UPDATE 2-米FRB、低インフレ率により長期の積極緩和可能に=セントルイス連銀総裁
(内容を追加しました)
[モントリオール 10日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は10日、インフレ率が低水準のため連邦準備理事会(FRB)が正当化されると判断すれば、積極的な資産買い入れが継続可能との見解を明らかにし、物価圧力が弱まる中での買い入れ縮小は好ましくないと述べた。
ブラード総裁はモントリオールで開かれた経済に関する会議で、失業は昨夏から改善したとの認識を表明。この時期は、量的緩和第3弾(QE3)の実施の是非を検討するためにFRBが経済指標を検証していた時期にあたる。ただこの日の講演は、労働市場よりも物価情勢に重点を置いたものだった。
総裁は講演原稿で「労働市場は昨夏から改善しており、米連邦公開市場委員会(FOMC)が資産買い入れペースを緩和できる可能性を示唆している。だが予想外に低いインフレ率は、長期にわたる積極的な(資産買い入れ)プログラムが維持可能であることを示しているかもしれない」と述べた。
「これはデータのぶれの可能性があり、(インフレ率は)上向くかもしれない」としながらも「資産買い入れプログラムを縮小し始める前に(インフレ率の)上昇を確認したい」との見解を示した。
ブラード総裁は質疑応答で、FRBの債券買い入れプログラムによりインフレ率は上昇するはずだが実現していないと指摘し「やや懸念している」と語った。
同総裁は、米国のインフレをめぐる状況には下向きのサプライズがあったとの認識を示し、「こうしたデータは、FOMCが積極的な資産買い入れ策を継続することができることを示している」と述べた。
同総裁はまた、2007─09年のリセッション(景気後退)の一因となった過度なリスクテイクに対し深刻な懸念を表明。「この問題は今も注意深く見守る必要がある」としながらも、「09年のリセッション脱却以来、こうした種類の活動は限定されているように見える」とし、現在の米金融市場で過度なリスクテイクは台頭していないとの見方を示した。
ブラード総裁は今年のFOMCで投票権を持つ。
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