経常黒字は予想の2倍超、所得収支が過去最高で貿易赤字拡大補う (2)
6月10日(ブルームバーグ):4月の日本の経常収支 は事前予想の2倍を超える黒字となった。海外投資からの収益を示す所得収支が円安などを背景に過去最大の黒字となり、貿易収支の赤字を埋めた。3カ月連続の経常黒字になる。
財務省が10日発表した国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引を示す経常収支の黒字額は7500億円。ブルームバーグ・ニュースが集計したエコノミスト予想中央値3500億円の2.1倍、前年同月の2倍になる。配当金や利子の受け取り増で所得収支が52%増の2兆1160億円の黒字と5カ月連続で拡大した。
貿易収支は液化天然ガス(LNG)輸入増などで8188億円の赤字と4月として過去最大のマイナスだった。全体の輸入が9.0%増と輸出の2.7%増を上回った。貿易収支は8カ月連続の赤字幅拡大だが、海外現地法人の配当金を中心とする所得収支の伸びで経常黒字が拡大した。
第一生命経済研究所の大塚祟広エコノミストは、所得収支の増加について「直接投資収益)において大口のものが複数見られたことが影響したようだ」とした上で、4月の伸びについては「やや割り引いてみる必要がある」と指摘している。
また、ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストは同日付のレポートで、貿易収支の先行きについて貿易赤字の明確な縮小は消費税引き上げによる内需の減少と円安下で短期的に貿易赤字が増えるJカーブ効果が剥落する2014年に実現するとの見方を示している。
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更新日時: 2013/06/10 15:50 JST