回復にも繋がらず、間違った経済政策だという認識は、一体どうすれば定着するのか。
おそらく、2008年のときと同じように、NYSEが暴落し、東証が暴落するという現実が出現しないかぎり、マスコミや論壇で新自由主義のイデオロギーが不当視される局面は来ないのだろう。スティグリッツが安易にアベノミクスを賞賛したことは、金子勝や浜矩子にとっては、さぞかし不愉快なことだったに違いない。スティグリッツは何も中身を確かめず、単に「金融緩和」と「財政出動」と「成長戦略」の字面だけを見て、このミックスは正解だと判断している。例えば、日本の「財政出動」が、米国の軍産複合体の増殖と同じものだという理解がない。ニューディール的な良性の表象で捉えてしまっている。また、「成長戦略」は「構造改革」だと受け止めているに違いないのだが、それが米国人にとっては、常に、日本経済が米国経済とトランスペアレントなものになるというプラスのイメージでしかないのである。米国人は、口癖のように、常套句として、日本は流通サービス業の合理化が遅れていて云々と言う。スティグリッツが、TPPは日本国民のためにはならないと言い、タイにもTPPからは逃れるべきだと正論を言いながら、その同じ口で、アベノミクスの「成長戦略」を絶賛するのはわけが分からない。残念なのは、日本にスティグリッツのような大物の経済学者がおらず、スティグリッツにコンタクトして意見を言う人間がいないことだ。アベノミクスは根本的に間違いで、悪質なネオリベ政策で、君の発言は重大な誤りで迷惑な行動なのだということを、スティグリッツに電話で直言できる知識人がいない。
安倍晋三の選挙応援になるからやめてくれと、スティグリッツに言える人間がいない。スティグリッツから、アベノミクスへの支持表明していいだろうかと、君はアベノミクスをどう思うと、事前に相談と検証を持ちかけられる経済学者が日本にいない。
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thessalonike5
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2013-06-10 23:30
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NY金魚
at 2013-06-10 19:13
タイトル :
炉心溶融した資本主義(1)スティグリッツの主張
オキュパイ・ウオール街がはじまったばかりの、2011年10月初旬の「NY金魚」ブログ。ジョセフ・E・スティグリッツが、オキュパイ側が占拠したズコッティ広場に集まった全員にチャントする映像がある。マイク設備が禁じられており、このあとすぐに演説したナオミ・クラインのときのように「人間マイクロフォン」と呼ばれる、群衆がリピートする方式の演説のはじまりとなった。スティグリッツは、その数カ月まえ、3-11から放射能をまき散らす原発事故と、さまざまに形を変えてくりかえす世界の金融危機は、根底的に同じ問題で......
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at 2013-06-10 22:19
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Sand Mandala Teleport to NYC..
すてきな旅はつづいていますか そしてすてきな部分だけでなく 過酷な現代の大海を 果敢に泳ぎつづけているあなたのインナーの勇気に いつも感動し 敬愛しています 地球星という亜光速艇のなかで あなたが瞑想し 美しく 力強く ご自分自身を磨いているメッセージが インターネットを通じて この地球の裏側にまで まさに亜光速のスピードでとどいています 核と戦争のすべてを この世界からなくそうとしているあなたのインナーとの より深いコミットメントを求め......
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Commented by
nyckingyo
at 2013-06-10 19:46
「オキュパイ・ウオール街」初期のスティグリッツ教授のチャントは聞けませんでしたが、その数日後のナオミ・クラインの演説とあわせて、かれの言動がこの運動を大きく成長させたと確信しています。そのスティグリッツがまったく具体策のないアベノミクスの3本目の矢に安易に賛同してしまったことは、どう考えても信じられないのです。どうしても日本政府がウラで動いて、ほとんど騙すように連れてきたとしか考えられません。TPP反対と高齢者福祉はきちんと正論をいっているのに、どうしてこのような発言になったのでしょうか。日本のテレビ番組の軽佻浮薄さと相通じる、なにか底知れない恐ろしさを感じます。
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